住民投票へ
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2015年5月17日に行われた住民投票については「大阪市における特別区の設置についての投票」を参照 協定書は、2014年10月1日に、松井知事と橋下市長により、それぞれ大阪府議会・大阪市議会に提出されたが、2014年10月27日に、自民党・公明党・民主党・共産党の反対により、協定書は大阪府議会・大阪市議会にてにそれぞれ否決された。 しかし、その後、公明党が「住民投票を行うことについては賛成する」として議会での承認について賛成に転じた。2015年1月13日、改めて開かれた法定協議会にて協定書が承認されたことから、同年3月の議会での承認を経て、実現の是非を問う見通しとなった。 2015年2月23日に大阪府議会、2月24日に大阪市議会に制度案(協定書)が再提案された。2014年10月に否決された内容とほぼ同じだが、今回は公明党が都構想の賛否を問う大阪市民対象の住民投票の実施を了承し、協定書を2015年3月13日の大阪市議会で可決、大阪府議会も3月17日に可決した。 大阪市選挙管理委員会は2015年3月20日、住民投票の日程を2015年4月27日告示、5月17日投開票と決めた。3年前に成立した「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づいて、政令指定都市の廃止を問う全国初の住民投票となった。 住民投票の対象は特別区の設置エリアである大阪市内で、4月2日時点の有権者は約211万人。大都市地域特別区設置法に基づき、投票率に関係なく結果は法的拘束力を持つ。賛否の呼びかけには公職選挙法が準用されるが、活動費用やビラ、ポスターの種類や枚数などには制限がなく、街頭運動も投開票の当日まで可能であった。そのため、投開票日にも投票所周辺で賛成派と反対派がビラを配るなど活動は活発化したほか、大阪維新の会は約4億円の広告費を投じてテレビCMを流し続けた。また、維新の広告費の原資の大半は維新の党の政党交付金であった。 4月27日、京都大学大学院教授藤井聡は、同構想(「特別区設置協定書」に基づく大阪市の廃止と五分割)について市民が正しく理解する必要性(インフォームドコンセント)から、幅広く全国の学者に呼びかけ所見を求めた。1週間で行政学、政治学、法律学、社会学、地方財政学、都市経済学、都市計画学等、様々な学術領域の研究者108人から、同構想の危険性を指摘する所見が集まり、5月5日に学者18人による緊急記者会見が行われた。記者会見では、同構想が大阪市民の暮らしや大都市大阪そのものに及ぼす危険性の具体的内容が示され、危険性の存在が宣言された。他方、中央大学大学院教授佐々木信夫(大阪市特別顧問)は論説「大阪都構想『住民投票』で問われるのは、大阪の大都市の将来についてだ」として藤井聡の「7つの事実」に反論したほか、慶應義塾大学教授上山信一(大阪市特別顧問)は「政令市」という巨大で非効率な「業界」にメスを入れるという観点から賛成の立場をとるなど、賛成派の学者も一定数存在する。 2015年5月1日、大阪維新の会の支持者から大阪市選挙管理委員会に対して、世論調査を装った不審な電話が大阪市内で相次いでいる、という指摘がなされた。それによると、女性の声による自動音声で「今回、投票に行かない場合は自動的に賛成になるのはご存じですか」など「都構想に関するアンケート」として、電話で質問をしてきた、というものであり、この指摘を受け、橋下は「大阪市民の皆さん! これは嘘ですよ」と呼びかけた。大阪市選管は、こうした電話があったことが事実だとすると、それは公職選挙法に抵触する可能性があるため、大阪府警への相談を検討している、とされた。 一方で、投票用紙についても物議があった。投票用紙の記載は「大阪市における特別区の設置についての投票 特別区の設置について賛成の人は賛成と書き、反対の人は反対と書くこと。」となっていたため、「大阪市を廃止して」が隠蔽され、反対派は一部の有権者が「大阪市が存続したまま特別区が設置されると勘違いする」可能性があると主張した。
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