仕置屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 16:07 UTC 版)
中村主水 演 - 藤田まこと 南町奉行所の定町廻り同心。 組替えで、北町奉行所から南町奉行所に転勤となり、目明しの亀吉が付き、厳しい規律のために袖の下も得られず、新築した離れの代金や表の仕事の失敗による減俸で生活が困窮する。他方で、村野の出す金一封のために職務に励む姿も見られる。飯屋の娘おはつに一目惚れし、隙を見ては飯屋に出入りする。 裏の仕事からは足を洗っていたが、おこうの再三の誘いを受けたのを機に復帰する。前作『暗闇仕留人』までとは裏稼業に対する考え方が明確に変化して、死んだ被害者の心情を記した手紙の受け取りを拒否する(第1話)など、悪に対する義憤を燃やすことなく、あくまで「稼業」として淡々と仕事をこなす姿勢となった。また仲間への不信といったシビアさも前作までに比べ目立つ。 最終回で、自分の命と市松の命を天秤に掛けて悩んだ挙句に後者を選び、伝馬町牢屋敷の牢屋見廻り同心に降格したが、おこうの死に際の頼みを受け、以後も裏の仕事を継続した。 市松 演 - 沖雅也 竹細工師。 整った顔立ちの色男で情に流されない冷淡な性格。殺し屋としてのプロ意識が非常に高く、万難を排して仕置を遂行する。 主水に自分の殺しの現場を見られたため、彼の命を狙うが、命のやり取りを経て、仕置屋となる。他の組織からも別件の殺しの依頼を受けており、それが上手く噛み合うことがあったが、最終回では仇となり、仕置屋チーム崩壊の原因を招いてしまう。 父親の市造は殺し屋だったが、仲間の罠に嵌まり、死亡した。幼い市松は悪人の養子となり、殺し屋として育てられたが、市造の死の真相を知り、悪人を自分の手で始末した(第2話)。 感情を面に表さず、仲間意識も乏しいように見えるために主水や捨三から警戒されることが多い反面、堅気の人間に対しては無償の優しさを示し、竹細工の玩具で遊ぶ子供たちの前では温かい笑顔を見せる。また、自分に言い寄ってくる女性にはそっけない態度だが、悪人に苦しめられる女性には優しい。 最終回で奉行所に捕えられるが、主水や捨三の助力により逃亡し、江戸を離れる。次作『必殺仕業人』では名前のみの登場だが、逃亡先で赤井剣之介と出会い、主水を彼に紹介した。 印玄 演 - 新克利 破戒僧。 坊主頭の中年男性。捨三とは親友で、釜場に入り浸り、女湯を覗いたりしている。設定年齢は30歳(第26話)。本名は「多助」。 上州で幼少期を過ごしたが家庭環境に恵まれず、幼少時に母と生き別れ、以後は父と暮らしていたが、生活苦から父が印玄を道連れとして無理心中を図り、印玄のみが生き残った。印玄が青年になった頃、母との再会を果たすが、息子や夫への愛情は無く、再会した息子に関係を求めるに至り、印玄は母親をその情夫とともに始末した(第13話)。 基本的に明るい性格だが、躁鬱と呼べるほどに気分の浮き沈みが激しい。 裏の仕事に出向く前に、女郎屋に足を運んで女を抱くのが習慣になっている。 市松の不遜な態度に不快感を示すこともあるが、捨三ほどではなく、邪険にされても市松との交流を深めようという姿勢を見せており、最終回では仲間内で唯一人、市松の潔白を主張した。 最終回で悪人に捕らえられたおこうを助け出す。おこうを屋根から下ろす最中に悪人に刺されるが、おこうを市松に託した後、その悪人を道連れに屋根から飛び降り死亡した。 捨三 演 - 渡辺篤史 銭湯「竹の湯」の釜番。 仕置屋の密偵で、自分の勤める釜場が仕置屋の隠れ家となっている。 かつて、スリをしていた頃に主水から目こぼしを受けて以来、彼を慕うようになる。主水シリーズの他の密偵たちが、基本的に主水と対等な関係として描かれるのに対し、主水と捨三のそれは完全な主従関係である。 主水に対する忠誠心が強く、主水に対する市松の不遜な態度に食って掛かったり、悪人が主水に向けた短筒の前に身を呈して庇ったりと主水に尽くす場面が多い。 「仕置屋」であることに矜恃を持ち、「殺し屋」である市松に対して不快感および不信感を抱いているが仲間としての意識は強く、最終回では伝馬町の牢屋敷へ護送される市松の逃亡を幇助するために身体を張っての危険を冒している。 第1話の時点で、主水の裏の顔を知っていたが、経緯は不明。主水の裏稼業再開に際し、印玄を紹介し、自らは情報収集と連絡係を担っている。初期には変装術を駆使した。 おこう 演 - 中村玉緒 主水の過去を知り、裏稼業に復帰させた。彼女が頼み人から依頼を受け「おさすり地蔵」で主水と密会して、仕事を依頼する。 上方出身で京言葉を話す。新富町の髪結い床の女主人で客に対する、おべっかが上手く、金にがめついが、弱者への情に厚い。主水が間に入るため、仕置その物については殆ど知らないが市松のことは知っていた。 主水に想いを寄せており、主水が中村家から離縁されても自分が養うとまで言い切るほどだったが、最終回で悪人の報復により熾烈な拷問を受ける。印玄と市松に救出されるが、主水に裏稼業を続ける様に頼み、死亡した。 おこう役の中村玉緒と主水役の藤田まことは、本作終了の数カ月後に放送された時代劇『夫婦旅日記 さらば浪人』で夫婦役を演じている。
※この「仕置屋」の解説は、「必殺仕置屋稼業」の解説の一部です。
「仕置屋」を含む「必殺仕置屋稼業」の記事については、「必殺仕置屋稼業」の概要を参照ください。
- 仕置屋のページへのリンク