人本主義とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 概念 > 主義 > 人本主義の意味・解説 

じんぽん‐しゅぎ【人本主義】

読み方:じんぽんしゅぎ

人文主義(じんぶんしゅぎ)


ヒューマニズム

(人本主義 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 22:35 UTC 版)

ヒューマニズム: humanism)、人文主義(じんぶんしゅぎ)あるいは人本主義(じんぽんしゅぎ)という概念は、歴史的な変遷を経て多義的に用いられている。

概要

ルネサンス期における「ヒューマニズム(人文主義)」とは主として古典研究、フマニタス研究を指し、14世紀にイタリアから西ヨーロッパに広まった。16世紀にかけての「ヒューマニスト(人文主義者)」はラテン語学校の教師や生徒を指し、カトリック教徒がほとんどであり「キリスト教の純化と更新」を目的としていた。この時期のヒューマニズムは現代のヒューマニズムと区別するために、ルネサンス・ヒューマニズム英語版というレトロニムによって呼ばれている。

20世紀にはいると、この古典研究の意味から離れて合理主義的解釈が施され、以下のような極端なとらえ方がなされる場合がある。真理の根拠を、でなく理性的な人間の中にみいだそうとした、と。その延長上として「人間中心主義」と訳出する場合があるが、この「人間」とは、西欧近代的な価値観に基づく「理性的」な人間であり、理性中心主義・西欧中心主義に通じる概念である[要出典]、と。この解釈は、啓蒙主義以後の観点であり、ルネサンス人文主義とは明確に区別されるべきであろう。

語源・歴史

「フマニタス(: humanitas)」という概念は、既に古代ローマ時代にあり、ローマ市民が学ぶべき教養として理解されていた。これが中世においては、大学で教授される自由七科(教養学科)へと受け継がれた。こうした古典の研究は、特に14世紀後半以降フマニタス研究 (Studia humanitatis) と呼ばれ、その研究者は人文主義者(ユマニスト、ヒューマニスト)と呼ばれ始めた。

14世紀イタリアペトラルカ以降、古典古代(ギリシア・ローマ)への関心が高まるルネサンス期になると、スコラ学的なアリストテレス哲学に基づく論理体系に対して、キリスト教以前の古代のギリシア・ローマの詩歌歴史修辞学の中に倫理の源泉を見いだそうとする動きが生じた。この点で、カトリックに対する人間中心主義とも言われるが、論理体系・視座において新たな姿勢を打ち出しただけで、キリスト教そのものを否定したわけではないし、必ずしもカトリックとの対立を伴ったわけでもなかった。古典研究に根ざした、教養ある人士の生き方、生活様式が人文主義者(ユマニスト)の身上とされた。

人道主義・博愛主義

人道主義博愛主義を指してヒューマニズムと言う場合もあるが、英語では人道主義を humanism と区別して humanitarianism で表すこともある(必ずしも一般的ではない)。今日の日本では、むしろこの意味でヒューマニズムが用いられることが多いが、上記のように歴史的・哲学的文脈での人文主義者の主張は、戦争反対や、弱者に優しくしようといった発想と直ちに重なるものではない。

関連項目





人本主義と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「人本主義」の関連用語

1
ユマニスム デジタル大辞泉
92% |||||


3
ヒューマニズム デジタル大辞泉
30% |||||

4
16% |||||

5
8% |||||






人本主義のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



人本主義のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒューマニズム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS