ポピーの花言葉
ポピー花言葉の由来
#含有成分の性質に由来している説ポピーの茎や若芽を傷つけると滲み出てくる白い乳液にはアルカロイド成分が含まれている。強い鎮痛作用があることから、ポピーの乳液は古くから痛み止めや麻酔薬として用いられていた。苦痛を和らげる作用から「労わり」「慰め」などの花言葉が生まれたとされている。
#ギリシャ神話のエピソードから来ている説
ポピーの花言葉である「眠り」はギリシャ神話で語られている女神デメテルのエピソードが由来になっている。デメテルは豊穣の女神であり、世界の農作物を司っていた。デメテルは娘のペルセポネーと仲良く暮らしていたが、ペルセポネーは冥界の王ハデスに連れ去られてしまった。ハデスの行いはギリシャ神話の主神であるゼウスが関与していたが、ゼウスはペルセポネーの父でもあった。デメテルは愛する娘が連れ去られたこと、誘拐に娘の父であるゼウスが関わっていたことにひどく傷つき、眠れないほどの悲しみに打ちひしがれてしまった。デメテルが悲しみに暮れたことによって作物が育たなくなり、世界が荒廃した。そのような中でデメテルを救ったのが、眠りの神ヒュプロスだった。
ヒュプロスはデメテルを慰めるためにポピーの花を贈った。花の美しさとヒュプロスの優しさによってデメテルの心は安らぎ、ようやく眠ることができた。これによって荒れた大地が元通りになり、再び作物が育つようになったのである。ポピーには「感謝」の花言葉もあるが、これは安らかな眠りをもたらしたヒュプロスの行いに対してデメテルが抱いた感謝の気持ちから来ている。
#人を惑わすほどの美しさから来ている説
ポピーの花は可憐で可愛らしい姿をしていることから多くの人に愛されている。白色のポピーに「忘却」の花言葉が使われているのは美しさのあまり、仕事や勉強などを忘れてしまう説があるためだ。西洋には花を育てるのが好きな王様がポピーに魅入られ、何も手につかなくなってしまったという昔話がある。王様はポピーの花を見つめてばかりで自分の仕事を放棄してしまい、遂には国が滅んでしまった。ポピーの花には人を惑わす魔性の力が秘められているという迷信もあり、これらを理由として「忘却」の花言葉が用いられるようになったとされている。
ポピーの英語の花言葉
ポピーの英語の花言葉には「oblivion(忘却)」「sleep(眠り)」「imagination(想像力)」などがある。「忘却」「眠り」はギリシャ神話にある、娘を連れ去られた悲しみで眠れなくなった女神デメテルが眠りの神ヒュプロスに助けられたエピソードから来ている。ポピーの花を贈られたデメテルは心が穏やかになって眠ることができた。眠っている間は娘がいない悲しみを忘れることができたことから「忘却」「眠り」の花言葉がつけられたのである。「想像力」の花言葉については人が眠る際に見る夢を意味する説がある。また、天才と称される偉人の多くが眠っている間にひらめきを得たとされているのも花言葉の由来だ。ポピー色別の花言葉の解説
ポピーは様々な色の花を咲かせ、花言葉もそれぞれの色によって異なる。赤色のポピーには「感謝」「慰め」の花言葉があるが、これはギリシャ神話に出てくるポピーが赤色だったためである。白色なら「忘却」「眠り」が花言葉であり、女神デメテルを救った眠りの神ヒュプロスが白い服を着ていたことに由来している。黄色のポピーは「富」「成功」などの花言葉がある。黄色はお金を意味する色とされ、そこから「金銭的に豊かな状態になる」「社会的に成功する」などの意味を持つ花言葉がつけられた。橙色のポピーには「恋の予感」「陽気で優しい」などの花言葉がつけられている。橙色は太陽の色でもあることから、陽気なイメージを持つ花言葉が使われた。「恋の予感」については好きな人ができると胸が高まり、顔が淡い紅色に染まることから来ている。同じ理由で桃色のポピーにも「恋の予感」という花言葉が使われている。青い花を咲かせるポピーには「憩い」の花言葉がある。青色は心を落ち着かせる効果を持っているとされ、そのことから「憩い」の花言葉が用いられるようになった。紫色のポピーは品種改良で作られた、比較的新しい品種である。そのため、紫色固有の花言葉は存在せず、桃色の「恋の予感」や赤色の「慰め」が用いられる。
ポピーの花を花束にする際は一つの色でまとめるのが普通である。複数の色で花束を作ると色別の花言葉は当てはまらず、本数に基づく花言葉の意味で解釈されるので贈り物にする際は注意しなければならない。
ポピー本数別の花言葉の解説
ポピーには本数に基づく花言葉は存在しない。花束にした場合は本数を問わず、色ごとに異なる花言葉が用いられるのが普通だ。また、花の種類とは関係しない、本数別の花言葉を当てはめることがある。10本ほどの少数なら「いつも一緒です」「あなたを尊敬します」など、友情や相手を敬う気持ちを意味する花言葉が用いられる。墓前に供える際には「あなたを忘れない」と、故人を偲ぶ花言葉が当てはまる。50本以上の大きな花束になると「永遠の愛」「結婚してください」など、愛の告白に適した花言葉になる。一方で16本は「不安な愛」、17本は「絶望の愛」とネガティブな意味の花言葉になる。ポピーの怖い花言葉
白色のポピーには「わが毒」という、怖い意味の花言葉がある。「眠り」の花言葉がある通り、ポピーには強い鎮痛作用を持つアルカロイドが含まれている。少量なら痛み止めや麻酔などの効果が得られるが、量が多すぎると重大な体調不良を引き起こし、場合によっては死亡することもある。ポピーの乳液は毒薬の材料としても使われたこともあったため、「わが毒」の花言葉がつけられた。悪だくみをしている人や下心を持っている人を白いポピーに例えることもある。「忘却」の花言葉も解釈によっては怖い意味になる。大切な思い出や約束を忘れてしまうのは非常に恐ろしいことであり、人が犯す重大な罪とされていた。一部の地域では薄情や裏切りを示す意味で白いポピーを贈ることがある。黄色のポピーに「富」の花言葉がつけられたのは、黄色が金銭や財産のイメージを想起させるためであろう。ただし花言葉の本家といえる西欧には、金銭にがめつい在り方は強欲の罪に直結する価値観もある。蓄財や儲けに執心することは卑しく罪深いとされ、商業や金融業に携わることが多かったユダヤ人は蔑まれる向きがあった。ちなみい黄色はユダヤ人の色とされることもある。現在でも金銭欲を卑しむ価値観にもとづき黄色のポピーにネガティブなイメージを抱く人はいる。西洋において黄色のポピーを贈る場合は、その点に留意する必要があるかもしれない。
「成功」という花言葉も、場合によっては皮肉めいた意味で捉えられる可能性がある。
綺麗な花を咲かせるポピーは、日本でも古くから観賞用として親しまれていたが、花言葉とは関係なく、ポピーの花そのものがネガティブなイメージで捉えられ忌避される傾向もある。ポピーは和名を「ケシ」ともいい、麻薬の一種である阿片(アヘン)を抽出する原料となるためである。阿片には強い依存性があり、心身を蝕む危険なクスリである。ただし阿片が抽出されるポピーの種類はわずかであり、ほとんどの品種には依存性を持つ成分は含まれていない。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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