ブリキの玩具とは? わかりやすく解説

ブリキの玩具

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 00:27 UTC 版)

ブリキ」の記事における「ブリキの玩具」の解説

日本国内ではブリキの板をロボット自動車鉄道車両電車など)、船舶航空機など乗り物のような形に成形塗装した玩具を「ブリキおもちゃ」と呼び懐古趣味的に愛好する人々がいる。昭和初期中期生活史懐かしむ文脈に、ブリキおもちゃ現れる19世紀から20世紀初頭にかけてドイツメーカー主戦場築き上げたが、日本におけるブリキの玩具の登場明治5-6年とされるこの頃石油ランプ普及により大量石油缶の空缶廃棄されており、これに玩具業者再利用して玩具製造したという。明治7-8年ブリキ板が輸入されるようになったが、高価なため古ブリキによる玩具製造日清戦争の頃までつづけられた。 第一次世界大戦後日本のメーカー台頭して重要な輸出品になった全盛期戦後1950年代1960年代昭和20~30年代)で、その郷愁意欲的に追求するために金銭労力投入してでもブリキおもちゃ蒐集する愛好家存在し、彼らの中で稀少価値の高い品が高値売買されている。 戦後の復興期においてブリキ玩具輸出外貨獲得貢献した当時玩具錆びやすいブリキ使用されていた理由コスト面だけでなく、主力産業優先して供給すべき伸銅製品使用玩具には制限されていた事も一因思われる。なお、玩具ではなく教材として販売する場合伸銅使用認められていた。 アサヒ玩具(後にママレンジシリーズを発売ブリキ玩具から撤退)、バンダイ後発だが赤箱シリーズ発売により台頭し、後に米国3大メーカー一社TONKAと提携JAPAN TONKAを発売の後、キャラクター玩具中心となる)、イチコー最後までブリキこだわり子供服MIKIHOUSEとのコラボでも活躍)・増田屋コーポレーションラジコンラジオコントロール1955年世界先駆けて玩具応用し商標保有)等が有名。 ブリキの玩具は資本投下少なく金型製造以外は高度な技術熟練した工程少ない。そのため発展途上国工業化近代化促す第一歩として最適な産業と言えよう。戦後日本輸出支えたのは燕の洋食器ブリキ玩具とも言われている。その後高度成長期において人件費高騰によりプラスチックなど主に石油原料とした作業工程少なく人件費かからないものがブリキにかわり玩具主流となっていった。昨今一部蒐集家によりブリキの玩具は過去のものというイメージが強いが現在でも日本始めとしてマニア向けの復刻版だけでなく、少数ではあるが幼児用商品生産されている。ただ、人件費の安い海外製のものも多くなっており、それらはST玩具安全基準)を満たしていないものもあるので幼児与えるには注意が必要と思われるブリキ製品大別して塗装印刷2種類分けられるブリキの板をプレス加工した後、さびないよう下地塗装掛けもう一度塗装をかける。玩具などでは大体0.25mm~0.4mmが中心欧米では鋭利で触ると危険なプレス切断面ジャブ付けと言われる厚地皮膜で覆うことが多く、そのため比較厚めである。日本製のものは切断面もう一度プレス工程をかけ、折り曲げて安全にする手法をとっており、そのため薄目のものが多い。また塗装下地をかけてからもう一度塗装するなどの気配りをしている。あらかじめ印刷されブリキ板をプレス加工して組み立てるものは、加工後を想定して印刷デザインをする必要があるため、高度な技術が必要となる。このため何回ものテスト繰り返して初め想定した製品となりうる。印刷オフセット印刷特色印刷用いてプレス加工耐えうるインク保護膜を作るために最後にニス引いてからプレス加工する。 昔の製品には白色顔料鉛化合物含まれていた為に経年変化により黄色味を帯びている。占領下の日本生産された事を示す"occupied japan"の表示のある物は高値取引されている。

※この「ブリキの玩具」の解説は、「ブリキ」の解説の一部です。
「ブリキの玩具」を含む「ブリキ」の記事については、「ブリキ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ブリキの玩具」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ブリキの玩具」の関連用語

ブリキの玩具のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ブリキの玩具のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのブリキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS