ネポティズムとは? わかりやすく解説

nepotism

別表記:ネポティズム

「nepotism」の意味・「nepotism」とは

「nepotism」は、親族友人優遇する行為、特に職場での不適切優遇を指す英語の単語である。起源ラテン語の「nepos」で、「孫」や「甥」を意味する。この言葉は、中世教会親族高位就ける行為問題となったことから生まれた

「nepotism」の発音・読み方

「nepotism」の発音は、IPA表記では /ˈnɛpəˌtɪzəm/ となる。カタカナ表記では「ネパティズム」と読む。日本人発音する際のカタカナ英語読み方も「ネパティズム」である。この単語発音によって意味や品詞が変わるものではない。

「nepotism」の定義を英語で解説

「nepotism」は、"the practice among those with power or influence of favoring relatives or friends, especially by giving them jobs"と定義される。つまり、権力影響力を持つ人々親族友人優遇する、特に彼らに仕事与えるという慣行を指す。

「nepotism」の類語

「nepotism」の類語としては、「favoritism」や「cronyism」がある。「favoritism」は、特定の人物グループ不当に優遇する行為指し、「cronyism」は、友人優遇する行為、特に公的な地位や職を友人与え行為を指す。

「nepotism」に関連する用語・表現

「nepotism」に関連する用語としては、「bias」や「discrimination」がある。「bias」は、ある特定の人物グループ対す先入観偏見指し、「discrimination」は、特定の属性人種性別年齢など)に基づいて人々不当に差別する行為を指す。

「nepotism」の例文

以下に「nepotism」の使用例10例示す。 1. The company has a strict policy against nepotism.(その会社は、ネポティズムに対す厳格な方針持っている。)
2. Nepotism has been a problem in politics for centuries.(ネポティズムは、何世紀にもわたり政治問題であった。)
3. He was accused of nepotism when he hired his brother.(彼は兄弟雇ったときにネポティズムの告発受けた。)
4. Nepotism can lead to resentment among employees.(ネポティズムは従業員の間で恨み生む可能性がある。)
5. The mayor denied any accusations of nepotism.(市長はネポティズムのすべての告発否定した。)
6. The organization is trying to eliminate nepotism.(その組織はネポティズムを排除しようとしている。)
7. Nepotism is often seen as unethical.(ネポティズムはしばし不倫見なされる。)
8. The new law aims to prevent nepotism in public offices.(新し法律公務員のネポティズムを防ぐことを目指している。)
9. Nepotism can create conflicts of interest.(ネポティズムは利益対立生む可能性がある。)
10. The director was criticized for his nepotism.(その監督彼のネポティズムに対して批判された。)

ネポティズム【nepotism】

読み方:ねぽてぃずむ

縁故者をひいきにして公職など採用すること。


縁故主義

(ネポティズム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/24 21:51 UTC 版)

縁故主義(えんこしゅぎ)またはネポティズム: nepotism)とは、血縁を持つ縁故者を優先させる態度。

社会学の分野においては、同族・同郷者に限らず同じ共同体に属する人間の意見ばかりを尊重し、排他的な思想に偏る内集団偏向のことを指す。一般に、権力者はしばしば縁故者を自らの側近や部下として配することで知られる。

カトリック教会における縁故主義

カトリックには、古くから聖職者制度というものがあるが、カトリックの聖職者は結婚したり跡継ぎの子供を作る事は認められていないだけでなく、いかなる性的活動も慎むものとされている(いくつか理由づけはあるが、そのひとつには信仰組織が 世襲制によって いつしか自分の子供ばかりを偏愛する者たちの巣窟のようになってしまうような事態を防止する意図もあった)。

だが、中世ヨーロッパではカトリック聖職者は様々な特権を持つようになっていて、特に司教修道院長枢機卿といった上級の聖職者は、世俗諸侯と変わらない権力を持つまでになってしまった。そのような状態になったところ、親族の子供、中でも甥に様々な便宜を与えたり、実質的な後継者とする事が行われるようになってしまったので、これを(批判も込めて)「nepotismo ネポティズモ」と呼ぶことが始まった。イタリア語の「nepote」「nipote」は「孫」と「甥姪」の両方を指す語で[1]、 平たく言えば「甥っ子主義」「姪っ子主義」といった表現である。

また、ローマ教皇に就任した際には、自身の支持基盤強化を兼ねて甥や縁故者を枢機卿に取り立てる例がしばしば見られた。この時おじによって枢機卿に任命された人物の中には、自らが教皇となった例もある(ピウス2世ピウス3世シクストゥス4世ユリウス2世など)。

さらには、公的には結婚・妻帯が禁じられていたカトリックの聖職者が、密かに儲けてしまった庶子を「甥」と偽ることまでもあった。ルネサンス期になると、そうした反則が半ば公然と行われるようになってしまった。

その代表例としてしばしば挙げられるのが、教皇アレクサンデル6世の庶子、チェーザレ・ボルジアである。また、パウルス3世も実の孫アレッサンドロ・ファルネーゼを14歳にもかかわらず枢機卿に任命した。

縁故主義禁止の明文化

1692年に教皇インノケンティウス12世教皇勅書「ロマーヌム・デチェット・ポンティフィチェム」(Romanum decet Pontificem)を発布し、教皇が、親族に財産、土地、利益を与える事の禁止を明文化したことにより、カトリック教会の縁故主義は終焉を迎えた。

中国の縁故主義

能力主義の典型である科挙制度導入後の中国の官僚界では、科挙の試験監督となった官僚(すなわち実質的に受験生の合否の帰趨を決する立場の存在)と疑似的な「師弟関係」を結ぶ朋党が出現し、自らの党を強化するための党争が頻発した。また権力を握った皇帝の外戚宦官も、一族を引き立てて権力を掌握することがあった。現在の中華人民共和国でも太子党と呼ばれる血縁・婚姻関係で結ばれた派閥がテクノクラート的な党官僚を擁する共青団とよく比較される[要出典]

社会主義国の縁故主義

「階級のない社会」を標榜することが多いながらも、実際には党による強力な指導性を重視する社会主義国では、人材登用には上位者の承認と任命が不可欠(猟官制も参照のこと)であるため、ノーメンクラトゥーラ制による人材登用が行われた。

しかし、上位者が縁故を優先することが多くなり、縁故主義の温床となった。ルーマニアのニコラエ・チャウシェスク政権では特に縁故主義が跋扈し、妻エレナを筆頭にチャウシェスクの親族が要職に就いた。北朝鮮では最高指導者の白頭血統が重視され、最高指導者の三代世襲が行われた。

日本の縁故主義

日本では腐敗打破を目指した新自由主義改革や小選挙区制導入がむしろ世襲議員や忖度を増加させたと言われている[2][3][4][5]

脚注

  1. ^ イタリア語「nepote」「nipote」の語源は、ラテン語「nepos」{(1)孫、(2)甥姪}。
  2. ^ スイスのメディアが報じた日本のニュース - SWI swissinfo.ch
  3. ^ 安倍政権下でなぜ日本は「縁故資本主義」になったのか、その本質的理由(松尾 匡) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
  4. ^ 衆院選は、小選挙区制のままでよいのか?  ~世襲の優先、政策通議員の減少…数多い課題を考える~ | キヤノングローバル戦略研究所
  5. ^ 「有権者が当選させているのだから仕方ない」は本当か…政治家が劣化した世襲議員ばかりになった根本原因 | キヤノングローバル戦略研究所

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