ニュージーランド野生生物サービス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:50 UTC 版)
「フクロウオウム」の記事における「ニュージーランド野生生物サービス」の解説
1950年代に、ニュージーランド野生生物サービスは設立され、大部分はフィヨルドランド現在南島の北西部のカフランギ国立公園であたることで、カカポを捜すために定期的な調査を開始した。1951年から1956年の間に行われた7度のフィヨルドランドの調査で、カカポが生息している兆候を見つけ出した。1968年、ついにカカポは捕えられて、フィヨルドランのミルフォードサウンド担当区域で放された。植物資源を食い荒らす帰化動物の鹿やシャモアが(他の場所でもそうだが)の脅威ゆえに、カカポを隔離する決定がなされた。1961年に6羽のカカポが捕獲され、1羽が放され、5羽が北島のマウントブルース野鳥保護区近くの鳥小屋に移された。数ヶ月のうちに4羽が死に、5羽目も5年後に死んだ。それから続いた12年間の定期調査では、カカポが生息する兆候を発見したものの、それはカカポの継続的な減少を示していた。この年に1羽のカカポが発見され1967年に捕獲された。隔離環境でのカカポの保護技術が改良されたことで楽観的な見通しがあったにも拘わらずその1羽は翌年に死んだ。 1970年代初期までにはカカポが生き残ったかどうかははっきりしなくなった。しかし、ヘリコプターの登場は、それまで近づくことのできなかった所への調査を可能にした。1974年前半に、2羽のカカポがミルフォードサウンド集水域で捕えられて、南島の北の、マールボロサウンズのモード島の方へ移された。2羽が異なるサイズであったので、片方がメスでもう片方がオスであることが期待された。メスだと考えられていたほうが1977年に犬に殺されたあと、検死でそれがオスであることが判明した。 1974年の終わりに、調査隊は何羽かのカカポを発見し、初めてカカポの「唸り声」を科学的に観察した。ドン・マーティンの率いた観察ではカカポが「レックシステム」で繁殖していることが初めて考察された。1羽は1975年にミルフォード地域に隔離され、「リチャード・ヘンリー」と命名され2005年まで生きた。この個体は50歳だったと判明した。1976年に4羽のオスのカカポがミルフォードサウンドとなりの集水域のトランジットバレーで捕獲された。 1974年から1976年まで、14羽のカカポが発見された、しかし、全てオスであることが明らかとなった。これは、巣を作っている間、おそらくシロテンに殺されて全てのメスが死んだとされ、これによりこの種がすでに機能的絶滅となった可能性が浮上した。野生生物サービスが1951年から1976年まで発見した全ての鳥は、ほとんど垂直の絶壁が側面に並んでいて、高い山に囲まれているU型の氷層でおおわれた谷にいた。そのような最果ての地形は鹿とオポッサムのような帰化哺乳類による侵略を阻んでいた。そして、そのような外部の影響をまだ受けずに残った自生の植物の孤島にいた。しかし、ここでさえシロテンは侵入しており、1976年までにカカポは谷床からいなくなり、ほんの少しのオスだけは崖で最も近づきがたい高所で生き残っていた。 1951年以来、カカポの捜索隊は南島へ登り、時折は北島へも登った。1977年まではスチュワート島へは探検隊は行っていなかった。1949年に政府職員がカカポを目撃し、その羽を採取したにもかかわらずである。1970年には鹿の猟師がカカポの写真を撮り、それを、報告を無視しているようだった森林局職員に報告した。1977年の探検隊はカカポの「トラック」と「庭」を初めて見つけ、数ダースの個体を捕らえ、その中にはメスがいるのではと期待した。1980年に口輪をつけた犬が多くのカカポを見つけ出し、その中には5羽のメスがいて、隔離された。全体的な個体数は100から200に推定された。 スチュアート島にはシロテンと他のイタチ類がいなかったが、野生の猫がかなりの率でカカポを殺していたと判明した。1980年と1981年の間に、3羽のメスと1羽のオスは「リチャード・ヘンリー」にあわせるためにモード島の方へ移された。そして、唯一のフィヨルドランドのカカポがまだ生きていた。1977年と1982年の間で、猫はスチュアート島の上で確認されたカカポの50%を殺した。そこで、1982年に、11羽のオスと7羽のメスはハウチュル島へ再配置され、そこでは野生の猫は1980年に根絶された。彼らは、モード島からの「リチャード・ヘンリー」と3羽の生き残っているスチュアート島の個体とともに加えられた。モード島からの彼らの除去は、妊娠したシロテンが本土から900mの距離を泳いで横断したことが発見されたために行われた。 スチュアート島のラキウラの北西にあるコッドフィッシュ島から、1987年には、ポッサムは根絶され、そして、10羽のメスと20羽のオスは1987年と1992年の間でスチュアート島からコッドフィッシュ島と移された。更なる2羽のメスと3羽のオスはモード島の方へ移された。そして、以後、1989年と1991年の間に、そのシロテンの仲間を根絶した。1995年までに、カカポの既知の個体数は50羽となり、そのうち19羽がメスだった。
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