トノサマバッタ以外による蝗害とは? わかりやすく解説

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トノサマバッタ以外による蝗害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 08:05 UTC 版)

蝗害」の記事における「トノサマバッタ以外による蝗害」の解説

日本ではバッタ科バッタによる蝗害がほとんど起こらなかったため、中国渡来文献書かれている蝗害」を、昆虫による大規模な農被害全般を指す語だと誤解した日本古文献書かれている蝗害」のほとんどは、イナゴイナゴ科)、ウンカメイチュウよるものである。被害様相バッタによる真の蝗害とは著しく異なるが、やはり真の蝗害実体験乏し日本では、このウンカによる被害に対しても、蝗害漢語当てられることとなった今日ではウンカ群生相を示すことが知られているが、被害飛蝗比べればはるかに小さい。 日本越冬できないトビイロウンカセジロウンカ被害発生するのは、梅雨前線沿った気流によって中国南部東南アジア説もある)から移動してきて一時的に大発生するためである。このトビイロウンカセジロウンカ昭和前期には越冬していると考えられていたのであるが、1967年昭和42年)に、岸本良一がジェット気流乗って梅雨時期中国大陸から飛来するとする研究発表し1987年昭和62年)に清野豁が飛来経路解明したこのため、現在では飛来ウンカには飛来予報発表するページ存在する古文献には、『続日本紀』巻二大宝元年701年八月辛酉の条に、三河始めとする17ヶ国に被害があったと記されており、以後数年おきに害が報告されている。また、『続日本紀』には749年天平21年/天平感宝元年/天平勝宝元年)に「下総蝗害石見疾疫あり。よって夫々賑給す」と関東地方でも蝗害があったとする記述がある。この後の『日本後紀』巻22812年弘仁3年)の条にも、薩摩国発生し、稻五千束の税が免除されたとの記録があるが、これはウンカによる被害と見られる神話・伝説レベルの話だが、807年大同2年)に成立した古語拾遺』には、大地主神(おおところぬしのかみ)が御年神みとしのかみ)から蝗害防止祭事教わった話が載る桑原和男は『古語拾遺804年延暦23年)の条から銅鐸にある絵柄一つ蝗害防止祭事ではないか仮説立てている。 874年貞観16年)には伊勢国で「其頭赤如丹。背青黒。腹斑駮。大者一寸五分小者一寸」と描写される」に1日ヘクタール食害されており(『日本三代実録』)、これはイナゴ被害見られている。また、1017年寛仁元年)には越前摂津近江など蝗害のため、蝗虫御祈諸社奉幣使を使わした記録がある(『小右記』)。 享保年間、特に1732年享保17年前後起きた蝗害大きい。防長両国蝗害高は292740石余、松江藩では収穫は7割程落ち込んだとされ、伊予和気松山藩では3400人の死者出たとされる。なお、『徳川実紀』にはこの蝗害のために餓死した人間969900と書き記しており、46合計236万石の所、収穫628000余石足らずであったと言う。 また厳島神社には1750年寛延3年)、同1753年宝暦3年)に蝗害発生による祈祷行った記録残っているほか、1749年寛延2年)には冷害蝗害により東北地方大飢饉となり、肥前唐津藩では1768年明和5年)に蝗害起きた記録が、1740年元文5年)には伊勢国紀州藩領で108蝗害のための減免強訴した記録があり、1770年明和7年)に関東各地で、1780年安永9年)に出雲松江藩蝗害記録が、1819年文政2年11月には大里郡佐谷田村(現埼玉県)にて蝗害駆除祈願が行われた旨がそれぞれの町史市史県史に見る事ができる。大蔵永常1826年文政9年)の農業書である『除録』はウンカについての記述と見られる。なお、記録が多い筑紫国蝗害は、1627年寛永4年)から1868年慶応4年)の間に33回も蝗害記述がある。

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