ソ連からの技術供与の背景とは? わかりやすく解説

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ソ連からの技術供与の背景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 02:33 UTC 版)

中国の核実験」の記事における「ソ連からの技術供与の背景」の解説

1957年6月にはモロトフスターリン派フルシチョフ政権転覆企てるなどし、ハンガリー動乱ソ連全体揺さぶっていた。各国の共産党指導者フルシチョフ支持した毛沢東簡単に承諾せず、原爆製造技術供与交換条件に付け加えたソ連側はこれに応じ10月15日モスクワ中国原爆製造模型提供を約束する協定署名した。「ソ連原爆の父」といわれるイーゴリ・クルチャトフ反対押し切りフルシチョフは、エフゲニー・ヴォロビエフを中国派遣し、さらにR-2短距離地対地ミサイル二基を提供した(R-2は元々はソ連ドイツV2ロケット改良した)。このときに中国科学者60人から6000人に増大している。ミコヤンは「ソ連中国のために核兵器工場建設した」とのちに証言している。なお中国側が投資した金額原爆製造だけで41米ドル(1957年当時価値)にのぼったとされる1957年10月4日ソ連による人類初の人工衛星スプートニク1号打ち上げられた。これはスプートニク・ショックともよばれ、ソ連による大陸間弾道ミサイルによるアメリカ本土攻撃可能性示唆する出来事で、西側諸国衝撃走ったパニック陥ったアメリカは、翌1958年までにアメリカ航空宇宙局NASA)を設立しマーキュリー計画などを開始しソ連との間で宇宙開発競争がはじまる。毛沢東ソ連スプートニク1号刺激され中国人工衛星作りたい願っている。 詳細は「宇宙開発競争」を参照 1957年11月2日モスクワ開催され共産主義諸国サミットにおいて毛沢東は「戦争起こったら、何人人間が死ぬか。世界には27億の人間おりますその三分の一はなくなってもいい。あるいは半分失ってもいい。しかし帝国主義は完全に打ち倒され世界全体社会主義になる」と演説参加国衝撃受けたといわれる毛沢東1958年5月17日共産党国民会議の場で、「581計画」を発表し建国10周年記念1959年までに人工衛星軌道上打ち上げる(我们也要搞人造卫星)ことによって、他の超大国同等存在になるべきだと決定した。この計画はまず観測ロケット発達させ、次に小型人工衛星打ち上げ最後に大型衛星打ち上げるという三段階によって達成される予定だった。 1958年4月中国初のミサイル実験基地20基地建設始まり同年10月20日には利用可能となっていた。 1958年8月23日には再び台湾攻撃し第二次台湾海峡危機となったが、これは原子力潜水艦関連技術ソ連から供与することが目的だったとされる中国初のミサイル1958年10月、R-2をリバースエンジニアリングして複製したミサイルであり、射程590 km重量は20.5 トンであった1959年2月ソ連原子力潜水艦関連技術供与承諾するが、ソ連側には中国態度不信感強めていた。前年1958年9月アメリカ製の空対空ミサイルサイドワインダーが不発のまま中国着弾した際にソ連側調査依頼したが、中国側は「そのようなものは発見できなかった」と回答してきた。これを受けてフルシチョフ1959年2月にR12ミサイルに関する情報移転差し止めた。すると、中国側はすぐに「サイドワインダーミサイルが見つかった」と報告してきた。しかしミサイルはすでに中国側によって分解されており、誘導システム取り去られていた。このような中国側態度に際してフルシチョフ核開発技術移転スピードダウンするように命じ1959年6月20日には原爆関連援助中止した1959年9月アメリカとの緊張緩和模索するフルシチョフ訪米する。これに際して毛沢東世界的に毛沢東思想宣伝する機会とした。同1959年9月インドとの間で中印国境紛争起きた。また印パ戦争においてはパキスタン中国軍事援助し、インドソ連支援していた。 ソ連側技術供与中国初の観測ロケットT-7は1960年2月19日南匯区射場より打ち上げられ成功した

※この「ソ連からの技術供与の背景」の解説は、「中国の核実験」の解説の一部です。
「ソ連からの技術供与の背景」を含む「中国の核実験」の記事については、「中国の核実験」の概要を参照ください。

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