ソ連およびロシアにおける聖域戦略とは? わかりやすく解説

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ソ連およびロシアにおける聖域戦略

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 09:27 UTC 版)

聖域 (軍事)」の記事における「ソ連およびロシアにおける聖域戦略」の解説

冷戦期通じてソビエト海軍弾道ミサイル潜水艦隊にとって、聖域戦略重要な戦略となっていた。北方艦隊によってバレンツ海が、太平洋艦隊によってオホーツク海それぞれ聖域化された。両方海域今日ロシア海軍にとっても重要であり続けている。 ソビエト連邦およびロシア連邦は、大洋に対して限定的な経路かもっていない。北方一年大半通じて氷に閉ざされ大西洋へのアクセスには北大西洋条約機構NATO)によるGIUKギャップ通過しなければならず、東方もまた氷に閉ざされアラスカもしくは日本沿岸へひどく接近することなしには太平洋へ到達できない南方ではボスポラス海峡およびダーダネルス海峡の両海峡通過しなければならず、次いでジブラルタル海峡またはスエズ運河いずれか通過しなければならない。 本来、ソビエト海軍NATO諸国海軍大洋制海権直接的に競い合うことを目指していた。しかしながら冷戦進行につれて明らかになったのは、大洋、特に深海における踵を接し戦いソビエト勝利を収めることは出来ないと言うことであり、1980年代ジョン・ウォーカーen:John Walker)のスパイ網を通じてもたらされ情報によればとりわけソ連弾道ミサイル潜水艦核攻撃任務完遂できる見通し乏しということであった。自らの脆弱さ自覚しソビエト二つアプローチを採った。一方では、旧式大きな騒音発する上に信頼性欠け搭載する弾道ミサイル射程も短い、第2世代弾道ミサイル潜水艦可能な限りアメリカ本土近くに展開させた。それらのなかには1986年10月3日バミューダ沖で致命的な爆発炎上事故起こした末に沈没したヤンキー原子力潜水艦K-219》も含まれる他方では、ウォーカー・スパイ網などを通じて西側からもたらされ情報をもとに、劇的に性能を向上せしめた潜水艦例えアクラ原子力潜水艦や、いっそう精度高く射程ミサイル装備した生残性の高いタイフーン弾道ミサイル原子力潜水艦などを建造し、これら第3世代型の潜水艦母国近傍にとどめ、北極海氷冠近傍もしくはその下でのみ哨戒活動にあたらせた。そうした聖域防護するため、ソ連多数ソヴレメンヌイ級駆逐艦ウダロイ級駆逐艦建造し、それらの主要な任務聖域侵入しようとする西側原潜対す対潜障壁および前哨哨戒とした。 対すアメリカ海軍はかかる聖域侵攻する訓練重ねたそうした試みひとつの結果が、1993年3月20日起きたスタージョン級原子力潜水艦グレイリング》とデルタ級原子力潜水艦《K-407》との衝突事故であった。この事故は偶然のものではあったが、潜在的にきわめて危うい性質のものであったとはいえ、この事件示したのは、アメリカ海軍攻撃型潜水艦が自らのめざす標的仕留めることが出来ということであった

※この「ソ連およびロシアにおける聖域戦略」の解説は、「聖域 (軍事)」の解説の一部です。
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