ストーリー外でのエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 09:02 UTC 版)
「同窓会 (テレビドラマ)」の記事における「ストーリー外でのエピソード」の解説
男優の全裸シーンが多いドラマであることから、撮影を円滑に進めるために「前張り」は必須アイテムであった。控え室の衣装の棚には、それぞれの役名が書かれた「前張り」が置かれていた。 男優を美しく撮ることが必須という井沢の要望を受け、ライティング、カメラアングルに工夫が凝らされた。 最終話での康介と潮の結婚式を発案したのは、康介役の髙嶋政宏である。 西村、高嶋は、「同窓会」のメンバーが回を重ねる毎に出番を切られていくこと(克茂を演じた別所や、唯子を演じた田中、そして祥子役の長与など)に驚きながら毎回収録をしていたこと、脚本家の井沢満から、風馬と康介が河口湖の別荘地で3日間を過ごしたシーン(ボート、自転車、山小屋でのセックスシーンなど)を、全て製作スタッフや役者のアドリブで撮影するようにとの指示があったことを、DVD-BOXのインタビューで語っている。 国分太一がナビゲーターを務める番組『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』に髙嶋政宏がゲストで出演した際、美輪明宏が、「当時としては、素晴らしく斬新で刺激的なドラマだった。毎週見ていた」とコメントし、江原も同様に頷いていた。それを聞き、高嶋も国分も照れくさそうな表情を浮かべていた。 当時新人だった山口達也、国分太一は井沢自身のキャスティングであった。当初は、ストーリーに大きく影響を与える役として考えていなかったのだが、彼らのキャラクターに惚れた井沢が、どんどん役柄を膨らませていった。 斉藤由貴は井沢と『とっておきの青春』(NHK)以来のコンビであり、田口とは2007年9月にTBS系ドラマ『お・ばんざい!』(MBS制作)で再共演を果たした。 西村は一種の賛美として、「台本を渡されるたびに、台本を放り投げた」と語っている。これは、展開の予想もつかない急展開への反応だったという。 脚本は奇をてらった意図からではなく、一般視聴者をメインターゲットに書かれたものだったが、同性愛者やバイセクシュアルといったセクシュアルマイノリティと呼ばれる人からも多くの支持を集めた。特に、男性同性愛者からの反響は大きく、放送日には新宿二丁目の人影がまばらになったと言われている。そのため、井沢はその手の店の人たちに「恨まれた」という。また、井沢はブログで日本のゲイシーンにおいて、「同窓会以前・以後」という言葉も使われたと語っている1990年代前半頃は『同窓会』の他にも、売り専模様を描いた比留間久夫の小説『YES YES YES』(1989年)、2人のゲイとアル中女性の関係を描いた映画『きらきらひかる』(92年)、日本初の本格的な一般向けゲイ映画『二十才の微熱』(1993年9月)など、多くのゲイ作品が公開されていたが、本作はゴールデンタイムの連続ドラマであり、有名俳優や男性アイドルがゲイやバイセクシャルを演じ大胆なベッドシーンが描かれたことや、加えて、老教師と元教え子との物語も描かれており、性別も年齢も超越した「愛」というものを徹底的に追求している。一方で「現実とは違う部分がある」と批判も寄せられたが、これに対して、「ゲイの風俗を忠実に再現するのが目的ではなく、男同士という一種の極限の関係に託して愛の物語を書くのが意図だった」と、井沢は語っている。 ドラマを視聴した年配の男性から、「昔、可愛がっていた後輩が自分の結婚式前夜に自殺。長いことその死の意味が不明だったが、ドラマを見て、ああそういうことだったのか、と納得した。これからその後輩と旅したところを一人で回る。」という投書が寄せられた。 劇中、フランスの作家マルセル・プルースト(Marcel Proust)作の『失われた時を求めて』が登場した。 2010年の『24時間テレビ 愛は地球を救う33』の深夜企画「朝までしゃべくり007」に、メインパーソナリティーのTOKIOが出演した際、山口と国分の本作の映像が流れた。 2013年には、作者井沢満自身のブログで本作について、「10年か20年早すぎた作品だった。思いをまっすぐに受け止めてもらうまでに時を要した」と語っている。また、当時、演技の面で斉藤由貴を泣かせてしまったことや、山口達也から「演技というものがわかりました」と電話が来たことも明かした。そして、それぞれの役者を、しばき上げるようなサディスティックな思いで書き継ぎ、しかし、それは彼らへの愛でもあったと振り返っている。 井沢は、「同窓会で嵐をボーガンで殺して、私は非難を浴びたけれど、あの当時、そういう殺人があり、それへの実はアンチテーゼだった。しかし、今思うとファンの心情を多大に裏切ってまで殺すのはよくなかった」さらに、「監督からも嵐を殺さないでくれ」と言われ、嵐はあちこちで愛されていたことを明かした。
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