ゲージの事故とは? わかりやすく解説

ゲージの事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 08:35 UTC 版)

フィニアス・ゲージ」の記事における「ゲージの事故」の解説

1848年9月13日25歳ゲージは、作業員職長として、バーモント州の町カヴェンディッシュ (en)の外れで、ラットランド・アンド・バーリントン鉄道 (en)の路盤建設するための発破を行う任務にあたっていた。爆薬仕掛けるために、岩に深く穴を掘り火薬ヒューズ導火線あるいは信管fuse))・砂を入れて突き棒で突き固める作業があった。ゲージはこの仕事午後4時半ごろ行なっていたが、(おそらく砂が入れられていなかったため)突き棒が岩にぶつかって火花発し火薬爆発して、彼がそのとき扱っていた直径1と4分の1インチ長さは3フィート7インチ道具彼の頭部貫いたの棒は彼の顔の横から入り、左目の後ろ通り抜け頭頂から抜け出した。 ゲージの事故を「アメリカ鉄梃事件」とした19世紀当時文献内容明確にする必要があるゲージ突き棒には鉄梃バール)につきもの湾曲部や鉤がなく、むしろただの円柱状であり、「円くて使用によってわりと滑らかになっていた」。 先に突き刺さった側の端は尖っていて、12インチにわたり先が細くなっていた。この形状のため被害者は命を永らえたのだと思われる。このの棒は他では見られないものであり、持ち主好み満たすように近傍鍛冶屋作られたものである重量が6kgあったこの”突然図々しくすっ飛んできた客”は、血液と脳にまみれて25mほど先に落ちたと言われている。 驚くべきことに、ゲージ数分たたないうちに口を利き、ほとんど人の手借りず歩き、街にある自宅への1.2kmを荷車乗っているあいだ背筋起こしたまま座っていた。最初に彼のところへ到着した医師エドワードH.ウィリアムズ博士であった。 私は馬車から降りるより先に頭の傷口に気がついた。脳の血管拍動がはっきり見て取れた。ゲージ氏は、私がこの傷口調べている間、周囲の人に自分怪我負った時の様子語っていた。私はそのときゲージ氏の述べることを信じず、彼が騙されたのだと思ったゲージ氏はその棒が頭を貫通したのだと言い張った。…ゲージ氏は立ち上がり嘔吐した嘔吐しようと力んだため、ティーカップ半杯ほどの脳が押し出され、床にこぼれ落ちた。 ジョン・マーティン・ハーロウ医師 (en)が1時間ほど後にこの症例担当となった。 こう評して皆さんお許しくださるでしょうが、私の見せられた状態は、軍隊での外科処置慣れていない者が見たら、まさにおぞましいと言えるものでした。しかし患者は、最も英雄的な断固をもってその苦痛に耐えていました。彼は私が誰だかすぐ認識し怪我があまりひどくないと良いと言いました彼の意識は完全に清明あるようでしたが、出血のため体力消耗していました脈拍60で整。彼の身体も、横になっていたベッドも、文字通り一塊血糊となっていましたハーロウ熟達した診療にも関わらずゲージ回復には時間がかかり困難を伴った脳圧高かったためゲージ9月23日から10月3日までなかば昏睡状態にあり、「話しかけられない限りほとんど口を利かず返事も1シラブルのみである。友人看護の者は彼が数時間のうちに亡くなるであろう予想しており、死装束準備している。」 しかし、10月7日にはゲージは「起き上がることに成功し一歩歩いて椅子にたどり着いた」。一か月後には彼は「階段の上下りができ、家の周り歩いたり、ベランダ出たりすることができた」。そしてハーロウ一週間留守にしている間ゲージは「日曜以外は毎日通り出ていた」。彼の希望は、ニューハンプシャー家族のもとへ帰って友人らに煩わされずにすむこと…足を濡らして寒気がした」。彼はすぐに熱を出したが、11月半ばまでには「あらゆる点で以前より良好。…再び家の周り歩いている。頭は全く痛くないとのこと。」この時点でのハーロウ予見は以下のようであった。「ゲージ回復方向向かっているようである、ただし制御できるならばだが。」

※この「ゲージの事故」の解説は、「フィニアス・ゲージ」の解説の一部です。
「ゲージの事故」を含む「フィニアス・ゲージ」の記事については、「フィニアス・ゲージ」の概要を参照ください。

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