ゲージの論争とは? わかりやすく解説

ゲージの論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 22:57 UTC 版)

カール・アブラハム・ピル」の記事における「ゲージの論争」の解説

現在、日本南アフリカ共和国などの鉄道主流の3ft6in(1067mm軌間発祥は、このピルノルウェー鉄道始めたものが起源で、当時は他の軌間含め世界的な狭軌ブーム起爆剤となったノルウェー最初に作られクリスチャニア現在のオスロ)~アイスボル(ミョーサ湖の南の町)の路線(ホーブド線、1854年開業)がロバート・スチーブンソンにより造られた時、曲線大きくなり過ぎ、路線建設費高騰したクリスチャニアの南からスウェーデン鉄道(すでに標準軌施設)と接続する路線標準軌での施設決まっていたが、次のハーマルミョーサ湖東北岸の町)から北東伸びる路線と、もっと北にある港町トロンハイムから南の山に伸びる路線は、ホーブド線やスウェーデン鉄道接続しないので、この2線をホーブド線と同じ規格でそろえる必要はなく、しかしそれでも馬車鉄道などではなく蒸気動力にしたいとピル考えた。 そこですでにオーストリアにあったナローゲージシレジア線(2ft6in軌間)を調査し蒸気機関車走らせるならもう少し余裕をもたせ40インチ(=3ft4in=1016mm)ぐらいは必要と考えられたが、スチーブンソン助言で3フィート半(=3ft6in)にされ、こうして1862年ハーマル~グルンセットに世界初の3ft6in軌間公共鉄道開通した(続くトロンハイムストーレン線は山越え難工事があったので1864年開通)。 最初車両軌間除きイギリスのものに近く機関車は2軸動輪従輪固定され客車緩急車二軸車であったが、一方レール1820/mアメリカ式のフラットレールに丸太割った枕木という簡素な代物で、ハーマル側はカーブ勾配は約350m・14‰とそんなにきついものではなかったが、後で開通したトロンハイム側は半径230m・24勾配があり、このためハーマル使用していた機関車車軸配置0-4-2、従輪固定なのでホイールベースは3887mmあった。)を後日こちらに移したところ脱線事故発生したため、トロンハイム用の機関車必要になり、非動輪をどうカーブ合わせてかすかについて、1軸先台車やラジアルアクスルつき従輪試した末、「1軸先台車シリンダー先台車の邪魔にならないように斜めに持ち上げた構造」の機関車とりあえ満足のいくものになったその後1865年にはオスロから南東伸びる第3の3ft6in軌間鉄道開業され、ここは時速56ほどの列車運行が可能でイギリスローカル線大差ないレベルであったため、当時はこれで充分とされ、1870年代から1880年代にかけてのノルウェー鉄道はコングスヴィンガー線、メルケル線、エストフォル線を除く全ての路線狭軌建設されノルウェーには2つ互換性のないシステムがあった。 このノルウェー成功受けて1870年代イギリスニュージーランドなどの植民地含む)や日本などに3ft6in軌間鉄道次々開業するきっかけとなった。 ただし、ノルウェー自身の3ft6in軌間鉄道は後に全線標準軌改軌廃止されており、現存しない。 異な軌間混在する場合問題点1つ貨物接続駅積み替える手間生じるというものがあるが、前述のように標準軌狭軌路線途中で船に積み替えるならば軌間統一して手間一緒であり、それならば規格下げて低コストにもできる狭軌使い分けた方が便利だったのだが、その後世紀大規模なプロジェクトであるベルゲン線セロン線など全ての孤立していた路線はつながるようになり、貨物積み替えコスト資産上回るようになったため、全ての狭軌路線1909年から1949年にかけ廃止されるか、改軌された。

※この「ゲージの論争」の解説は、「カール・アブラハム・ピル」の解説の一部です。
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