トロンハイムとは? わかりやすく解説

トロンヘイム【Trondheim】

読み方:とろんへいむ

ノルウェー西海岸にある都市オスロベルゲンに次ぐ同国第3都市で、997年ノルウェー王オーラフ1世創設13世紀頃までニダロスとよばれ首都だった。中部ノルウェー農業地帯の中心地として、また鉱産物水産物集散地として発展。オーラフ2世を祀(まつ)ったニダロス大聖堂17世紀築かれクリスチャン要塞などがある。トロンハイム。

トロンヘイムの画像
ニデルバ川沿い倉庫群撮影Emilio García https://goo.gl/Eagv7Z
トロンヘイムの画像
クリスチャン要塞撮影Ole Husby https://goo.gl/Bt8RAS
トロンヘイムの画像
クリスチャン要塞から見た町なみ/撮影・Ivar Husevåg Døskeland https://goo.gl/Gzojei

トロンハイム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 07:27 UTC 版)

トロンハイム
Trondheim
市旗 市章
位置

トロンハイムの位置
座標 : 北緯63度25分47秒 東経10度23分36秒 / 北緯63.42972度 東経10.39333度 / 63.42972; 10.39333
歴史
設立 1070年
行政
 ノルウェー
 地域 トロンデラーグ
  ソール・トロンデラーグ県
 市 トロンハイム
市長 リタ・オッテルヴィク
地理
面積  
  市域 587 km2 (226.6 mi2)
人口
人口 (2011年現在)
  市域 173,486人
    人口密度   480人/km2(1,243.2人/mi2
その他
等時帯 中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)
夏時間 中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2)
公式ウェブサイト : http://www.trondheim.kommune.no/

トロンハイムTrondheim ノルウェー語発音: [ˈtrɔnhæɪm]) はノルウェー中部に位置するノルウェー第3の都市。ソール・トロンデラーグ県に属する。人口は165,191人(2008年1月1日現在)、面積は342平方キロメートル。オーラヴ王が船出をしたと伝承される地で、ノルウェー王国最初の首都。トロンヘイムとも表記される。

市内には歴史的遺産が残されており、中でもオーラヴ2世(オーラヴ・ハラールソン、Olav Haraldsson)を祭るニーダロス大聖堂へは中世から巡礼が盛んに行われた。この町の最も重要なイベントとして、夏至の前後に聖オーラヴ祭olavsfestdagene)が1週間ほど行われる。また、トロンハイムは国立大学やハイテク産業の研究所が集まる大学都市でもある。

1997年,2025年ノルディックスキー世界選手権開催地。

地理

市の北側はトロンハイム・フィヨルド英語版に面し、ニド川英語版の河口部にある。

フィヨルドとその沿岸一帯はコザクラバシガンミミカイツブリカンムリカイツブリホンケワタガモマガモビロードキンクロコオリガモなどのガンカモ類渉禽類越冬地・繁殖地およびタイセイヨウニシンタイセイヨウサケブラウントラウトゼニガタアザラシの生息地であり、複数のラムサール条約登録地がある[1][2][3]

歴史

トロンハイムの風景
クリスチャン要塞
跳ね橋
トロンハイム大学

997年、ヴァイキングの王であったオーラヴ1世(オーラヴ・トリグヴァソン、Olav Tryggvason)がニード川(Nidelven)の河口地帯に都を築くことを決め、ニーダロスNidaros、「ニードの河口」の意)がノルウェーの首都となった。

1030年ノルウェーのキリスト教化に努めたオーラヴ2世が近郊のスティクレスター(Stiklestad)で殉教。葬られた後、1年経って墓を開けてみたところ、死体が腐乱しておらず、髪と爪が伸びていたといわれる。このような伝説ゆえに彼は聖人に列せられ、その亡骸が移された聖オーラヴ教会の跡地にやがてニーダロス大聖堂Nidarosdomen)が建立された。

ニーダロスは政治の中心地としての首都の座を1217年に失ったものの、ニーダロス大聖堂はノルウェー大司教座の所在地であり、11世紀から宗教改革までの時期を通じて、北ヨーロッパ最大の巡礼地であった。ノルウェー国王だけでなく、後のデンマークスウェーデン支配時代にもしばしばここで王の戴冠式が行われた。ノルウェーの中部に位置する港町であるため、通商・交易も発達していた。数々の大火を経て、延焼を防ぐ目的で現在の道幅の広い碁盤の目状の街並が作られた。トロンハイムは学術の中心地としても栄え、1760年に創設されたトロンハイム学会は、現在のノルウェー学術協会の母体ともなっている。

トロンハイムTrondheim)という名称はデンマーク・スウェーデン支配時代のもので、1905年の独立後は旧称「ニーダロス」(Nidaros)に戻そうという動きもあったが、近隣地域の住民の間でトロンハイムの人気が根強く、結局トロンハイムの名称のままになった。

1940年4月9日ナチス・ドイツがノルウェーに侵攻を開始(ノルウェーの戦い)。トロンハイムには侵攻初日にドイツ軍が上陸して市内が占領された[4]。以降、1945年までドイツに占領され、ドイツ海軍第13潜水隊群の拠点となった。そしてドイツ軍は、人口30万人の新都市をトロンハイムの南東15キロメートルの位置に建設しようとした。北大西洋地域にドイツ海軍最大の基地を造ることを意図していた。現在、この壮大な建造計画の遺構がわずかに残っている。

気候

トロンハイム (1991–2020)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 13.7
(56.7)
13.8
(56.8)
15.7
(60.3)
23.3
(73.9)
27.9
(82.2)
31.7
(89.1)
33.5
(92.3)
31.3
(88.3)
27.9
(82.2)
22.1
(71.8)
16.1
(61)
13.1
(55.6)
33.5
(92.3)
平均最高気温 °C°F 1.8
(35.2)
1.8
(35.2)
4.4
(39.9)
8.9
(48)
13.1
(55.6)
16.4
(61.5)
19.4
(66.9)
18.6
(65.5)
14.4
(57.9)
8.9
(48)
4.7
(40.5)
2.2
(36)
9.6
(49.3)
日平均気温 °C°F −1.0
(30.2)
−1.2
(29.8)
0.8
(33.4)
4.7
(40.5)
8.6
(47.5)
12.1
(53.8)
14.8
(58.6)
14.2
(57.6)
10.5
(50.9)
5.6
(42.1)
1.9
(35.4)
−0.6
(30.9)
5.9
(42.6)
平均最低気温 °C°F −3.9
(25)
−4.0
(24.8)
−2.4
(27.7)
1.1
(34)
4.6
(40.3)
8.3
(46.9)
11.0
(51.8)
10.5
(50.9)
7.2
(45)
2.7
(36.9)
−0.8
(30.6)
−3.6
(25.5)
2.6
(36.7)
最低気温記録 °C°F −25.6
(−14.1)
−26.0
(−14.8)
−23.0
(−9.4)
−15.3
(4.5)
−9.6
(14.7)
−0.6
(30.9)
0.6
(33.1)
−0.3
(31.5)
−4.9
(23.2)
−12.6
(9.3)
−19.0
(−2.2)
−23.5
(−10.3)
−26
(−14.8)
降水量 mm (inch) 73.6
(2.898)
64.1
(2.524)
56.8
(2.236)
42.8
(1.685)
55.9
(2.201)
68.6
(2.701)
91.2
(3.591)
88.4
(3.48)
96.4
(3.795)
83.3
(3.28)
69.4
(2.732)
83.1
(3.272)
873.6
(34.395)
出典:http://www.pogodaiklimat.ru/climate2/07156.htm

教育機関

名所旧跡

  • ニーダロス大聖堂Nidarosdomen、ノルウェー最大の建築物)
  • オラフ教会
  • 国立装飾美術美術館
  • トロンハイム美術協会
  • 跳ね橋(Gamle Bybro
  • 音楽歴史博物館(Ringve Museum
  • クリスチャン要塞(Kristiansten fort
  • バックランネ(Bakklandet
  • 病院教会(Hospitalskirken
  • ムンク島Munkholmen

トロンハイム出身の有名人

関連項目

姉妹都市

脚注

  1. ^ Trondheimfjord wetland system | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2018年7月9日). 2023年4月8日閲覧。
  2. ^ Tautra and Svaet | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2017年12月22日). 2023年4月8日閲覧。
  3. ^ Ørland Wetland System | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2018年3月9日). 2023年4月8日閲覧。
  4. ^ ノルウェーにも侵入、オスロを占領(『東京朝日新聞』昭和15年4月10日)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p366
  5. ^ 宇都宮浄人「海外LRT事情 北欧のLRT」『路面電車EX vol.11』、イカロス出版、2018年5月、121頁、ISBN 9784802205108 

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