エミリア=ロマーニャ州の食文化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 16:51 UTC 版)
エミリア=ロマーニャ州の食文化(Cuisine of Emilia-Romagna)では、イタリア・エミリア=ロマーニャ州の食文化について概説する。
概要
大きく分けると、エミリア=ロマーニャ州の東側、アドリア海の海産物を利用したシーフード料理や素朴な田舎料理が特徴となっているロマーニャ料理と、ラザニアやラビオリといったパスタ料理で知られる西側のエミリア料理とに分けられる[1]。
イタリアはパスタの生産と消費において世界的も首位の存在であり、多彩なパスタの形状や種類、ソースとの組み合わせがあることで知られる[2]。ざっと350種類もの異なる形をしたパスタがイタリアには存在するとされ、それぞれのパスタに独自の料理に関する伝統がある[2]。パスタは、イタリア20州のあるゆる場所でメニューに記載があるが、なかでも載っているが、エミリア=ロマーニャ州は「パスタの中心地」と多くの人に考えられており、「美食の地(Food Valley)」とも称されている[2]。州都ボローニャも「美食の都」として知られる[3]。
エミリア=ロマーニャ州産の食材としては、パルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンチーズ)、パルマの生ハム・プロシュット・ディ・パルマ、バルサミコ酢が広く知られる[4]。
代表的な料理
- コッピア・フェラレーゼ - フェラーラ特産のパン[1]。「H」形や「X」形をしているのが特徴[1]。IGPにも認定されている[1]。
- コテキーノ・モデナ - モデナのコテキーノ。レンズ豆は欠かせない[5]。
- コトレッタ・アッラ・ボロネーゼ - 生ハムとチーズを乗せ、ソースをかけたコトレッタ[3]。
代表的なパスタ料理
- トルテリーニ - 正方形の卵を練り込んだパスタ生地にチーズを詰め、肉を煮出して作った濃厚なスープに入れて食べる料理[2]。
- タリアテッレ - 卵を練り込んだ長くて平べったいリボン状のパスタで、ボロネーゼソースと和えて供される[2]。
- ラザニア・アッラ・ボロネーゼ - ベシャメルソースを結合剤として使用しているのが特徴のラザニア[6]。
- カペレッティ - つばのある帽子に形が似ている詰め物パスタ[6]。詰める具材は、町によって異なる[6]。
- パッサテッリ - 古くなったパンのパン粉やチーズ、卵、スパイスといった「台所の残り物」をすべて手で混ぜて作るパスタ[6]。細長い糸状に成形したパスタを鶏肉や野菜を煮込んで作った出汁に入れて茹でる[6]。
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トルテリーニ
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タリアテッレ・ラグー・ポロネーゼ
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ラザニア・アッラ・ボロネーゼ
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カペレッティ
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パッサテッリ
エミリア=ロマーニャ州のワイン

微発泡ワインであるランブルスコが有名で、州の名産でもあるパルマの生ハムとの相性が良いとされる[7]。
白ワインではDOCGにも認定されているロマーニャ・アルバーナが知られる[7]。
出典
- ^ a b c d 奥本美香 (2023年5月5日). “世界のグルメ通も太鼓判! イタリアきっての“美食の王国””. まいにちイタリア語. NHK出版. 2025年4月16日閲覧。
- ^ a b c d e “一度は食べたい、イタリア美食の地「エミリア・ロマーニャのパスタ料理」5選”. Forbes JAPAN. p. 1 (2024年10月28日). 2025年4月16日閲覧。
- ^ a b 『W07 世界のグルメ図鑑 116の国と地域の名物料理を食の雑学とともに解説』地球の歩き方、2021年、123頁。ISBN 978-4059196228。
- ^ 松原利明、星合創「イタリアの地方料理」『おうちで本格イタリアン イタリア料理をもっとおいしくつくる方法をプロが教えます』東京書籍、2018年、8頁。ISBN 978-4487811809。
- ^ 「イタリアの代表的な豆料理めぐり」『世界の豆料理』誠文堂新光社、2016年、159頁。ISBN 978-4416616383。
- ^ a b c d e “一度は食べたい、イタリア美食の地「エミリア・ロマーニャのパスタ料理」5選”. Forbes JAPAN. p. 2 (2024年10月28日). 2025年4月16日閲覧。
- ^ a b 岸朝子『東京五つ星のイタリア料理』東京書籍、2010年、203頁。ISBN 978-4487804061。
外部リンク
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