アメリカ軍とイギリス軍の不協和音とは? わかりやすく解説

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アメリカ軍とイギリス軍の不協和音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 04:01 UTC 版)

バルジの戦い」の記事における「アメリカ軍とイギリス軍の不協和音」の解説

ドイツ軍侵攻によりできた「バルジ」によって戦線南北分断されてしまったことから、アイゼンハワー戦線北部にあったアメリカ第1軍第9軍指揮権第12軍集団司令官ブラッドレーから第21軍集団司令官モントゴメリー移譲していたが、モントゴメリーイギリス軍至上主義から、権限移譲当初からアメリカイギリス両軍の間で感情的な衝突繰り返された。権限移譲が行われた翌日12月20日にはモントゴメリーアメリカ第1軍司令部訪れて作戦会議行ったが、司令官ホッジスがわざわざ準備していた昼食一切手を付けず持ち込んできたサンドウィッチ食べ紅茶飲みながら、アメリカ軍作成していた作戦地図無視し自分作ってきた小さな地図開いて作戦指示行ってホッジスアメリカ軍面々不愉快にさせた。そしてその夜には連絡将校第1軍司令部に向かわせて、就寝中のホッジス無理やり面会すると「イギリス軍は貴軍のミューズ川への撤退援護すべく行動開始したイギリス軍ミューズ川橋梁管理しており、命令あればいつでも爆破できる」と告げている。これは第1軍ドイツ軍の攻撃支えきれずミューズ川撤退することを前提とした声明であってアメリカ軍戦闘力侮蔑したものであった。これを聞いたホッジス激怒しアイゼンハワー不快感抱いたが、今さら権限移譲取り消すわけにもいかなかった。しかし、ホッジス第一軍司令部ブラッドレー第12軍集団司令部ドイツ軍侵攻開始されてから2日連絡取れておらず、ホッジスショックのあまり満足に指揮とれない態となっており司令部内も混乱していた。モントゴメリーはその混乱強引ながら収拾して、的確な指示行っており、アイゼンハワー決断正しかったことが証明された。 その後バストーニュ包囲されアメリカ第3軍がその救出向かったものの苦戦していることを聞いたモントゴメリーアイゼンハワーに「第3軍攻撃必要な任務遂行できるほど強力ではない」「その場合は当軍がドイツ軍対抗しなければならないが、アメリカ第1軍第9軍戦力少ない」「この重大な異常事態対処する適切な対策が必要であることを強調したい」と通告してきた。これは苦戦する第3軍援護するためにイギリス軍使用するのはご免であると言わんばかり内容であり、さすがにアイゼンハワー激怒してモンティ権限移譲したのは誤りであった彼の頭にはイギリス軍だけがあって連合軍という認識不足している」「時間かかってもいいイギリス軍助け一切借りぬ」と吐き捨てている。モントゴメリーはさらにブラッドレー第12軍集団指揮権自分移譲して、全連合軍地上部隊指揮任せるようにと迫る書簡アイゼンハワー送り付けた。これには連合軍総司令部内にいたイギリス軍将官たちも「同じイギリス人として恥ずかしい」と批判的であったが、アイゼンハワーこれ以上容認できず、モントゴメリー解任連合軍参謀本部議長ジョージ・マーシャル元帥求めようするところまで至った。しかし、アメリカ軍イギリス軍本格的な対立懸念した第21軍集団イギリス軍参謀長フランシス・ド・ギンガンド少将が、モントゴメリー説得してこの書簡取り下げさせ、解任回避された。 しかし対立はこれで収まることはなく、モントゴメリー1月3日になってようやく反攻開始したが、1月7日行われた記者会見においてモントゴメリー発言物議を醸したモントゴメリー今までとは違ってアメリカ軍対すリップサービス行いアイゼンハワーブラッドレー指揮批判的であったイギリス各紙に対して両名擁護まで行ってみせ、アメリカ軍イギリス軍対立煽るのは利敵行為他ならないとまで言い放ったが、一方で自分ドイツ軍の攻撃予知しており有効な手立てをしていたことや、今回戦い自分がすべてを取り仕切りイギリス軍貢献絶大であったというアピール忘れなかった。翌日イギリス新聞各紙モントゴメリー自慢話中心に報道したため、それを知ったブラッドレーイギリス首相ウィンストン・チャーチル対し本職としてはまたか・・・との想いであり疲れ果てております」と申し出ている。ブラッドレーからすれば自分指揮下の部隊多くモントゴメリー取られて、実質的に指揮しているのがパットン第3軍だけという屈辱味わっていたうえ、ドイツ軍侵攻許したという負い目からアイゼンハワー信頼失った懸念しており、モントゴメリー自慢話気分害したものであった。それを聞いたチャーチル慌てて帝国参謀本部総長英語版アラン・ブルック元帥と対応を協議しイギリス議会声明発表して、これはアメリカ軍戦いであったことと、イギリス軍貢献度最小限であった表明したが、アメリカ軍イギリス軍内に生じた亀裂埋めるまでには至らなかった。

※この「アメリカ軍とイギリス軍の不協和音」の解説は、「バルジの戦い」の解説の一部です。
「アメリカ軍とイギリス軍の不協和音」を含む「バルジの戦い」の記事については、「バルジの戦い」の概要を参照ください。

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