幸いです
読み方:さいわいです
「幸いです」とは、主にビジネスシーンで依頼(頼み事)をする際に「~してもらえるとありがたい」という意味で用いられる表現でる。頼み事の押しつけがましい印象を和らげる言い回しとしてよく用いられる。基本的には「(動詞+して)いただけると幸いです」の形をとる。
「幸いです」と同じ意味のより丁寧な表現として「幸いでございます」とか「幸いに存じます」あるいは「ありがたく存じます」「幸甚です」「幸甚に存じます」のような言い回しもよく用いられる。
「幸いです」は形容動詞「幸い(だ)」と丁寧語の「です」からなる表現である。「幸い(さいわい)」は、「しあわせ」「ありがたい」「望ましい」という意味の語である。
「幸いです」は「助かります」とも言い換えられる。ただし「助かります」には「依頼する側の労力や負担が軽減されて楽になる」「依頼する側の都合をつけるために一役買わせる」というような押しつけがましさのニュアンスが出がちであり、使いどころを選ぶ。同僚や部下に対しては問題なく使えるが、会社の上司や取引先などに対しては使用を避けたほうが無難といえる。
「幸いです」の「です」を「存じます(謙譲表現の「存ずる」+丁寧表現の「ます」)」に置き換えて「幸いに存じます」と表現すると、より恭しい丁寧な表現になる。
「幸いです」の「幸い」を「幸甚(「甚だ幸いだ」という強意表現)」に置き換えて「幸甚です」「幸甚に存じます」と表現すると、いっそう恭しく敬意や丁寧さの込められた表現になる。
「幸甚」は硬いニュアンスのある文語表現である。口語ではあまり用いられない。また、ある程度の重みを感じさせる言葉であるため「ちょっとした頼み事」に用いるには大仰である。文中で「幸甚」の語を何度も使うと慇懃無礼な雰囲気が出たりする場合もある。
また、「幸いです」をより丁寧な言い方で表現する場合は「明日のプレゼン資料をお送りいたしました。事前にお目通し頂きますと幸いに存じます」「この度のプロジェクトに関する稟議書を提出させて頂きました。ご検討たまわりますと幸甚に存じます」「セミナー終了後は出席者の親睦を目的とした小宴をご用意させて頂きました。お忙しいとは存じますが、懇親会の席にもご出席頂けると幸いに存じます」「先日の講演会の動画を弊社のホームページにアップさせて頂きました。お時間がある際にご高覧たまわれば幸いに存じます」などとする。
次は「幸いです」が正しく用いられていないケースとなる。たとえば「今月末が補助金申請の最終締め切り日となっております。遅くとも前日までには申請書をお送り頂ければ幸いです」などである。「幸いです」といってしまえば相手の裁量任せの余地が生まれるが、これは、月末の締め切り日を過ぎるともはや申請が受け付けられないという重大事案である。このように依頼内容が必ず実行してもらわなくてはならない必須事項である場合は「幸いです」は用いない。ここは「遅くとも前日までには申請書をお送り頂きますようお願い申し上げます」あるいは「遅くとも前日までには申請書を送って頂きたく存じます」などとするべきである。
「幸いです」とは、主にビジネスシーンで依頼(頼み事)をする際に「~してもらえるとありがたい」という意味で用いられる表現でる。頼み事の押しつけがましい印象を和らげる言い回しとしてよく用いられる。基本的には「(動詞+して)いただけると幸いです」の形をとる。
「幸いです」と同じ意味のより丁寧な表現として「幸いでございます」とか「幸いに存じます」あるいは「ありがたく存じます」「幸甚です」「幸甚に存じます」のような言い回しもよく用いられる。
「幸いです」は形容動詞「幸い(だ)」と丁寧語の「です」からなる表現である。「幸い(さいわい)」は、「しあわせ」「ありがたい」「望ましい」という意味の語である。
「幸いです」は「助かります」とも言い換えられる。ただし「助かります」には「依頼する側の労力や負担が軽減されて楽になる」「依頼する側の都合をつけるために一役買わせる」というような押しつけがましさのニュアンスが出がちであり、使いどころを選ぶ。同僚や部下に対しては問題なく使えるが、会社の上司や取引先などに対しては使用を避けたほうが無難といえる。
「幸いです」の「です」を「存じます(謙譲表現の「存ずる」+丁寧表現の「ます」)」に置き換えて「幸いに存じます」と表現すると、より恭しい丁寧な表現になる。
「幸いです」の「幸い」を「幸甚(「甚だ幸いだ」という強意表現)」に置き換えて「幸甚です」「幸甚に存じます」と表現すると、いっそう恭しく敬意や丁寧さの込められた表現になる。
「幸甚」は硬いニュアンスのある文語表現である。口語ではあまり用いられない。また、ある程度の重みを感じさせる言葉であるため「ちょっとした頼み事」に用いるには大仰である。文中で「幸甚」の語を何度も使うと慇懃無礼な雰囲気が出たりする場合もある。
「幸いです」を使った熟語や言い回し
「頂けると幸いです」
「~頂く」は謙譲語の一般形。「頂く」とは本来、何かを「もらう」という行為の謙譲語であるが、動詞などに付けて自分の行為が向かう先の人物を立てて述べたり、先方に対して丁重に述べたりする謙譲表現にもなる。その際は恩恵を受けるという意味も併せて表すという文法上の決まりがあるので、意味としては「もしそのことをして頂ければ、たいへんにありがたく思います」というふうになる。「頂けると」のように仮定のニュアンスを付け加えることで、「してほしい」といった直接的な表現を避け、「してもらえれば」といった柔らかな言い回しにすることができる。また「頂く」が補助動詞ではなく、「もらう」という動詞そのものである場合は、「頂戴できればとてもありがたいです」という意味になる。「幸いなのですが」
「幸いなのですが」と語尾を言い切らず、曖昧なままにしておくことには、相手の意向や都合を気にして遠慮をしているニュアンスを伝える表現として受け取られるケースが多い。「幸いです」が相手に対して「できればそうしてほしい」という意味合いで伝わる一方で、「幸いなのですが」はそれよりも、相手の裁量を尊重した、より控えめな表現であるといえる。たとえば「ご連絡頂くと幸いです」が「もし連絡を頂ければうれしいし、できれば連絡がほしい」というニュアンスなのに対して、「ご連絡頂くと幸いなのですが」は、「もし連絡を頂ければそれはうれしいのですが、ご都合もあるでしょうし、無理にとは…」といったようなニュアンスで伝わるといった違いがある。「幸いと思う」
「幸いと思う」とは、「そうしてくれたら自分にとって都合がいいと思う」といった意味で、友達や同僚、自分より目下の者、後輩などに向けて使うフランクな表現として用いる。敬語が全く含まれていない表現なので目上の人には用いない。さらに「幸いと思う」には文法的な誤りが見られる。「~と思う」の「と」は引用の格助詞といわれるもので、基本的に活用の終止形につくか、または「名詞+だ」の形の後につく。「幸いと思う」の場合、「と」が接続する「幸い」は名詞であるので、「名詞+だ」の形が適用されて正しくは「幸いだと思う」としなくてはならない。これは一般的に「だ抜き言葉」といわれる文法上の誤りで注意を要するものである。「何より幸いです」
「何より幸いです」とは、「これ以上ないほどのありがたさです」という意味になり、「幸い」の程度が最上級クラスで感じられるということを表す表現となる。文意としては「なにものも及ばない最上級の幸い」を伝えようとするものであるが、文法的には正しい使い方とはいえない。「何より」は「程度が抜きんでており、それよりほかにはないこと」という意味の連語として副詞的に用いられる場合がある。また「最上で最良であること」などの意味を表して名詞的に使用されるケースもある。一方、「幸いです」の「幸い」は名詞であるため、「何より」が副詞的に修飾することはない。したがって、「何より」は名詞的に用いられる必要があるが、名詞に修飾語の働きを持たせるためには、格助詞の「の」をつけて連体修飾語としなくてはならない。そのため、「何より幸いです」は「何よりの幸いです」あるいは「何よりの幸せです」などと改める必要があり、このままでは文法上誤った表現となる。「幸いです」の使い方・例文
「幸いです」の使い方としては、次のようなものがある。「出欠に関して明日までに返信して頂ければ幸いです」「忌憚のない多くのご意見を頂けると幸いです」「その件に関しては事前にご連絡頂けると幸いです」「お手すきの際にでも確認頂けると幸いです」「請求書をお送り頂く際にでも同封して頂ければ幸いです」「出張にいらっしゃった際にでもお立ち寄り頂けると幸いです」「お気遣いなくご笑納くだされば幸いです」「こんなものでもお口に合えば幸いです」「お気に召して頂きますと幸いです」「時間がある時に相談に乗ってもらえれば幸いです」など。また、「幸いです」をより丁寧な言い方で表現する場合は「明日のプレゼン資料をお送りいたしました。事前にお目通し頂きますと幸いに存じます」「この度のプロジェクトに関する稟議書を提出させて頂きました。ご検討たまわりますと幸甚に存じます」「セミナー終了後は出席者の親睦を目的とした小宴をご用意させて頂きました。お忙しいとは存じますが、懇親会の席にもご出席頂けると幸いに存じます」「先日の講演会の動画を弊社のホームページにアップさせて頂きました。お時間がある際にご高覧たまわれば幸いに存じます」などとする。
次は「幸いです」が正しく用いられていないケースとなる。たとえば「今月末が補助金申請の最終締め切り日となっております。遅くとも前日までには申請書をお送り頂ければ幸いです」などである。「幸いです」といってしまえば相手の裁量任せの余地が生まれるが、これは、月末の締め切り日を過ぎるともはや申請が受け付けられないという重大事案である。このように依頼内容が必ず実行してもらわなくてはならない必須事項である場合は「幸いです」は用いない。ここは「遅くとも前日までには申請書をお送り頂きますようお願い申し上げます」あるいは「遅くとも前日までには申請書を送って頂きたく存じます」などとするべきである。
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