『新ヨーロッパ大全』とは? わかりやすく解説

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『新ヨーロッパ大全』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 22:57 UTC 版)

エマニュエル・トッド」の記事における「『新ヨーロッパ大全』」の解説

1990年焦点西ヨーロッパ絞り家族型の他に識字率宗教主要な要素として織り込んだ大部著書、『新ヨーロッパ大全』 (L'Invention de l'Europe) を著した西欧483地域分けそれぞれについて家族型を特定し得られ分布図元に識字率農業形態自殺率非嫡出率、キリスト教形態イデオロギーなどの分布重ね合わせ、「第三惑星」よりも遙かに緻密な分析提示した西欧基本的な家族型は、絶対核家族平等主義核家族直系家族外婚制共同体家族四種であり、これをトッド親子関係兄弟関係に従って以下のように分類した親子関係自由権兄弟関係平等自由・平等平等主義核家族 権威・平等外婚制共同体家族 非平等自由絶対核家族 権威不平等直系家族 ここで非平等とは、平等への無関心絶対核家族)と積極的な不平等直系家族)を含む用語である。 ヨーロッパ宗教改革は、家族型、識字率、およびローマからの距離に基づいて決定された。プロテスタント教義は、直系家族に最も強く訴えるものであった予定説での権威的不平等な人間扱いは、権威的親子関係不平等な兄弟関係を持つ直系家族一致するのであるこのため宗教改革中心ドイツ北部であったバイエルン州オーストリアスイスローマに近いために、またアイルランドスペイン北部識字率が低いために直系家族にも関わらずカトリックとどまったイングランドオランダ絶対核家族であり、親子関係権威的ではないが、平等への無関心比較的高い識字率ローマからの遠さにより、プロテスタント移行した。しかし予定説捨てられ自由意志尊重するアルミニウス主義取った一方、自由で平等な平等主義核家族地域では、キリスト教そのもの無関心になっていった。この脱宗教化は、フランス北部スペイン中南部ポルトガル南部イタリア南部1730年頃から始まっている。これはミサ出席率低下として計測されるフランス北部除き、これらの地域識字率極めて低かった。従って、近代化とは無関係に宗教化が起きたのであるプロテスタント地域の脱宗教化はずっと遅れて 1880年頃から始まっている。これは、1859年出版されダーウィンの『種の起源』が聖書創造論否定したことによる。 これらと出産率組み合わせることで、トッド近代始まったのが実際に西欧であることを示した近代とは、識字化と脱宗教化であり、これが受胎調整イデオロギー誕生引き起こすヨーロッパにおいて常に識字率上昇先頭にいたのはドイツスウェーデンであるが、脱宗教化は遅れた一方、脱宗教化の先頭にいたのは平等主義核家族地域である。両者交差するのがフランス北部であり、世界先駆けて女性出産率低下1770年頃から始まる。1789年に始まるフランス革命は、世界最初イデオロギー爆発他ならないトッドまた、イデオロギー家族構造影響されていることを示した家族基本的価値イデオロギー社会主義民族主義反動的宗教平等主義核家族自由と平等 無政府主義 自由軍国主義 キリスト教共和主義 直系家族権威不平等 社会民主主義 自民族中心主義 キリスト教民主主義 外婚制共同体家族権威と平等 共産主義 狭義ファシズム - 絶対核家族自由 労働党社会主義 自由孤立主義 - 自由軍国主義とは、ボナパルティスムブーランジェ運動を指す。 直系家族は、縦型組織生み出すスウェーデン社会民主労働党典型である社会民主主義は、平等な労働者作るではなく労働組合頂点持ってくるのである自民族中心主義典型ナチズムである。 外婚制共同体家族民族主義狭義ファシズムであり、イタリアファシスト党を指す。ナチズム異なり絶対的な序列作り出さず連帯重視する。これは共産主義通底する考えである。 労働党社会主義とはイギリス労働党典型であり、社会変革を望まず、階級としての労働者維持するのである。 自由孤立主義イギリス栄光ある孤立アメリカモンロー主義を指す。

※この「『新ヨーロッパ大全』」の解説は、「エマニュエル・トッド」の解説の一部です。
「『新ヨーロッパ大全』」を含む「エマニュエル・トッド」の記事については、「エマニュエル・トッド」の概要を参照ください。

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