ヒレハリソウ ヒレハリソウの概要

ヒレハリソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 08:43 UTC 版)

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ヒレハリソウ
ヒレハリソウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: シソ目 Lamiales
: ムラサキ科 Boraginaceae
: ヒレハリソウ属 Symphytum
: ヒレハリソウ S. officinale
学名
Symphytum officinale
L. (1753)
和名
ヒレハリソウ

特徴

英名コンフリーの名前でよく知られている[1]、庭木や鉢植えでよく見かける多年草である。夏に垂れ下がって咲く淡紅色のから、玻璃草(はりくさ)とも呼ばれ、下葉に魚のヒレのようなものがあることから、和名ヒレハリソウの由来になっている[2]。中国植物名(漢名)は、西門肺草(せいもんはいそう)という[3]

ヨーロッパから西アジア(コーカサス地方)、シベリア西部の地域の原産といわれている[2]。日本ではヨーロッパ原産の帰化植物として[1]、広く栽培されたり、野生化して道ばたなどでも見かける[3][4]。草丈は30 - 90センチメートル (cm) になる。全体に白い短粗毛が生えていて、茎に翼がある[2][4]。葉は卵形披針状で、下部の葉は大きくて葉柄があるが、上葉には葉柄はなくなって、茎に流れて翼となる[4]

初夏の6 - 8月ころ、枝先に淡青色から淡紅色(まれに白色)の釣り鐘形の花を垂れ下げる[2][1]。花は短い花柄で下向きについて、花冠は筒状、先の半分は釣鐘状にふくれ先端が5裂する[5]

茎に翼がないオオハリソウとの雑種ロシアコンフリーが多くなっていて、茎の翼の幅が狭く、次の葉の付け根まで達しないことや、花筒の先端部分がヒレハリソウより大きく鐘状にふくらんでいることで見分けられる[4]

歴史

ヨーロッパでは、古くから根や葉を抗炎症薬や骨折を治すのに伝統的に用いていた。 サラセンズ・ルートという名前で昔から知られ、イギリスには十字軍遠征から戻った兵士が伝えたと言われている。接骨剤としてもちいるため、中世ヨーロッパでは農家などに大きく広まった[6]

日本へは観賞用として明治時代に導入され[1]家畜の飼料や食用として利用された。昭和40年代に健康食品として一時期大ブームとなり、植えられたものが一部野生化した[1]。日本では、葉を天ぷらなどにして食べることが多かった。また、胃潰瘍大腸炎などの病気に、コンフリーの錠剤やハーブティーを飲むことがあったが、大量に服用すると肝臓を傷めるという事で現在では行われていない[6]

かつての利用方法

根、根茎などにアルカロイドであるコンソリジン、シンフィトシノグロシンなどと、粘液質、タンニンなどを含んでいる[2]。タンニンには収斂作用があり、過去には下痢止めに内服されたり、湿疹かぶれなどの湿布に活用されていた[2]。生葉には、水分90%と、粗蛋白質約2.4%、粗脂肪約0.2%、ミネラルビタミン群のビタミンAビタミンB1ビタミンB2ビタミンCニコチン酸、バントテン酸、ビタミンB6ビタミンB12などを含み、滋養保険、青汁原料、食用などに広く用いられた[2]。欧米では根茎を主に外用とし、内用は毒性があるので多用しない[4]。かつて、日本では葉を強壮食品、根は浴湯料とした[4]。浴湯料としては、若々しい皮膚にするので、美容効果があるとみなされた[4]

民間療法では、下痢止めの生薬として、秋に根や根茎を掘って洗い、日干ししたものをコンソリダ根、またはコンフリーと呼んで、煎じて3回に分服する用法が知られていた[2]。また、湿疹、かぶれに、煎じ液を用いて冷湿布とした[2]。滋養保険に生の葉を青汁にしたり、天ぷらお浸し和え物などとして調理し、食用にされていた[2]

かつては、何にでも効くという触れ込みでで広まっていったが、今では見る影もなくなっている[3]。薬草は本来、症状や体質によって使い分けていかなければならないものであるが、それを無視した事例であると言える[3]


  1. ^ a b c d e f 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 81.
  2. ^ a b c d e f g h i j 田中孝治 1995, p. 108.
  3. ^ a b c d 貝津好孝 1995, p. 64.
  4. ^ a b c d e f g h i 馬場篤 1996, p. 97.
  5. ^ 馬場篤 1995, p. 97.
  6. ^ a b 北野佐久子『基本ハーブの事典』東京堂出版、2005年、46 - 47頁
  7. ^ シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて(その2) 厚生労働省
  8. ^ シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて 厚生労働省
  9. ^ Echimidine Planta Analytica
  10. ^ 藤井義晴, 「未利用植物の有効利用と調理科学への期待」『日本調理科学会誌』 2008年 41巻 3号 p.204-209, 日本調理科学会, doi:10.11402/cookeryscience1995.41.3_204
  11. ^ I Hirono(廣野 巖). Edible Plants Containing Naturally Occurring Carcinogens in Japan. Jpn J Cancer Res. 1993 Oct;84(10):997-1006. PMID 8226284
  12. ^ 佐竹元吉, 「植物性の健康食品の安全性について」『食品衛生学雑誌』 51巻 6号 2010年 p.408-414, 日本食品衛生学会, doi:10.3358/shokueishi.51.408


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