ほうでん‐かこう〔ハウデン‐〕【放電加工】
放電加工
絶縁体である加工液のなかに、被加工物と電極とを0.1~0.2胴の間隔に近づけ、両者に電圧を加えると放電が発生する。この放電で発生する熱によって被加工物を溶かし、電極のかたちに彫り込むことを放電加工といい、加工する機械を放電加工機という。放電加工機は型彫り放電加工機とワイヤカット放電加工機に大別される。前者は銅またはグラファイトの総形電極を使い、石油系か水溶性の加工液のなかで放電加工する。後者は連続的に送られる黄銅製のワイヤと被加工物の間で放電させ、ワイヤの進む方向どおりに被加工物を切断する装置。加工物を、数値制御を用いて動かし、自由に輪郭形状を作り出すことができる。加工精度がよく無人加工ができ、抜き型にとって画期的な加工法となっている。
放電加工
放電加工は、絶縁性の液体中にセットした加工電極と工作物の間に、微少なギャップを設けて電圧を加えることにより、加工電極と工作物間にアーク放電を発生させ、その熱によって工作物を溶融、同時に液体の気化する際の圧力で溶融部分を吹き飛ばして除去する加工方法である。ワイヤ放電加工と区別する場合は、型彫放電加工と称される。
絶縁性液体としてケロシン油や脱イオン水、電極には銅、グラファイト、タングステン合金などが使用される。工作物が導電性であれば、材料硬度に関わらず加工が行えるため、タングステンや超硬合金の様な難削材の加工も容易に行えるほか、ダイヤモンドへの穴開けにも使用される。また加工時に電極は工作物に接触しないため、工作物は加工反力をほとんど受けず、残留応力が少ない加工方法である。
放電加工の原理を用い、電極の代わりに0.1mm前後の細い電極ワイヤを用いて工作物との間にアーク放電を発生させて加工を行う方法がワイヤ放電加工である。
ワイヤ放電加工は大気中で行われ、電極ワイヤとしては銅やタングステン合金が使用される。この加工ではワイヤが糸鋸の役割を果たし、硬度の高い材料を容易に加工できる。
また工作物を乗せたテーブルをNC制御によって高精度で動かすことにより、自由な二次元形状の加工ができるため、特に金型加工においてめざましい成果を得た。
但し、ワイヤ放電加工では、その原理から三次元加工は困難である。
適している分野・使用事例
用語解説
放電加工
放電加工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 15:38 UTC 版)
放電加工(ほうでんかこう、electrical discharge machining、EDM)は、電極と被加工物との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法であり、主として、従来の機械加工技術では加工できなかった硬い金属に適用される。放電加工を使えば、極めて硬い鋼鉄やエキゾチックメタル(例えばチタン、炭化物)に複雑な輪郭を切り出すことができる。電極と被加工物間の放電による除去加工という特性上、被加工物が電気を通す材質(導体)でなければ加工できない。放電により溶融した一部の材料は除去されずに再凝固するため、放電加工面は一般に引張の残留応力が生じる。このため、加工面にはクラックと呼ばれる微小な割れが生じやすい。
放電加工(形彫り放電加工作業)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/26 21:58 UTC 版)
「放電加工技能士」の記事における「放電加工(形彫り放電加工作業)」の解説
1級作業試験:形彫り放電加工機を使用し、支給材料(S55C)に銅電極で所定の寸法の穴あけを行う。試験時間=4時間 ペーパーテスト:放電加工性能表等による加工条件の設定、放電(通電)時間の見積り等について行う。試験時間=1時間 2級:形彫り放電加工機を使用し、支給材料(S55C)に銅電極で所定の寸法の穴あけを行う。試験時間=4時間30分
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放電加工(数値制御形彫り放電加工作業)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/26 21:58 UTC 版)
「放電加工技能士」の記事における「放電加工(数値制御形彫り放電加工作業)」の解説
1級作業試験:数値制御形彫り放電加工機を使用し、支給材料(S55C)に銅電極で所定の寸法の加工を行う。試験時間=4時間30分(ただし、加工中に次のプログラム入力ができない機械の場合は、5時間とする。) ペーパーテスト:放電加工性能表等による加工条件の設定、放電(通電)時間の見積り等について行う。試験時間=1時間 2級:数値制御形彫り放電加工機を使用し、支給材料(S55C)に銅電極で所定の寸法の加工を行う。試験時間=4時間30分(ただし、加工中に次のプログラム入力ができない機械の場合は、5時間とする。)
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放電加工(ワイヤ放電加工作業)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/26 21:58 UTC 版)
「放電加工技能士」の記事における「放電加工(ワイヤ放電加工作業)」の解説
1級作業試験:自動プログラミング装置、ワイヤ放電加工機及びワイヤ電極φ0.2(黄銅)又はφ0.25(黄銅)を使用し、支給材料(20×40×60,SKD11)から、互いにはめ合わせられる4部品(テーパ加工を含む)のワイヤ放電加工を行う。試験時間=5時間(トランジスタ開閉回路で浸漬方式の場合)、5時間30分(トランジスタ開閉回路で噴流方式の場合)、6時間(コンデンサ充放電回路で浸漬方式の場合)、6時間30分(コンデンサ充放電回路で噴流方式の場合) ペーパーテスト:放電加工性能表等による加工条件の設定、放電(通電)時間の見積り等について行う。試験時間=1時間 2級:自動プログラミング装置、ワイヤ放電加工機及びワイヤ電極φ0.2(黄銅)又はφ0.25(黄銅)を使用し、支給材料(20×40×60,SKD11)から、互いにはめ合わせられる4部品のワイヤ放電加工を行う。試験時間=5時間(トランジスタ開閉回路で浸漬方式の場合)、5時間30分(トランジスタ開閉回路で噴流方式の場合)、6時間(コンデンサ充放電回路で浸漬方式の場合)、6時間30分(コンデンサ充放電回路で噴流方式の場合)
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