放電現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:44 UTC 版)
ある程度の真空中(1.3 kPa程度)に電極を置き、その電極間に直流の高電圧を加えると発光する。これをグロー放電という。 この放電をガラス管中で起こすと管長内部で発光状態が異なる。陰極から陽極に向かって陰極暗部、負グロー、ファラデー暗部、陽光柱が観察される。負グロー、陽光柱は気体の種類で異なり、窒素では負グローが青色に陽光柱は赤色になる。 また、陰極近傍では電位分布は負グローに向かってほぼ直線状に上昇する。したがってこの陰極付近では電界が高く、数多くのエネルギーを持つ電子と気体分子との衝突によって盛んに正イオンが作られる。正イオンは加速されて陰極金属に衝突し、正イオンとの運動量の交換により陰極電子金属が空間に放出される。これをスパッタ作用といいその結果放出された陰極電子金属物質は陰極近辺のガラス管の内壁に付着するようになる。このスパッタ作用は現在では陰極物質を対象物に蒸着し薄膜を形成するための主要な手段になっている。 また陽光柱の部分は電子密度と正イオン密度がほぼ等しい、いわゆるプラズマ状態になる。この陽光柱プラズマは蛍光灯、ガスレーザー管、ネオン管などに利用されている。
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