放電・冷却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 10:23 UTC 版)
レーザー加工機で用いられる大出力炭酸ガスレーザーでは、光共振器内で工業周波数帯と呼ばれる100kHz、2MHz、13.56MHzといった高周波電流により放電することで媒質に励起エネルギーを与える。これらでは、入熱などを考慮する必要から高周波の放電電流を断続させることでパルス波とし、繰り返し周波数は一定のままパルス波の長さを変化させデューティ比を変えることで出力を調整する。Qスイッチレーザーでは、音響光学的、電気光学的、または回転鏡式などによってQ値を調整することで短パルスながらピークパワーを高めている。 レーザー発振を連続すると、混合ガスが劣化するので休ませる必要があり、またヘリウム原子が熱を帯びるので冷やす必要もある。小出力用途で用いられる「封入型」では、ガラス容器の側壁から空冷(「低速軸流型」)や水冷で冷却される。大出力になると混合ガスは放電管内に封入されず、光出力と同軸方向(「高速軸流型」)や側面方向(「三軸直交型」)に高速の流れによって外部の冷却機構との間で還流される。。ガス圧が高いほど大出力にできるため、光共振器の両側面から電極をサンドイッチ状に配置して電圧勾配を高めることで大気圧でも放電を可能にしたTEA(Transversely Excited Atmospheric) 方式もある。
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