抗体医薬品とは? わかりやすく解説

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抗体医薬

読み方:こうたいいやく
別名:抗体医薬品
英語:antibody drugs

生体の防御機能である「抗体」(免疫グロブリン)を利用した医薬

抗体毒素などの抗原結合して抗原破壊無力化・排除促すはたらき持っている成分タンパク質である。もともと体内で作られる物質であるが、抗体医薬はこれを投与して治療用いる。

抗体特定の抗原反応してのみ機能する。この性質は「抗原抗体反応」と呼ばれる。抗体医薬も抗原抗体反応利用し特定の抗体投与し増大させることで、特定の病状抑制緩和治療を図ることが可能となっている。用途された抗体特定の抗原以外の細胞などには反応しないため、副作用生じにくい。


抗体医薬は、2010年代前半時点では、抗体医薬の研究開発進みつつあるものの、安価に大量生産する点で課題残している状況といえる。抗体医薬は副作用伴わないガン治療アルツハイマー病抑制、などに期待されており、登場期待されておりながら満たされていない需要アンメットメディカルニーズ)を満たす医薬品市場として有望視されている。

関連サイト
抗体医薬の現状と課題 - 科学技術政策研究所 Science&Technology Trends
よくわかる抗体医薬品 - 中外製薬
抗体医薬品を知ろう - 協和発酵キリン


抗体医薬品

読み方:こうたいいやくひん

疾患関連する特定の抗原分子標的とした抗体を含む医薬品のこと。抗体医薬呼ばれることもある。抗体抗原分子結合することにより、がん細胞などの増殖抑制したり、免疫細胞補体を介して標的細胞病原体などに対す傷害を起こさせたりする効果がある。抗体医薬品は、標的対す特異性が高いことなどから、一般的に効果高く副作用少ないなどといわれている。

こうたい‐いやく〔カウタイ‐〕【抗体医薬】

読み方:こうたいいやく

抗体免疫グロブリン)が病原体異物などの抗原認識するしくみを利用した薬剤抗癌剤のように正常な細胞まで破壊することがなく、副作用少ないとされる。抗体医薬品。抗体製剤抗体薬

[補説] 破傷風菌感染したウサギから取り出した血清破傷風患者注射したのが始まり。現在は、遺伝子工学細胞融合技術使用してマウスなどにヒト抗体作らせることができるが、コスト生産規模などの点で課題も多い。


抗体医薬品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/07 14:08 UTC 版)

高分子医薬品」の記事における「抗体医薬品」の解説

抗原特異的に認識するモノクローナル抗体作成可能になり、ヒト化抗体ヒト抗体開発される至って、現在では非常に多くの抗体医薬品が臨床用いられている。抗体医薬品の種類にはマウス抗体加えてマウス抗体定常領域ヒト型に変えたキメラ抗体超可変領域だけがマウス由来ヒト化抗体、さらに遺伝子組換えマウス用いて作成される完全ヒト化抗体がある。分子量150,000全長IgG抗体加えて定常領域Fc)を除いたF(ab)’2やFab可変領域のみを短いリンカー連結した一本鎖抗体scFv)などの構造的特徴異な抗体分子抗体工学技術進歩により開発されている。こうした構造改変により分子量大きく変わることから体内動態大きく変動する。抗体医薬品は高分子医薬品中でも標的対す選択性高く体内安定という特長がある。それゆえに抗体医薬品をもとにした多機能高分子医薬品次々と開発されている。抗体薬物複合体antibody-drug conjugate)としてはカドサイラやゲムツズマブ オゾガマイシンなどで知られている。IgG融合蛋白質医薬品としてエタネルセプトが有名である。また2種類抗原部位を持つ二重特異性抗体(bispecific抗体)も開発されており、多様な機能性をもつ抗体医薬として開発進められている。二重特異性抗体としてはエルツマキソマブなどが知られている。抗体医薬作用は以下の5つ知られている。 抗体依存性細胞障害作用 抗体依存性細胞障害作用(antibody-dependent cellular cytotoxicityADCC)では標的細胞表面抗原結合した抗体Fc領域を介してナチュラルキラー細胞単球集簇し、細胞から産出される細胞障害性メディエーターを介してがん細胞ウイルス感染細胞攻撃する補体依存性細胞障害作用 補体依存性細胞障害作用complement-dependent cytotoxicityCDC)では標的細胞表面抗原抗体結合すると、抗体Fc領域補体結合し連鎖的な補体活性化反応細胞表面で起こることで細胞破壊する標的分子中和 抗体リガンドあるいは受容体特異的に結合する細胞内へのシグナル遮断される。これにより標的分子作用中和する阻害される)ことで効果発揮するアゴニスト作用 細胞表面レセプター結合しアゴニストと同様シグナル伝達活性化するドラッグデリバリー作用 薬物に抗体コンジュゲートすることで抗体細胞選択的送達にもちいることができる。これを抗体薬物複合体antibody-drug conjugateADC)という。

※この「抗体医薬品」の解説は、「高分子医薬品」の解説の一部です。
「抗体医薬品」を含む「高分子医薬品」の記事については、「高分子医薬品」の概要を参照ください。

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