VIX指数
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VIX指数(英: VIX Index)またはCBOEボラティリティ指数(英: CBOE Volatility Index)とは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P 500を対象とするオプション取引の満期30日のインプライド・ボラティリティを元に算出し、1993年より公表しているボラティリティ指数。
VIX指数は今後30日間のS&P 500の予想変動範囲を表現していて、予想変動範囲(%) =
VIX指数はインプライド・ボラティリティを用いているが、インプライド・ボラティリティがオプションを利用した複雑な計算をしているにもかかわらず、過去の値動きから単純に標準偏差を計算しただけのヒストリカル・ボラティリティと結果が大差無いという批判がある[10][11][12]。
不正操作
2017年5月23日に、VIX指数の計算に使われるS&P 500のオプションは取引の少ない物が含まれていて、それを使用することでVIX指数を操作することが可能であるうえ、その対象となっているS&P 500のオプションだけ不自然に取引が多いという論文[13]が発表された。更に、2018年2月12日に実際にVIX指数を不正操作している人がいるという匿名の告発が証券取引委員会になされた[14][15]。
過去の主要な高値・低値
高値
- 1990年8月23日 イラク軍クウェート侵攻…36.47
- 1997年10月28日 アジア通貨危機…48.64
- 1998年10月8日 ロシアデフォルト(LTCM破綻)…49.53
- 2001年9月21日 アメリカ同時多発テロ…49.35
- 2002年7月24日 エンロン不正会計事件…48.46
- 2002年8月5日 ワールドコム破綻…45.21
- 2003年3月12日 イラク戦争勃発…34.40
- 2008年9月18日 リーマン・ブラザーズ破綻…42.16
- 2008年10月24日 世界金融危機…89.53(1993年以降の最高値)
- 2010年5月21日 ギリシャを筆頭とするPIIGSの国債懸念…48.20
- 2011年8月9日 S&Pが米国債を格下げ…47.56
- 2011年10月4日 ギリシャ国債のデフォルト危機…46.88
- 2015年8月24日 中国経済失速懸念…53.29
- 2018年2月6日 米雇用統計での賃金上昇をきっかけとした長期金利上昇、VIXショック「変動幅は過去最大規模」…50.30
- 2020年3月18日 新型コロナウイルスによるパンデミック …85.47
- 2024年8月5日 米雇用統計での失業率等悪化をきっかけとした世界同時株安 …65.73
低値
- 1993年12月27日… 8.89
- 2006年11月22日 …9.81
- 2007年1月24日 … 9.87
- 2017年7月26日 …8.84
- 2017年11月3日 …8.99
- 2017年11月24日 …8.56(1993年以降の最低値)
- 2018年1月4日 …8.92
脚注
出典
- ^ a b c VIX CBOEボラティリティ指数 - S&P Dow Jones indexology
- ^ Cboe S&P 100 Volatility Index - VXO
- ^ a b CBOE VIX White Paper
- ^ Carr, Peter, and Dilip Madan. "Towards a theory of volatility trading." Option Pricing, Interest Rates and Risk Management, Handbooks in Mathematical Finance (2001): 458-476.
- ^ VX-Cboe Volatility Index (VIX) Futures
- ^ The Cboe VVIX sup SM sup Index
- ^ バリアンススワップ :きょうのキーワード :資産力UP :マネー :日本経済新聞
- ^ Bollerslev, T., Gibson, M., and Zhou, H. (2011). "Dynamic estimation of volatility risk premia and investor risk aversion from option-implied and realized volatilities." Journal of econometrics, 160(1), 235-245.
- ^ Carr, P., and Wu, L. (2006). "A Tale of Two Indices." The Journal of Derivatives, 13(3), 13-29.
- ^ Cumby, R.; Figlewski, S.; Hasbrouck, J. (1993). “Forecasting Volatility and Correlations with EGARCH models”. Journal of Derivatives 1 (2): 51–63. doi:10.3905/jod.1993.407877.
- ^ Jorion, P. (1995). “Predicting Volatility in Foreign Exchange Market”. Journal of Finance 50 (2): 507–528. doi:10.1111/j.1540-6261.1995.tb04793.x. JSTOR 2329417.
- ^ Adhikari, B.; Hilliard, J. (2014). “The VIX, VXO and realised volatility: a test of lagged and contemporaneous relationships”. International Journal of Financial Markets and Derivatives 3 (3): 222–240. doi:10.1504/IJFMD.2014.059637.
- ^ John M. Griffin; Amin Shams (May 23, 2017). Manipulation in the VIX?. SSRN 2972979.
- ^ VIX指数に不正操作の疑い、米当局が調査開始 - ロイター
- ^ 高まるVIX指数への注目と不正操作疑惑|2018年|研究員の時事解説|ナレッジ&インサイト|NRI Financial Solutions
外部リンク
VIX指数
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「シカゴ・オプション取引所」の記事における「VIX指数」の解説
詳細は「VIX指数」を参照 S&P 500を対象とするオプション取引の満期30日のインプライド・ボラティリティを元に算出し、1993年より公表しているボラティリティ指数。 VIX指数は今後30日間のS&P 500の予想変動範囲を表現していて、予想変動範囲(%) = VIX / 12 {\displaystyle {\mbox{VIX}}/{\sqrt {12}}} である。 例えばVIX指数が18の場合は予想変動範囲が5.2%である。ただし現実にはS&P 500が下落する場合はVIXは上昇する傾向があり、VIXとS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にある。 その統計的傾向から俗に恐怖指数(きょうふしすう、英: fear index)とも呼ばれる。
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