WON-TEC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 15:33 UTC 版)
「レーシングラグーン」の記事における「WON-TEC」の解説
※本項以降、ネタバレを多分に含むため、閲覧注意。 表向きにはアフターパーツの新興メーカーを装っているが、その正体はバイオテクノロジー関連の研究開発を手掛ける巨大複合企業である。YOKOHAMA GPを大々的に開催し、「誰でも最速になれる」「プロのレーサーになれる」などと甘言で走り屋たちを誘い、「Diablo(恐怖や不安などの負の感情を抑制し、潜在能力を引き出す危険な薬)」の実験サンプル(Driver)を集めていた。元々は、川志摩兄妹の父親が興した小さな自動車整備工場だった。 川志摩 葵 (かわしま あおい) 藤沢と同棲中の恋人。本作の裏ヒロインにしてラスボスでもある。ワンレングス・太眉・ボディコンスーツという80年代後半のディスコファッションを思わせる派手な出で立ち。28歳。 10年前、走り屋の軽率な行動が引き起こした事故で両親を失い、その憎しみから兄と共にDiabloを開発し、走り屋たちを実験台にすることで復讐を果たそうと考えた。 当時、走り屋たちをDriverに引き入れる役割を担っていたが、ある日、Diablo-Zetaを凌駕する走り屋(赤碕の身体の持ち主であるオリジナル人格)が現れ、その行為を咎められる。これまでの走り屋たちとは違う彼の誠実さに惹かれ、いつしか二人は愛し合うようになるが、ある紅い満月の夜、意を決して真実を告白した結果、まるで別人のように激昂し出て行ってしまう。「きっと戻る」という約束を交わしていたがそれが果たされることはなく、シュナイダーから「横羽線で起きた走り屋たちの事故に巻き込まれて死んだ」と(嘘を)告げられ、以前にもまして走り屋たちを憎むようになった。 そして、あの夜から8年が過ぎたある日、彼の面影を感じさせる走り屋・藤沢が現れる。走り屋たちに対する憎しみが消えたわけではなかったが、「人は何かを失い、そして、何かを得て生きてゆく」という彼の言葉を思い出し、憎しみの対象である走り屋を愛することで安らぎを手に入れようとする。 しかし、その2年後、心の平穏を取り戻したのも束の間、藤沢から見せられたBLRの集合写真の中に当時のままの姿で写っている彼を見つけ、心の奥底に封印していた忌まわしい記憶が甦る。表面上は平静を装っていたが、シュナイダーの独断専行を黙認(本人の弁によれば不本意だったという)する一方で、石川兄や楠木をはじめとする多くのDriverたちを惨殺するなど、次第に自分を見失ってゆく。 そして、物語の最終盤、赤碕に別れを告げるために姿を現し、10年前と同じように真実を告白する。最後は自らDiabloを使い、藤沢(Diabloの過剰投与で朦朧状態)を道連れに車で海に飛び込もうとしたが、すんでのところで赤碕に阻止され未遂に終わった。 エンディング(後日談)では入院中の藤沢を見舞い、二人で窓辺に佇んでいる様子が描かれていることから、気持ちの整理はついたようである。 川志摩 サトル (かわしま さとる) 川志摩葵の兄であり、「D-Project」の元チーフレジデント(公式ファンブックによれば、東京大学医学部卒のエリートだという)。32歳。搭乗車種は青のWR-2000。 10年前、Diabloを過剰投与されたDriverたちが脱走し、横羽線で事故死した(実際には赤碕のオリジナル人格である彼が鉄パイプでとどめを刺した)紅い満月の夜、唯一の生き残りとしてWON-TECに運び込まれた彼を見て、即座にDriverではないことに気づく。そして「科学者の絵空事」としてDiabloを開発してしまった罪悪感から、せめてもの償いとして、彼をシュナイダーから守るために「D-Sleep(コールドスリープに似た長期睡眠装置)」で眠らせた。 その後WON-TECから行方をくらまし、北海道の雪深い山奥で隠遁生活を送っていたが、シュナイダーたちの尾行に気づかずに赤碕が訪ねてきたことで居場所を知られてしまう。最期はシュナイダーに真実を告白した上で赤碕の助命を嘆願するが、赤碕が普通の走り屋だった事を聞かされ激昂したシュナイダーにより射殺された(赤碕は崖下に転落していたため難を逃れた)。 Heidel Schneider (ハイデル・シュナイダー) D-Projectの責任者にして「統合EUROレース」なる大会のチャンピオン。28歳。搭乗車種はシルバーのGermany(ターボ3.6)。 ただならぬ雰囲気を感じさせる火傷の痕のような顔のあざと、サングラスに黒のスーツという「いかにも」な出で立ちが特徴のドイツ人Driver。「簡単」「一言」などと言いながらも、理論や自説を長々と語る厄介な性格の持ち主。 10年前からD-Projectの指揮を執る冷酷な人物で、Diabloの副作用を無効化する抗体を手に入れるため、数え切れないほど大勢の走り屋たちを利用し、闇に葬ってきた。終盤、赤碕がDiabloの実験サンプルではなかったことに気付くと、D-Projectの関係者を抹殺してDiabloを国外に持ち出そうとするが、土壇場で酔狂な性分が顔を覗かせ、赤碕に命懸けのバトルを仕掛ける。自らDiabloを服用したり、事件の顛末を延々と語ったりするなど勝利を確信した様子だったが、最期は非常用通路の橋梁部分から車ごと転落し、あっけなく死亡した。 John Truth (ジョン・トゥルース) ロマンス・グレーの髪に口髭を蓄えた紳士的な風貌のイギリス人Driver。40歳。搭乗車種は黒のBackyard(ゲーム内での呼称はNIGHTMARE)で、エンジンをSW2000(GT)に搭載されているGT-3Sに換装している。 物腰の柔らかな人物で、性格的に正反対のラッシュと行動を共にすることが多い。主にDriverのスカウトを担当していたが、旧知の間柄であるフレディにはすげなく断られた。 Forza Rush (フォルツァ・ラッシュ) 逆立てた赤い髪と粗野な口調が特徴のイタリア人Driver。24歳。搭乗車種は赤のScuderia12。 トゥルースと共に赤碕の監視やDriverのスカウトを担当していた。終盤、トゥルースともども死亡したとも取れる描写がある(Driverたちの撲殺死体が見つかるが、トゥルース、ラッシュとの明言はない)。 Won Lee (ウォン・リー) WON-TECの現経営者で、片時も葉巻きたばこを手放さない悪役然とした風貌。48歳。 最終盤、崩壊するBay Lagoon Towerから逃げ遅れ、赤碕に鉄パイプで殴り殺されそうになるが、その寸前に背後からシュナイダーに射殺された。
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