J1規格への改修計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:11 UTC 版)
「水戸市立競技場」の記事における「J1規格への改修計画」の解説
現在の本競技場の収容人員は約12,000人であるが、うち2,000人分はJリーグ規定で収容人員に含まれない芝生席である。これは、J2基準の10,000人をかろうじてクリアしている状況であり、当然ながらJ1基準の15,000人を確保できていない。J1昇格にはJ1クラブライセンスを取得するために増席工事が必須であり、J1昇格が確実視された場合にJ1規格適合のスタンド増築などを視野に入れた改修工事予算の計上を水戸市議会から確約を取りつけていたが、後述の震災の影響による復旧・復興予算が優先され、拡張予算は一時棚上げとなった。これによりクラブは2009年まで本拠地としていた笠松運動公園陸上競技場への“一時的な復帰”をも視野に入れたJ1ライセンス獲得を目指すと発表した。 2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災し、多数の箇所が損壊した(詳細は後述)。同年10月までに地上構造物は全て修理されたが、ピッチの排水機構は芝生の地下深くに排水管が広く敷設されている構造上、破損したまま修理できなかった。このためピッチは非常に水はけが悪く、多少の降雨でもたちまち至る所に水たまりができてしまいボールが全く転がらなくなってしまう。そのため雨天・降雨直後の試合ではパスをつなぐことができず、ロングボールを蹴りあう戦術に切り替えざるを得ない。また茨城県内の多くの競技場が震災で損壊したまま使用できない状況が続いたことから 本競技場の使用頻度が高くなり、結果的にピッチコンディションの悪化を招いた。これについては2014年シーズン終了後にピッチの全面改修を行い、改善が行われている。 2013年6月、水戸市議会は本競技場のJ1規格への改修工事を行なう方針を発表。同年9月には増席のほかトラックの補修工事を併せて行ない、2016年度に第1種公認陸上競技場として再整備する計画を明らかにした。これは、陸上用トラックが2016年度に日本陸上競技連盟競技場公認の更新時期を迎えるためで、当初は2018年度をめどに整備するとしていたものを2年繰り上げて行うものである(これについてホーリーホック側は「改修の完成に少なくとも3年かかるので、少しでも早い改修の実現を求めていきたい」としている)。 2014年1月に観客席改修基本計画策定業務委託の入札を行い、日総建が落札。しかし同年9月に敷地拡張が必要と判断され設計は中断、同年11月時点においても用地の取得交渉が続いており、観客席増設のための基本・実施設計策定作業を2015年度以降に延期した。一方で陸連公認に向けたインフィールドの施設改修は2016年度の日本陸連公認更新作業に向けて行い、2014年度はビックロール工法による芝張り替えのほか、暗渠排水工やポップアップスプリンクラーの設置を実施することになっており、工期の確保のため2015年シーズンは第12節までのホームゲーム5試合を笠松運動公園陸上競技場で開催することになっている。 その後もスタンドの増築工事については用地取得に向けた地権者側の権利関係の整理が進展せず、水戸市長の高橋靖は2017年3月13日に行われた水戸市議会での代表質問への答弁で、スタンドのJ1基準化工事の着工について、2019年に茨城県で行われる第74回国民体育大会(いきいき茨城ゆめ国体)で同競技場がラグビーの会場になることを踏まえ、国体以後に着手するとの考えを表明した。茨城新聞では国体以後に着工した場合、完成が2022年度になる見通しとの見解を示していた。 その後もスタンド増築用地の取得が進展しないことから、2019年8月26日の高橋水戸市長の定例記者会見で、現在のサイドスタンド(芝生席)を立ち見席に改修し、収容可能人員を充足させる方針に転換することを表明、同年9月の市議会に基本計画費として500万円の補正予算案を計上することとした。予算措置が行われれば、2020年以降に基本設計や実施設計をまとめ2024年度頃の供用開始を目指す方針としているが、2019年11月、水戸ホーリーホックが「民設・民営型」の球技専用スタジアムの建設計画が発表されたことを受け、高橋は「日本陸上競技連盟第1種公認へ向けての拡張をする方針は変えないが、整備時期については一度立ち止まって、推移を見守っていきたい」とする方針を固めた。 なお水戸ホーリーホックは2020年6月に行った、2021年度Jリーグクラブライセンス申請にあたっては、上記の専用新スタジアム建設を前提とした「例外規定2」の適用を含めたJ1ライセンス申請を行っており、ライセンス承認、かつ当該年度のJ1昇格成績案件を満たしてJ1昇格を決定した場合でも、引き続きケーズデンキスタジアムを使用できる予定だとしている。
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