Go to the futureとは? わかりやすく解説

GO TO THE FUTURE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 06:31 UTC 版)

『GO TO THE FUTURE』
サカナクションスタジオ・アルバム
リリース
録音 2006年
ジャンル
時間
レーベル
チャート最高順位
  • 週間105位オリコン
  • 週間55位(オリコン・再発盤)
サカナクション アルバム 年表
- GO TO THE FUTURE
2007年
NIGHT FISHING
2008年
EANコード
ミュージックビデオ
「三日月サンセット」 - YouTube
「白波トップウォーター」 - YouTube
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GO TO THE FUTURE』(ゴー・トゥ・ザ・フューチャー)は、日本ロックバンドサカナクションの1作目のスタジオ・アルバム2007年5月9日ビクターエンタテインメント内のレーベルBabeStar Labelよりリリースされた。

概要

バンド初期に制作された曲に加え、フロントマン山口一郎ギターの岩寺基晴が以前在籍していたインディーズバンド・ダッチマン時代に制作した楽曲も収録している。また、2009年には、デジタル・ダウンロード販売を開始。iTunesなどの音楽配信サイトによって、各国に向けて発売された。2015年には、リマスタリングを施し、LP盤CDで再発盤をリリースしている。

本アルバムは、音楽評論家によって肯定的に評価されており、タワーレコードのレビュアーは「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている」と肯定的に評価している。

また、本アルバムは、全国的かつ商業的には成功していないものの、北海道では発売当初好評であった。「三日月サンセット」などの収録曲は、FM NORTH WAVEエフエム北海道をはじめとする北海道の主要エフエム放送局ヘヴィー・ローテーションされた。

制作背景

レコーディングを行った札幌市生涯学習センター「ちえりあ」(2007年撮影)。

サカナクションは、2005年春に北海道札幌市で結成された[3][4]。バンドのフロントマン山口一郎ギターの岩寺基晴の2人は、前身となったバンド「ダッチマン」のメンバーであった[4][5]

前身バンド解散後は、一時的に山口が単独で活動をし、ディスクジョッキー弾き語りなど、前身のバンドで行っていた活動とは異なるパフォーマンスや音楽性を追及[5]

その後、山口の「再びバンド活動をしたい」という意志から岩寺を誘い、それに加えてドラムメンバーを勧誘した後、サカナクションを結成した。

結成時、山口の地元の小樽にて開催されるロック・フェスティバルライジング・サン・ロックフェスティバル」一般公募枠にあたる「RISING STAR」が始まったことから、応募し、公募からバンドが選出された。それをきっかけに、メジャーデビューが決定。

当時、サポートメンバーであったベース草刈愛美キーボードの岡崎英美が正式なメンバーに加わり、現在までのバンドメンバーの体制が構築された[4][5][6]

この間に、バンドは「三日月サンセット」「白波トップウォーター」のデモ音源を札幌の大学内に設置されたラジオ局に送付した。送付された2つの楽曲は、リスナーに好評であったために、ラジオ番組内のチャートランキングで5位を獲得。また、FM NORTH WAVEのチャートランキング『SAPPORO HOT 100』に92位でチャートインした[3][7]

アルバムは、カバーアートワークミュージックビデオを含め、楽曲制作は全て北海道圏内で行われた[8]。音源は、札幌市中央区にあるヤマハ・センターのスタジオ・ジャック、および、札幌市西区の札幌市生涯学習センター「ちえりあ」のスタジオで録音された[9]

歌詞は、山口が楽曲ごとにイメージを考え出し、他のメンバーに対してイメージに合わせた演奏をするように指示をしている[8]。また、山口がメロディーを制作した際には、以後の作品で見られる大胆で独創性のあるサウンドを作り上げず、リスナーが曲をどう受け止めるか考えているながらも、内向的に作り上げている[4][5]

アルバムに収録された楽曲のテンポは、すべてBPM126で構成されている。これは、ドラマー江島啓一がまだクラブ・ミュージックをそこまで聴いていなかったことから、テンポに慣れさせるという意味と歌唱時と作曲するときにちょうどよいテンポであったという[5]

楽曲の背景

映像外部リンク
「Documentary of "GO TO THE FUTURE (2006 ver.)」DIGEST MOVIE - YouTube

リリースとプロモーション

本アルバムは「三日月サンセット」によるプロモーションが行われた[14]。本楽曲は、千葉テレビMUSIC-03』オープニングテーマ、および北海道テレビ夢チカ18』、毎日放送『mm-TV』エンディングテーマに使用された[15]。バンドは、広くバンド自身のことを宣伝するために『WHAT's IN?』や『ROCKIN'ON JAPAN』といった日本の音楽雑誌へのプロモーションを行った[16]

2007年4月26日に開設されたアルバムのスペシャルサイトは、将来的なバンドの試みを促進するために作成された。山口による曲の解説や前述の2曲のミュージックビデオを掲載していた[8]。2007年5月11日から13日にかけて行われたレコ発ツアーでは、バンドとして初となるワンマンライブを開催。ライブは、札幌・東京名古屋大阪ライブハウスにて開催された[17]

2015年3月にアルバムのアナログ盤と廉価盤、およびハイレゾ音源デジタルオーディオが発売された。CD・LP盤には、リマスタリングが施された。元々同月に『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』をリリース予定であったが、メンバーの草刈が妊娠をし、産前休業に入ったために、アルバムの復刻版をリリースすることとなった[18]

評価

評論家による評価

本アルバムは、複数の音楽評論家によって肯定的に評価されている。

  • タワーレコードのレビュアーは「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている」と肯定的に評価している[19]
  • CDじゃーなるのウェブレビュアーは、バンドの持つポピュラー音楽のセンスとロックのセンスなどについて、肯定的に評価した[15]

チャート成績

本アルバムは、1,500枚を初週に売り上げ、オリコンにて初週105位を記録している[20][21]。また、CDじゃーなるは、日本全国のタワーレコードの売り上げを追跡し、CDの多くが札幌で売り上げられていると発表している[22][23]。しかし、アルバムは他の日本の政令指定都市にて売り上げを伸ばすことは出来なかった[23]

収録曲

全作詞・作曲: 山口一郎
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 三日月サンセット 山口一郎 山口一郎
2. 「インナーワールド」 山口一郎 山口一郎
3. 「あめふら」 山口一郎 山口一郎
4. 「GO TO THE FUTURE」 山口一郎 山口一郎
5. 「フクロウ」 山口一郎 山口一郎
6. 「開花」 山口一郎 山口一郎
7. 白波トップウォーター 山口一郎 山口一郎
8. 「夜の東側」 山口一郎 山口一郎
合計時間:

チャート

「GO TO THE FUTURE」の週間チャート
チャート 順位 出典
2007年 日本・オリコンCDシングルチャート 105 [20][21]
2015年 55 [20][21]

売り上げ

集計団体 売り上げ/枚 出典
オリコン 7,000 [21]

発売日一覧

国/地域 発売/発信元 発売日 規格 規格品番 出典
日本 ビクターエンタテインメント 2007年5月9日 (2007-05-09) CD VICB-60023 [24]
韓国 J-Box Entertainment 2009年3月26日 (2009-03-26) デジタル・ダウンロード N/A [25]
世界 ビクターエンタテインメント 2009年7月15日 (2009-07-15) デジタル・ダウンロード N/A [26][27]
日本 2015年3月18日 (2015-03-18) ロスレス圧縮デジタル・ダウンロード VEAHD-10612 [28]
2015年3月25日 (2015-03-25) CD
LP
VICL-64343
VIJL-60144~5
[29]

脚注

  1. ^ GO TO THE FUTURE”. billboard japan. 2020年5月22日閲覧。
  2. ^ GO TO THE FUTURE(スペシャルプライス盤)”. billboard japan. 2020年5月22日閲覧。
  3. ^ a b 北海道から全国区へ?新種バンド"サカナクション"”. オリコン (2007年5月22日). 2016年1月30日閲覧。
  4. ^ a b c d 田澤仁 (2007年5月7日). “サカナクション、デビューアルバム『GO TO THE FUTURE』インタヴュー”. BARKS. pp. 1-2. 2016年10月30日閲覧。
  5. ^ a b c d e 兵庫慎司. “特集 サカナクション 2007年『GO TO THE FUTURE』から2011年『Documentary』まで。山口一郎、サカナクションのアルバム5作品をすべて語る!”. RO69. ロッキング・オン. p. 1. 2016年1月30日閲覧。
  6. ^ サカナクション インタビュー Artist Information”. eo音楽 (2007年). 2015年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月30日閲覧。
  7. ^ SAPPORO HOT 100 vol. 717” (PDF). 札幌: FM NORTH WAVE (2006年11月24日). 2015年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月30日閲覧。
  8. ^ a b c 話題の北海道新種バンド、サカナクションのスペシャルサイトがOPEN!”. BARKS (2007年4月26日). 2015年2月18日閲覧。
  9. ^ Go to the Future (Media notes). サカナクション. 日本、東京: BabeStar Label/ビクターエンタテインメント. 2007.{{cite AV media notes}}: CS1メンテナンス: cite AV media (notes) のothers (カテゴリ)
  10. ^ a b サカナクション GO TO THE FUTURE”. ビクターエンタテインメント (2007年4月26日). 2007年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月17日閲覧。
  11. ^ “レクリエーション”. 10 December 2012. JFN. TOKYO FM. {{cite episode}}: |series=は必須です。 (説明)
  12. ^ サカナクション企画盤の全収録曲判明、山口一郎の初監督PVも”. CINRA.NET (2015年7月3日). 2015年7月4日閲覧。
  13. ^ a b サカナクション、バンド誕生の地をめぐるドキュメント映像のダイジェスト公開”. MUSICman-NET. Musicman (2015年8月3日). 2015年8月3日閲覧。
  14. ^ Madoka Suzuki (2008年). “サカナクション 音楽はアート。”. Shift Japan. 2015年2月19日閲覧。
  15. ^ a b サカナクション / GO TO THE FUTURE”. CDじゃーなる. 2015年2月17日閲覧。
  16. ^ Information” (Japanese). ビクターエンタテインメント (2007年). 2007年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月17日閲覧。
  17. ^ 北海道で人気急上昇中のバンド、サカナクション”. BARKS (2007年4月20日). 2015年2月17日閲覧。
  18. ^ “サカナクション初期3作品の再発、アナログ盤リリース”. 12 February 2015. JFN. TOKYO FM. {{cite episode}}: |series=は必須です。 (説明)
  19. ^ 【CD】GO TO THE FUTURE”. タワーレコード. 2015年4月21日閲覧。
  20. ^ a b c GO TO THE FUTURE”. オリコン. 2014年12月13日閲覧。
  21. ^ a b c d オリコンランキング情報サービス「you大樹」”. オリコン. 2015年8月31日閲覧。 
  22. ^ アルバム総合 - 札幌※ チャート提供:TOWER RECORDS 札幌ピヴォ店 (集計期間:2007/05/07 ~ 2007/05/13)”. CDじゃーなる. 2015年3月13日閲覧。
  23. ^ a b 話題のバンド サカナクション 北海道FM局オンエア第1位!!”. Hot Express (2007年5月22日). 2015年5月13日閲覧。
  24. ^ 【CD】GO TO THE FUTURE”. 2015年2月16日閲覧。
  25. ^ Go To The Future Sakanaction” (朝鮮語). Bugs. 2015年2月17日閲覧。
  26. ^ サカナクション、ライヴ音源第2弾をiTunes限定配信&アルバム世界配信”. BARKS (2009年7月3日). 2015年2月17日閲覧。
  27. ^ GO TO THE FUTURE”. iTunes. Apple. 2016年2月1日閲覧。
  28. ^ GO TO THE FUTURE”. オンキヨー&パイオニアイノベーションズ (2015年3月18日). 2015年3月27日閲覧。
  29. ^ サカナクション、アナログ&ハイレゾ配信企画始動” (Japanese). ナタリー. ナターシャ (2015年). 2015年2月18日閲覧。

外部リンク

バンドの公式サイト

アルバムの公式サイト

歌詞掲載サイト

インタビュー記事


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