GO TO THE FUTURE
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『GO TO THE FUTURE』 | ||||
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サカナクション の スタジオ・アルバム | ||||
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録音 | 2006年 | |||
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サカナクション アルバム 年表 | ||||
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「三日月サンセット」 - YouTube 「白波トップウォーター」 - YouTube |
『GO TO THE FUTURE』(ゴー・トゥ・ザ・フューチャー)は、日本のロックバンド・サカナクションの1作目のスタジオ・アルバム。2007年5月9日にビクターエンタテインメント内のレーベル・BabeStar Labelよりリリースされた。
概要
バンド初期に制作された曲に加え、フロントマン・山口一郎とギターの岩寺基晴が以前在籍していたインディーズバンド・ダッチマン時代に制作した楽曲も収録している。また、2009年には、デジタル・ダウンロード販売を開始。iTunesなどの音楽配信サイトによって、各国に向けて発売された。2015年には、リマスタリングを施し、LP盤とCDで再発盤をリリースしている。
本アルバムは、音楽評論家によって肯定的に評価されており、タワーレコードのレビュアーは「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている」と肯定的に評価している。
また、本アルバムは、全国的かつ商業的には成功していないものの、北海道では発売当初好評であった。「三日月サンセット」などの収録曲は、FM NORTH WAVEやエフエム北海道をはじめとする北海道の主要エフエム放送局でヘヴィー・ローテーションされた。
制作背景
サカナクションは、2005年春に北海道札幌市で結成された[3][4]。バンドのフロントマン・山口一郎とギターの岩寺基晴の2人は、前身となったバンド「ダッチマン」のメンバーであった[4][5]。
前身バンド解散後は、一時的に山口が単独で活動をし、ディスクジョッキーや弾き語りなど、前身のバンドで行っていた活動とは異なるパフォーマンスや音楽性を追及[5]。
その後、山口の「再びバンド活動をしたい」という意志から岩寺を誘い、それに加えてドラムメンバーを勧誘した後、サカナクションを結成した。
結成時、山口の地元の小樽にて開催されるロック・フェスティバル「ライジング・サン・ロックフェスティバル」一般公募枠にあたる「RISING STAR」が始まったことから、応募し、公募からバンドが選出された。それをきっかけに、メジャーデビューが決定。
当時、サポートメンバーであったベースの草刈愛美、キーボードの岡崎英美が正式なメンバーに加わり、現在までのバンドメンバーの体制が構築された[4][5][6]。
この間に、バンドは「三日月サンセット」「白波トップウォーター」のデモ音源を札幌の大学内に設置されたラジオ局に送付した。送付された2つの楽曲は、リスナーに好評であったために、ラジオ番組内のチャートランキングで5位を獲得。また、FM NORTH WAVEのチャートランキング『SAPPORO HOT 100』に92位でチャートインした[3][7]。
アルバムは、カバーアートワークとミュージックビデオを含め、楽曲制作は全て北海道圏内で行われた[8]。音源は、札幌市中央区にあるヤマハ・センターのスタジオ・ジャック、および、札幌市西区の札幌市生涯学習センター「ちえりあ」のスタジオで録音された[9]。
歌詞は、山口が楽曲ごとにイメージを考え出し、他のメンバーに対してイメージに合わせた演奏をするように指示をしている[8]。また、山口がメロディーを制作した際には、以後の作品で見られる大胆で独創性のあるサウンドを作り上げず、リスナーが曲をどう受け止めるか考えているながらも、内向的に作り上げている[4][5]。
アルバムに収録された楽曲のテンポは、すべてBPM126で構成されている。これは、ドラマーの江島啓一がまだクラブ・ミュージックをそこまで聴いていなかったことから、テンポに慣れさせるという意味と歌唱時と作曲するときにちょうどよいテンポであったという[5]。
楽曲の背景
映像外部リンク | |
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- 収録曲「あめふら」は、5人で活動をし始めた際に作られた。つまり、5人体制となったバンド初の作品である。アメリカン・ミュージックとフレンチ・ミュージックの音楽要素を混ぜ、戯けさせた遊びの強い曲だという[10]。
- 収録曲「フクロウ」は、ギターコードを作曲している間に思いついたアドリブの歌詞を使用している[11] 。
- タイトル曲「GO TO THE FUTURE』は、当時の山口の心をそのまま表した楽曲であり、元はアコースティックソングであり、3拍子の楽曲ではなかった。しかし、3拍子にすることにより、バンドアレンジが固まっている[10]。また、アコースティック版の音源は再録され、『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』内の『月の波形 〜Coupling & Unreleased works〜』に「GO TO THE FUTURE (2006 ver.)」として収録された[12][13]。
- また、同アルバムの『月の景色 〜Documentary of "GO TO THE FUTURE (2006 ver.)" & MUSIC VIDEOS〜』には、バンドの初期メンバーである山口と岩寺がバンドの経歴を振り返るドキュメンタリーと共に、本楽曲のバイノーラル音源によるアコースティック音源が収録されている[13]。
リリースとプロモーション
本アルバムは「三日月サンセット」によるプロモーションが行われた[14]。本楽曲は、千葉テレビ『MUSIC-03』オープニングテーマ、および北海道テレビ『夢チカ18』、毎日放送『mm-TV』エンディングテーマに使用された[15]。バンドは、広くバンド自身のことを宣伝するために『WHAT's IN?』や『ROCKIN'ON JAPAN』といった日本の音楽雑誌へのプロモーションを行った[16]。
2007年4月26日に開設されたアルバムのスペシャルサイトは、将来的なバンドの試みを促進するために作成された。山口による曲の解説や前述の2曲のミュージックビデオを掲載していた[8]。2007年5月11日から13日にかけて行われたレコ発ツアーでは、バンドとして初となるワンマンライブを開催。ライブは、札幌・東京・名古屋・大阪のライブハウスにて開催された[17]。
2015年3月にアルバムのアナログ盤と廉価盤、およびハイレゾ音源のデジタルオーディオが発売された。CD・LP盤には、リマスタリングが施された。元々同月に『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』をリリース予定であったが、メンバーの草刈が妊娠をし、産前休業に入ったために、アルバムの復刻版をリリースすることとなった[18]。
評価
評論家による評価
本アルバムは、複数の音楽評論家によって肯定的に評価されている。
- タワーレコードのレビュアーは「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている」と肯定的に評価している[19]。
- CDじゃーなるのウェブレビュアーは、バンドの持つポピュラー音楽のセンスとロックのセンスなどについて、肯定的に評価した[15]。
チャート成績
本アルバムは、1,500枚を初週に売り上げ、オリコンにて初週105位を記録している[20][21]。また、CDじゃーなるは、日本全国のタワーレコードの売り上げを追跡し、CDの多くが札幌で売り上げられていると発表している[22][23]。しかし、アルバムは他の日本の政令指定都市にて売り上げを伸ばすことは出来なかった[23]。
収録曲
全作詞・作曲: 山口一郎。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「三日月サンセット」 | |
2. | 「インナーワールド」 | |
3. | 「あめふら」 | |
4. | 「GO TO THE FUTURE」 | |
5. | 「フクロウ」 | |
6. | 「開花」 | |
7. | 「白波トップウォーター」 | |
8. | 「夜の東側」 | |
合計時間:
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チャート
年 | チャート | 順位 | 出典 |
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2007年 | 日本・オリコンCDシングルチャート | 105 | [20][21] |
2015年 | 55 | [20][21] |
売り上げ
集計団体 | 売り上げ/枚 | 出典 |
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オリコン | 7,000 | [21] |
発売日一覧
国/地域 | 発売/発信元 | 発売日 | 規格 | 規格品番 | 出典 |
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日本 | ビクターエンタテインメント | 2007年5月9日 | CD | VICB-60023 | [24] |
韓国 | J-Box Entertainment | 2009年3月26日 | デジタル・ダウンロード | N/A | [25] |
世界 | ビクターエンタテインメント | 2009年7月15日 | デジタル・ダウンロード ![]() |
N/A | [26][27] |
日本 | 2015年3月18日 | ロスレス圧縮デジタル・ダウンロード | VEAHD-10612 | [28] | |
2015年3月25日 | CD | VICL-64343
VIJL-60144~5
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[29] |
脚注
- ^ “GO TO THE FUTURE”. billboard japan. 2020年5月22日閲覧。
- ^ “GO TO THE FUTURE(スペシャルプライス盤)”. billboard japan. 2020年5月22日閲覧。
- ^ a b “北海道から全国区へ?新種バンド"サカナクション"”. オリコン (2007年5月22日). 2016年1月30日閲覧。
- ^ a b c d 田澤仁 (2007年5月7日). “サカナクション、デビューアルバム『GO TO THE FUTURE』インタヴュー”. BARKS. pp. 1-2. 2016年10月30日閲覧。
- ^ a b c d e 兵庫慎司. “特集 サカナクション 2007年『GO TO THE FUTURE』から2011年『Documentary』まで。山口一郎、サカナクションのアルバム5作品をすべて語る!”. RO69. ロッキング・オン. p. 1. 2016年1月30日閲覧。
- ^ “サカナクション インタビュー Artist Information”. eo音楽 (2007年). 2015年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月30日閲覧。
- ^ “SAPPORO HOT 100 vol. 717” (PDF). 札幌: FM NORTH WAVE (2006年11月24日). 2015年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月30日閲覧。
- ^ a b c “話題の北海道新種バンド、サカナクションのスペシャルサイトがOPEN!”. BARKS (2007年4月26日). 2015年2月18日閲覧。
- ^
Go to the Future (Media notes). サカナクション. 日本、東京: BabeStar Label/ビクターエンタテインメント. 2007.
{{cite AV media notes}}
: CS1メンテナンス: cite AV media (notes) のothers (カテゴリ) - ^ a b “サカナクション GO TO THE FUTURE”. ビクターエンタテインメント (2007年4月26日). 2007年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月17日閲覧。
- ^
“レクリエーション”. 10 December 2012. JFN. TOKYO FM.
{{cite episode}}
:|series=
は必須です。 (説明) - ^ “サカナクション企画盤の全収録曲判明、山口一郎の初監督PVも”. CINRA.NET (2015年7月3日). 2015年7月4日閲覧。
- ^ a b “サカナクション、バンド誕生の地をめぐるドキュメント映像のダイジェスト公開”. MUSICman-NET. Musicman (2015年8月3日). 2015年8月3日閲覧。
- ^ Madoka Suzuki (2008年). “サカナクション 音楽はアート。”. Shift Japan. 2015年2月19日閲覧。
- ^ a b “サカナクション / GO TO THE FUTURE”. CDじゃーなる. 2015年2月17日閲覧。
- ^ “Information” (Japanese). ビクターエンタテインメント (2007年). 2007年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月17日閲覧。
- ^ “北海道で人気急上昇中のバンド、サカナクション”. BARKS (2007年4月20日). 2015年2月17日閲覧。
- ^
“サカナクション初期3作品の再発、アナログ盤リリース”. 12 February 2015. JFN. TOKYO FM.
{{cite episode}}
:|series=
は必須です。 (説明) - ^ “【CD】GO TO THE FUTURE”. タワーレコード. 2015年4月21日閲覧。
- ^ a b c “GO TO THE FUTURE”. オリコン. 2014年12月13日閲覧。
- ^ a b c d “オリコンランキング情報サービス「you大樹」”. オリコン. 2015年8月31日閲覧。
- ^ “アルバム総合 - 札幌※ チャート提供:TOWER RECORDS 札幌ピヴォ店 (集計期間:2007/05/07 ~ 2007/05/13)”. CDじゃーなる. 2015年3月13日閲覧。
- ^ a b “話題のバンド サカナクション 北海道FM局オンエア第1位!!”. Hot Express (2007年5月22日). 2015年5月13日閲覧。
- ^ “【CD】GO TO THE FUTURE”. 2015年2月16日閲覧。
- ^ “Go To The Future Sakanaction” (朝鮮語). Bugs. 2015年2月17日閲覧。
- ^ “サカナクション、ライヴ音源第2弾をiTunes限定配信&アルバム世界配信”. BARKS (2009年7月3日). 2015年2月17日閲覧。
- ^ “GO TO THE FUTURE”. iTunes. Apple. 2016年2月1日閲覧。
- ^ “GO TO THE FUTURE”. オンキヨー&パイオニアイノベーションズ (2015年3月18日). 2015年3月27日閲覧。
- ^ “サカナクション、アナログ&ハイレゾ配信企画始動” (Japanese). ナタリー. ナターシャ (2015年). 2015年2月18日閲覧。
外部リンク
バンドの公式サイト
アルバムの公式サイト
歌詞掲載サイト
- 三日月サンセット - 歌ネット
- インナーワールド - 歌ネット
- あめふら - 歌ネット
- GO TO THE FUTURE - 歌ネット
- フクロウ - 歌ネット
- 開花 - 歌ネット
- 白波トップウォーター - 歌ネット
- 夜の東側 - 歌ネット
インタビュー記事
「GO TO THE FUTURE」の例文・使い方・用例・文例
- そのNGOのリーダー
- そのNGOはその地域で家庭用バイオマスダイジェスターの導入を進めている。
- 政府組織や非政府組織(NGO)から約6万5千人の人が参加した。
- この象たちは,日本のある非政府組織(NGO)の働きに対する感謝の気持ちのしるしでもある。
- そのNGOは20年にわたってタイの象の生息地で植林をしている。
- NGOが拘束された北朝鮮人の解放を要求
- 1月21日,日本,韓国,米国の非政府組織(NGO)が東京で共同記者会見を開いた。
- NGOは,中国政府が難民の人権を侵害していると抗議した。
- NGOは,女性たちが他の国にシアバターを売り,ガーナ社会における自分たちの地位を向上させることができるように女性たちを支援しています。
- ペシャワール会はおもにアフガニスタンで活動する非政府組織(NGO)だ。
- DRAGONBALL EVOLUTION
- ヤマハ発動機は先日,配送業者用の電動アシスト自転車「PAS GEAR CARGO(パス・ギア・カーゴ)」の販売を開始した。
- PAS GEAR CARGOは,特別なリヤカーを引くことができる一種の三輪車だ。
- ヤマハのPAS GEAR CARGOは三輪車とリヤカーが一体でブレーキがかかるように設計されている。
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- LIGOの研究チームが初めて彼の予言を裏づけた。
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- 大学生のとき,NGOのボランティアとしてカンボジアで難民を支援する活動を行う。
- 私は大学在学中と卒業後にNGOの一員として数年間カンボジアで活動しました。
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固有名詞の分類
サカナクションのアルバム |
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