98MATE R
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「PC-9821シリーズ」の記事における「98MATE R」の解説
PC-9821Ra20(98MATE R / 1996年5月) Pentium Pro 200 MHz : シリーズ初のATX電源内蔵機種。Pentium Pro搭載なのでこのグループはWindows NTプリインストールモデルしか存在しない。MATE Rだけではなく、以後のW型番のMATE Xの基本ともなった。同年12月に投入された2世代目では下位モデルとして180MHz版のRa18も追加された。チップセットはINTEL 440FX PC-9821RaII23(98MATE R / 1997年5月) PentiumII 233 MHz : Ra20のSlot 1版。マザーボードの設計が多少異なるためITF/BIOSに必ずしも互換性は無いものの、チップセットやオンボードデバイスなどはRa20と全く同様の構成である。ただし、CPUの変更に伴い、Windows 95搭載モデルがラインナップに加わった。以降はこれと同等のマザーボードでCPUやドライブを換装しROMを修正しただけのマイナーチェンジ程度の「新製品」が続くことになる。 Ra266(98MATE R / 1997年8月) PentiumII 266 MHz : 若干CPUクロックが引き上げられ、最上位機のRvII26と同じになった。同年10月のPC98-NX登場時にモデルチェンジされており、型番(枝番)末尾に「R」が追加されている。この後期モデル以降、Windows NT搭載モデルが無くなりMS-DOS搭載モデルが加わった。さらに1998年7月にはWindows 98搭載モデルも追加された。ただし、MATE Rは仕様上ACPIに対応しておらずWindows 98のロゴを取得することができないため、プリインストールOSに関係なく「Designed for Microsoft Windows 95」のシールが付属している。 Ra300/333(98MATE R / 1998年10月) Celeron 300A/333 MHz : 初めてCeleron(Slot 1版)が採用され、久々にCPUクロックが引き上げられた。PentiumIIからCeleronへの変更だったため性能向上幅は限定的だったが、のちに正式にPC-98をサポートするCPUアクセラレータとしては最高クロック級の製品で対象機種とされた。Ra333のみRa40登場後の1999年8月に17インチCRTセットモデルが追加されており、しばらくラインナップに残った。 Ra40(98MATE R / 1999年6月) Celeron 400 MHz : Socket 370版Celeronをソケット変換下駄を介してSlot 1に接続するようになり、CPUクロックは一気に400MHzに到達した。さらにMATE Rとしては初めてCRTセットモデルも登場するなど、PC-98を扱っていたPC情報誌ではささやかな話題となっていた。この頃までは発表時点での現行製品クラスのCPU・ドライブ類が採用されており、NECのPCラインナップ上はビジネス向け機種の柱のひとつとしてそれなりに位置付けられていた。ただし、前述のようにマザーボード自体は古い設計の流用であり、カタログスペックに比べて実性能に陰りが見えていたこともまた事実である。価格も高かったが、前述のPC誌によれば当時のエプソンダイレクトのCeleron300Aクラスの格安AT互換機と比べてもベンチマークでやや劣る程度だったという。2000年1月には後期モデルにモデルチェンジされ、枝番の「C」の部分が「D」に変わっている。 PC-9821Ra43(98MATE R / 2000年5月) Celeron 433 MHz : PC-9821シリーズデスクトップモデル最終機種。シリーズ中で最高クロックのCPUを搭載するが、前述のようにその基本はRaII23から変わっていない。また最終機種の宿命として、Ra43はシリーズの収束に特に拍車が掛かった機種でもある。それまでは常に下位機種や旧機種がラインナップに残されていたのに対し、Ra43発表後は比較的速やかにRa40が打ち切られている。一方でそのRa40と比較してもRa43は1年近く新しい割に性能向上幅はわずかであり、CPUに至っては本機の発表後まもなくIntelのページからラインナップ落ちするという有様だった。本機をもってスペック面からも他の現役製品に及ばないようになり、実質的にRa43は互換性のためだけの存在を宿命付けられた機種となった。結果的にこれが2003年のシリーズ生産終了まで残される形になった。21世紀を迎えた2001年11月には同梱CRTの変更に伴い、CRT付属モデルでのみモデルチェンジが行われている。これは型番(枝番)末尾の数字部分に「1」を追加するという、奇しくもPC-9801全盛期にしばしば見られたマイナーチェンジ時のネーミングと同じものになった。
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