低コストMATE VALUE STARとハイエンドMATE R
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 14:49 UTC 版)
「PC-9821シリーズ」の記事における「低コストMATE VALUE STARとハイエンドMATE R」の解説
Windows 95の発売を控えた1995年(平成7年)にはXaシリーズへの統一化がなされたが、廉価版のXa7e(Xa7の拡張スロットを削減し、グラフィックアクセラレータをCirrus Logicのものに変更した機種)とXe10にCRTセットモデルが登場する。これは同年11月の日本語版Windows 95の登場とともに、PC-9821 Xaシリーズをベースに低価格化してCRTモニタをセットにしたMATE VALUESTAR(バリュースター)シリーズの登場へと発展した。同時に、廉価版の位置づけで残っていたPC-9801シリーズ(FELLOW)は販売ラインから駆逐された。なお、PC-9801シリーズのデスクトップ型最終モデルとなったPC-9801BX4(DX2版は1995年(平成7年)7月/ODP版は9月)はPC-9821Xe10(1995年(平成7年)6月)と共通部品を使用しMS-DOS上で640×480ドット256色表示可能であるなど、実質はPC-9821シリーズであった。 これに遅れること約半年、1996年(平成8年)6月に98MATE Rシリーズの1番機となるPC-9821Ra20/N12が発表された。 従来ハイエンド機であるタワー型モデルの98PROことPC-9821St15・20にのみ搭載されていたPentium ProをCPUとして搭載し、PC/AT互換機市場で新機軸として打ち出された、ソフトウェアによる電源管理を可能とするATX規格を可能な限り取り込んだこのマシンは、MATE RだけではなくMATE Xを含め以後PC-9800シリーズそのものの終焉まで使用されることとなる新設計のデスクトップ筐体が採用された。この新筐体は リセットスイッチの廃止 電源スイッチのソフトウェア制御化 増設フロッピーディスクドライブの横並びでの追加搭載 筐体の平面寸法の拡大(380mm(W)×390mm(D)→400mm(W)×410mm(D)) 2本のPCIスロット、3本のCバススロット、それに1本の専用グラフィック用スロット(形状はPCIだが、一部の信号線を除きPCIスロットとの互換性はない)と専用サウンドボードスロットを搭載 といった特徴を備え、Windows 95以降のOS側での電源制御を睨みつつ、ハードウェア構成の柔軟な変更に配慮したデザインとなった。また、この機種ではマザーボード上のオンボードデバイスの構成も見直され、この時期のPCとしては珍しく、100Base-TX対応のi82557ネットワークインターフェイスコントローラが標準搭載とされている。 このPC-9821Ra20/N12はPentium Pro搭載であったため、OSとしてWindows NT Workstation 3.51がプリインストールされ、主として法人向けのネットワーククライアントマシンとしての使途を想定されていたが、実際には価格が従来のPentium Pro搭載機の半分以下であった ためにこの機種は高速かつ廉価なWindows NTマシンを求める一部の個人ユーザー層の強い支持を受け、一時は予想外のヒットを飛ばす結果となった。 後に、ValueStarシリーズはCanBeシリーズのコンセプトを取り込み、広告に竹中直人を起用して家庭向けに、MATE Rシリーズは共通筐体にモデルチェンジした下位機種であるMATE Xシリーズ(/W型番以降)とともにビジネス向けを指向することとなる。
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