2代目 XP17#G型(2015年 - 2022年予定)
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「トヨタ・シエンタ」の記事における「2代目 XP17#G型(2015年 - 2022年予定)」の解説
約12年ぶりにフルモデルチェンジを実施した2代目は、「ユニバーサルでクールなトヨタ最小ミニバン」として開発が行われた。 エクステリアは、「ミニバン=四角いハコ型」というこれまでの概念を打ち破り、「Active & Fun」をキーワードに「トレッキングシューズ」をイメージした機能性と動感を表現。サイドビューは、シアターレイアウト(後席にいくほど高くなる乗員配置)に沿ったサイドシルエットやベルトラインによりキャビン全体を前傾に見せる手法を採った。また、フロントはヘッドランプからフォグランプ・グリルへと一筆書きのようにつながるバンパーガーニッシュを採用し特徴的な表情を創出。リヤにもコンビネーションランプとバンパープロテクターを融合させたバンパーガーニッシュを採用した。 ボディサイズは、先代モデルに対して全長は135 mm、ホイールベースは50 mm延長され、全高は2WD車が5 mm、4WD車が15 mm高くなった。一方、全幅は1,695 mmと変わらず5ナンバー枠内のサイズを維持した。 インテリアは、インストルメントパネルはアッパー部とロア部で構成され、ロア部にはスイッチなどの操作系を腕の動きに沿って配置。オレンジのアクセントカラーやサテンメッキ・ピアノブラックの加飾を施し、助手席アッパーボックスにもオレンジ加飾を施した。 ハイブリッドバッテリーをセカンドシート足元の下、薄型燃料タンクをセカンドシート下に搭載することで低床フラットフロアを実現。スライドドアの乗り込み高さを330 mm(2WD車)と先代モデル比で55 mm低くし、ドア実開口幅も50 mm拡大した665 mmとして乗降性を高めた。また、座席のヒップポイントを後席に行くほど高くしたレイアウトとした。セカンドシートはニークリアランスを25 mm拡大して足元のゆとりを確保。サードシートはシート幅を70 mm拡大した幅広のベンチ風シートを採用。セカンドシートにはワンタッチで折りたためるタンブル機構を、またサードシートは、セカンドシート下に格納できるダイブイン格納機構を備え、多様なシートアレンジや大容量ラゲージスペースを創出できる。 パワートレインにはモデル初となるハイブリッド車を新設定した。同社のコンパクトハイブリッドカー「アクア」に搭載されていた1.5 Lハイブリッドシステム(リダクション機構付THS-II)をベースに、直列4気筒DOHCの1.5 Lエンジン「1NZ-FXE」型とモーターには新形式の「2LM」型を採用した。システム最高出力は73 kW(100 PS)を発生する。トランスミッションは電気式無段変速機を組み合わせ、駆動方式は2WD(前輪駆動)のみの設定。2015年7月の発売時点ではミニバントップレベルのJC08モード燃費27.2 km/Lを実現。2018年9月のマイナーチェンジでは、細部の改良によりさらに燃費が改善された。 ノンハイブリッド仕様車は(2WD車のみ)新規開発のガソリンエンジンである「2NR-FKE」型を採用した。こちらは同年3月から既存の2代目カローラアクシオ/3代目カローラフィールダーより先行搭載されていたもので、アトキンソンサイクル、クールドEGR、VVT-iEなどを採用し、アイドリングストップ機能「Stop & Start System」を標準装備したことでJC08モード燃費は、先代モデルの19.0 km/Lから、20.6 km/L(X"Vパッケージ" 。X、Gは20.2 km/L)に向上した。なお、最高出力/最大トルクは、先代モデルが搭載していた「1NZ-FE」型に対し1 kW(1 PS)/5 N・m(0.5 kgf・m)低下し、80 kW(109 PS)/136 N・m(13.9 kgf・m)を発生する。一方、4WD車は、先代モデルに引き続き「1NZ-FE」型を継続搭載。先代モデルとの比較で、最高出力は1 kW(2nPS)、最大トルクは6 N・m(0.6 kgf・m)低下し76 kW(103 PS)/132 N・m(13.5 kgf・m)を発生。4WD車は「Stop & Start System」は未設定なものの、JC08モード燃費は先代モデル比1.4 km/L向上し15.4 km/Lとなった。 サスペンション形式は前後共に先代モデルと同じ形式を採用した。フロントはマクファーソンストラット式、リヤは2WD車がトーションビーム式、4WD車にダブルウィッシュボーン式を採用。また、リヤブレーキはリーディングトレーリング式ドラムからディスク式に変更となった。また、ホイールボルトが先代の4本から5本(PCD100 mm)へと変更されている。 安全性能では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を全車にメーカーオプション設定。プリクラッシュセーフティ(レーサーレーダー+単眼カメラ方式)、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの3つ機能で構成される。なお、2018年9月のマイナーチェンジでは、プリクラッシュセーフティに昼間での歩行者検知機能を加えたほか、インテリジェントクリアランスソナーを設定する等の改良が実施されている。 ガソリン車には、先代同様ウェルキャブ(福祉車両)を設定。2代目では、車いすのままスロープを乗降できる「車いす仕様車(タイプI)"助手席側セカンドシート付"」が「型式指定自動車」として設定。持ち込み登録の手間が省かれ、納車までの期間が短縮されるメリットがある。リクライニング機構付車いすなど、多様な車いすの乗車に対応したほか、後輪にエアサスペンションを採用した車高降下機構により9.5度の緩やかなスロープ角度を実現した。助手席側のセカンドシートを倒して車いすごと乗り込み、その隣に介助ができるほか、手動スロープ前倒れ機能の採用により、普段はラゲッジスペースを確保した2列/5人乗りの“普通のクルマ”として利用できる。 ハイブリッド車をタクシーとして採用している事業者もある。 また、先代に設定されていた、「DICE」はモデルチェンジを機に廃止となった。
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