麒麟丸一派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:30 UTC 版)
麒麟丸(きりんまる) 声 - 細谷佳正 「獣王」と呼ばれ東の地を支配する大妖怪。別名「東雲の麒麟丸」。外見は麒麟の頭蓋骨のような仮面を付けた侍姿の青年だが、半化けすると左角が欠けた双角が表れる。 世界中を旅してきており、海洋に浮かぶ鉄甲船を拠点としている。 時代樹によると、殺生丸が犬の大将の跡を継がなかったことを好機として、時空を歪め、この世を無に帰そうと企んでいるとされているが、冥加からは「そのようなことをするお方ではない」と評されている。一方で渾沌曰く麒麟丸には「深い考えがある」らしく、夢の胡蝶もその一環であるとされている。 基本的に高圧的だが礼節を弁え落ち着いた物腰の人物。その強大な力故の強い自尊心を持ち合わせており、激情家な一面を見せることがある。 戦いにおいては、相手が負傷などの理由で弱体化していない状態で正々堂々と戦うことを信念としており、相手の弱みに漬け込んだりする窮奇や渾沌の手法を「姑息な手段で勝っても、虚しさが残るだけだ」として否定的な態度を示している。 渡来して間もない600年前に犬の大将と戦うも敗北し、左角と右腕を切り落とされている。その時切られた角を使って理玖を生み出し、慢心から来た敗北への怒りと屈辱の戒めとした。理玖とは知覚を共有しており、彼を通してとわ達や是露の様子を把握している。さらに現代にいる希林とも知覚を共有するかのような描写がある。 500年前には犬の大将と協力して妖霊星の破片を破壊している。 永い休眠状態についていたが、14年前に是露によって目覚めさせられ、殺生丸と犬夜叉が半妖・四半妖の子を持ったことを聞かされる。かつて四魂の玉から「麒麟丸を滅ぼすのは、時空を越えてやってくる、人間でも妖怪でもない存在である」という予言されており、それがとわ達なのではと考えているものの、力量不足もあって当初は歯牙にもかけておらず積極的に襲うことはしなかった。しかし二度の対峙によって「牙の生え揃えていない子犬」と評価しながらも、自分に傷を負わせたとわ達を認めていくようになる。 もろはの霊力について指摘し、とわの蒼龍破に「双頭の蒼龍破」と名付けるなど、その成長を期待するかのような発言もしている。 後編では戻ってきた犬夜叉とも戦っているが、風の傷はおろか金剛槍破や爆流波さえ軽く弾き飛ばしていた。爆星剣(ばくせいけん) 麒麟丸が所有している太刀。爆砕牙に匹敵する二剣の一つ。 太古の時代に斬星剣と共に天津甕星(あまつみかぼし)によってもたらされたとされている。 是露(ぜろ) 声 - 坂本真綾 麒麟丸の姉。りおんの伯母。蝶をあしらった打掛を着た美女の姿をしている。 虹色真珠を生み出し、生後間もないとわとせつなの命を狙うなど一連の出来事の原因となる。 かつては麒麟丸の世話を焼き、りおんを気遣う穏やかな一面を見せていたが、200年前に強い恋慕の情を寄せていた犬の大将が非業の死を遂げたことから「妖力、心、涙は要らない」と四魂の玉に願い、悲しみの涙と共にそれらを虹色真珠として切り離し冷酷な性格と化す。以降は妖気のない「妖怪でないもの」となる。妖力がない代わりに妖力を帯びた杖や呪詛などを多用する。 「半妖は遍く災いの元凶」としており、とわ達を狙うのも麒麟丸を守るためとしているが、実際は犬の大将への想いに起因する半妖やその人間の親への嫉妬を含んだ憎しみが元になっている。それ故に犬の大将の血を引き継いだ半妖を特に嫌っており、殺生丸と犬夜叉が半妖の子を成したことから四魂の玉の予言にある「麒麟丸を倒す者」がとわ達だと考え、休眠していた麒麟丸を目覚めさせを抹殺するよう提言。りんに呪いをかけた上、「縁」を繋げて殺生丸が自身に手出しできないようにする。4年を経て夢開きの術でとわ達の所在を把握し、とわとせつなを抹殺するために焔に森を焼却させた。 とわ達との戦いにおいて、せつなの血刀によって命を落とすが駆けつけた殺生丸の天生牙によって蘇る。犬の大将の牙で甦らされたことに逆上して天生牙を折り、さらに麒麟丸に任せていたとわ達の始末を虹色真珠に分離させた妖力を用いて自ら行おうとする。しかし一連の所業を麒麟丸に諌言された上、虹色真珠を分散させられたことから弟と完全に袂を分かつことになった。 とわ達と麒麟丸の戦いが一段落ついた後、麒麟丸と決別した理玖に、彼の見聞きした情報が麒麟丸に筒抜けになっていることを告げた上で絶縁を言い渡す。その後、産霊山に幽閉されていた所をとわ達に解放されたりおんと鏡越しに対面するが、彼女からとわが吸妖魂の根(斬星剣)を手に入れたことを聞いて警戒心を強め、とわを抹殺する計画に着手する。 人間に成りすます時は市女笠を携え「お露(おつゆ)」と名乗っている。あずさのゆみはり 是露が操る土蜘蛛の糸。相手の拘束や移動にも使われている。 縁(えにし) 任意の者と縁を繋げることで是露の意のままに操るだけでなく、その生死も是露と共有することになる。 銀鱗の呪詛(ぎんりんのじゅそ) 徐々に身体中が銀の鱗に覆われていき生きながら死に至る呪い。 呪いを解くには是露自身が死ぬか是露が解くしか方法がないが、時を止めるなどで進行を遅らせることはできる。 りおん 声 - 藤田咲 麒麟丸の娘。是露の姪。見た目は小鹿のような耳を持つ水干姿の少女だが、600年前に半妖である逆叉(さかさ)の手によって殺害されている。理玖からは「りおんお嬢様」と呼ばれている。 成仏したいというりおんの願いに反し、娘の死を認めない麒麟丸によって約600年もの間その幽体を骨と墓土で出来た魂の器に閉じ込められ、産霊山に封印されていた。封印後は夢の胡蝶によって麒麟丸と夢の中で無理矢理再会させられており、自身を拘束し、戦国の世界を消失させかねない麒麟丸の横暴に強い反感を持っている。 吸妖魂の根から作り上げた斬星剣をとわに授け、麒麟丸討伐を託す。夢の胡蝶をせつなに切られたことで産霊山からは解放されたものの、未だ麒麟丸との縁が切れていないことから成仏することができず、魂の器で仮初めの身体を作り出しとわ達と旅立つこととなった。 産霊山を降りた際に理玖と再会し、麒麟丸との縁が斬れていないことを知った彼の計らいで一度はとわ達と別行動を取り、伯母である是露の元を訪ねるが、とわが斬星剣を手に入れたことを知った是露からとわ抹殺を宣告され、理玖と共に再び彼女と合流する。
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