鹽分とは? わかりやすく解説

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えん‐ぶん【塩分】

読み方:えんぶん

物の中に含まれている食塩の量。しおけ。

海水中に溶けている塩類の量。ふつう海水1キログラム中のグラム数(パーミル)で表す。平均海水で約35パーミル陸水中で塩類の量は、1キログラム中のミリグラム数(mg/l)で表す。


塩分(えんぶん)salinity

海水1kg中に含まれている固形物質の全量グラム表したものを塩分という。ただし全ての炭酸塩酸化物にかえ、臭素よう素はすべて塩素置き換え有機物は完全に酸化するものとする。しかしこの測定容易でないので、海水イオン組成が場所によらず一定であることを利用して通常塩素量あるいは海水電気伝導度測定して換算する。塩分の単位千分率(パーミル)であるが、電気伝導度から求めた場合には実用塩分単位(psu)を用いる。

塩分

トマトジュース野菜ジュースには、野菜のもつ独自の青臭さやわらげ飲みやすくするために、少量の塩を加えることがあります。「生活習慣病予防減塩工夫を」と、食塩一日10グラム程度控えるように言われていますが、トマトジュース野菜ジュースの塩分は多いとは言えない量です。一日の食事全体での塩分の摂り過ぎへの配慮が必要でしょう野菜ジュースには無塩のものもありますので、塩分を気付かっている人にはお勧めです。

塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 05:24 UTC 版)

塩分(えんぶん)は、

  1. ものに含まれる(しお)[1]: salt)、あるいはその[2]
    • 調理では「塩」「塩分」「塩分濃度」は使い分けられることがある[3]:
      • 塩: 調味料の一種としての食塩
      • 塩分(量)=「食品の総量(100gとは限らない)」中の「塩の量」(単位:質量[4]
      • 塩分濃度=「食品の単位量中の塩の量」÷「食品の単位量(100g等)」(単位:比率、あるいは濃度
    • 食品分野で「塩分」は、話す人によって意味が異なる曖昧なことばである。特にカリウムは生理学的にナトリウムと全く違う挙動をするので、以下のどれを意味しているのか正確に理解する必要がある:
      • 調味料としての食塩(主成分は塩化ナトリウム)成分
      • 栄養学上の「ナトリウム」(塩化ナトリウム以外のナトリウムも該当するが、カリウム塩は該当しない。: sodium)だけ
      • 生理学上の塩分(ナトリウムだけでなくカリウム等も該当する[5]。ただし食品の場合、これらの成分は塩基ではなくて「栄養学上のミネラル」である)
    • 栄養学関連: 日本人の食事摂取基準[6]日本食品標準成分表[7]食品表示基準[8]、いずれにも「塩分」という項目はない。(関連する項目名として存在するのは、「カリウム」、「ナトリウム」、「食塩相当量[6][7][8])。
      • 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会は、「塩分」ということばに「食塩だけ(塩化ナトリウム以外の物質は該当しない)」という意味はないから「ナトリウム」、「食塩」、「食塩相当量」と同じ意味で使うのは誤用である、としていた[9]。これは「塩分」の意味として化学用語での定義だけを認めるという立場である。
      • 食品表示基準では、食品の製造販売業者が商品説明に「塩分」ということばを使うこと自体への禁止等はしていない。しかし使った場合には、ナトリウム塩のことであるとみなす規制をしている[8]
  2. 化学)ものに含まれる塩 (化学)(えん)あるいは塩類(えんるい)の分量[10]: salts)、または濃度[10][2]: salinity)。
    • 生理学では、塩(えん)ではなく塩基をさす場合がある[5]。また、ナトリウムだけではなくカリウム、その他も該当する[5]
    • 海洋学では、水に含まれる固形物質の濃度[11][12]: salinity)。「塩分濃度」ともいう[13]が、「『分』は『濃度』を意味するからこれは誤った呼称」という主旨の主張もある[12]。単位量以外の水中に含まれる塩の総量は「塩総量」[14]等とよぶ。
  3. 建設)ものに含まれる塩素化合物(塩化物)または塩化物イオンのこと[15]: chlorides[16])、あるいはその濃度[17]。コンクリートや金属を腐食する要因とみなされる。
    • 複雑な話題では「塩分」「塩分量」「塩分濃度」は使い分けられることがある[18]

もの自体か、量か、濃度か、は話す人により異なる。「塩分量」・「塩分含有量」とすれば量のことに、「塩分濃度」・「塩濃度」とすれば濃度のことになる。

関連項目

出典

  1. ^ 「塩分(1)」(出典:三省堂 大辞林 第三版)”. weblio辞典. 2020年7月16日閲覧。
  2. ^ a b 「塩分」(出典:デジタル大辞泉(小学館))”. goo辞書. 2020年7月16日閲覧。
  3. ^ 用例: 基本調味料の塩分濃度”. 日本調理アカデミー. 2020年7月16日閲覧。 総重量800gの炊き合わせで塩分濃度1%とするには塩分量8g、ゆえに使うべき醤油の量は48g という計算例。
  4. ^ 用例: 減塩のコツと塩分の多い食品・料理” (pdf). 日本高血圧学会. p. 2. 2020年7月16日閲覧。
  5. ^ a b c 用例(ただし一般向けの平易なことばの記事であって学術文献ではない): 當瀬, 規嗣 (2012年6月18日). “真健康論:第27回 水と塩で脱水防止”. 札幌医科大学. 2020年7月16日閲覧。「塩分」とその「濃さ」は使い分けており、「塩分」に濃度の意味は持たせていない。
  6. ^ a b ○食事による栄養摂取量の基準 (平成二十七年三月三十一日) (厚生労働省告示第百九十九号)”. 厚生労働省 法令等データベースサービス -法令検索- (2015年7月18日). 2020年7月18日閲覧。
  7. ^ a b 食品成分データベース – 食品成分値の条件を指定して検索”. 文部科学省. pp. 「成分」欄参照. 2020年7月16日閲覧。
  8. ^ a b c 食品表示法に基づく 栄養成分表示のための ガイドライン” (pdf). 消費者庁 (2018年). 2020年7月16日閲覧。
  9. ^ 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(全文)” (pdf). 厚生労働省. p. 249 (2014年3月28日). 2020年7月16日閲覧。 なお、正誤表等も含む報告全体のホームページは[1]
  10. ^ a b "塩分". 岩波理化学辞典 (第3版増補版 ed.). 岩波書店. 1981. p. 179. 本書に「塩類」「分量」「固形無機物」の定義はない。
  11. ^ 国立天文台, ed. (2001). "日本近海の水温・塩分・音速の鉛直分布". 理科年表. Vol. 第75冊 平成14年度 2002年度版. 東京: 丸善. p. 地56(636). ISBN 4-621-04927-5
  12. ^ a b 磯辺, 篤彦. “地球惑星科学特別講義III/IV(海洋物理学)2. 海水の物性と水塊分布”. 九州大学. 2020年7月16日閲覧。
  13. ^ 用例: 日本海洋学会: “海洋観測ガイドライン” (pdf). 日本海洋学会. pp. 471,478 (2016年12月). 2020年7月16日閲覧。 p478は「塩分濃度」と「塩分」を使い分けている。
  14. ^ 用例: tnagai. “環境システム科学演習”. 東京海洋大学. 2020年7月16日閲覧。
  15. ^ (1)塩害とは”. コンクリートメンテナンス協会. 2020年7月18日閲覧。
  16. ^ 用例: Chlorides and concrete.” (英語). The Concrete Society (UK). 2020年7月21日閲覧。
  17. ^ 用例: 佃有射, 加藤碩, 丸屋剛, 山路徹「ステンレス鋼材の腐食発生限界塩化物イオン濃度に関する実験的検討」『コンクリート工学年次論文集』第30巻第1号、日本コンクリート工学協会、2008年、1119-1124頁、ISSN 13477560NAID 110009697584  「塩分」「塩分濃度」いずれも濃度の意味で使用。
  18. ^ 用例: 岸谷, 孝一「6. 海砂中の塩分が鉄筋に及ぼす影響と防錆対策」(pdf)『コンクリートジャーナル』第12巻第10号、日本コンクリート工学会、1974年、30-41頁、doi:10.14826/coj1963.12.10_30  p36「(1)塩分の除去」:ここでは濃度ではなく、塩化物自体。ただしp36「(i)塩分」では砂中の濃度の意味。p36「(iii)塩分量」:砂中の濃度。p34「塩分濃度」:溶液中の濃度。

塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:13 UTC 版)

梅干し」の記事における「塩分」の解説

五訂日本食品標準成分表によれば、塩分は梅干が22.1%、調味梅干が7.6%となっている。調味梅干戦後製造始まり世代によって食べ慣れた梅干し異なる。 なお、塩分が低すぎると保存性悪くなりカビ発生の原因になる。

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塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 09:39 UTC 版)

深海」の記事における「塩分」の解説

塩分濃度緯度によって異なっており、表層近くでは3.3 - 3.7%といくぶん開きがあるが、深度深くなる緯度に関係なく3.5%前後一定値に近づいていく。北と南の回帰線付近がもっと塩分濃度高く高緯度では薄くなり、特に北極では3.3%を下回るまで薄くなる赤道付近では3.5%付近となる。水深300 - 1,000メートル付近塩分濃度急激に変化する塩分躍層英語版)がある。

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塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 18:40 UTC 版)

ちりめんじゃこ」の記事における「塩分」の解説

1980年代までは、日持ちがする塩分の高い(塩辛い)物が好まれたが、最近は健康への関心の高まりから減塩された製品多くなっている。

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塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 15:36 UTC 版)

死海」の記事における「塩分」の解説

海水塩分濃度が約3%であるのに対し死海湖水30程度塩分濃度有する。1リットルあたりの塩分量は230gから270gで、湖底では428gである。高い塩分濃度のために湖水比重浮力大きくなり、人が死海入っても沈むことが極めて困難で、「湖面浮かんで本が読める」湖として知られる(ただし、慌ててもがくなどして大量飲んで溺死することはある)。また後述の例を除き生命活動には不向きな環境であるため、湧水発生する1か所を除き魚類などの生存確認されていない死海という名称の由来もここにある。しかし、緑藻類ドナリエラDunaliella salina)や古細菌類の高度好塩菌存在確認されている。 死海からは流れ出す川がなく、比較高温乾燥した気候年間通じて大量蒸発するために塩分濃度高くなっている。また内陸巨大湖の特徴として、周囲土壌含まれていた塩分がによって溶け出し下流の湖で濃縮される形となった結果塩湖形成されたと考えられている。さらに、ヨルダン川および主に周囲から涌き出る温泉から塩分が供給されているとも考えられている。 死海塩化ナトリウム以外の塩分も多量に含んでおり、苦味が強い。にがりの主成分である塩化マグネシウム多く含んでいるため、『世界の果てまでイッテQ!』企画死海による豆腐作りが行われたこともある。 2005年行われた愛・地球博では、長久手会場内のヨルダン館に死海運び込まれ水面に浮く体験(「沈黙浮遊」)をすることができた。

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塩分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 07:09 UTC 版)

海水」の記事における「塩分」の解説

上述通り海水3.5%程度の塩分を含む。これは、地球形成され、海が形成され当時海水酸性であり、それにより地殻を溶かし、アルカリ金属アルカリ土類金属によって中和した事による。ただ、海水中性になって以降僅かながら地殻を溶かし続けており、これにより塩分濃度徐々に上昇続けている。しかし氷河時代による極地氷冠成長融解メルトダウン多少の上下がある。 海洋の塩分は地球上観測所により3.1%から3.8%のばらつきがあり、海洋において一様ではない。とくに河口氷河崩落する地域では汽水化されている。最も塩分が高い外洋紅海であり、海水蒸発量多さ降水少なさ河川流入地形により海水攪拌少ないことなどが影響している。 なお、塩湖においては海水よりもさらに塩分が高い場合がある。最も高いのは死海であり、塩分濃度は約30%である。これら塩湖は、河川から淡水流入するものの、蒸発激しく流出する河川が無い事によって成立している。河川淡水僅かながら塩分を含んでいるため、水分蒸発により塩分が濃縮されのである河川による水の流入はあっても流出がないという意味では、塩湖は海と同じである。

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塩分

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 08:19 UTC 版)

名詞

えんぶん

  1. もののなかに含まれる塩のこと。

関連語


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