隠世とは? わかりやすく解説

常世

(隠世 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 12:43 UTC 版)

常世(とこよ)、かくりよ(隠世、幽世)とは、永久に変わらない神域死後世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。「永久」を意味し、古くは「常夜」とも表記した。日本神話古神道神道の重要な二律する世界観の一方であり、対義語として「現世(うつしよ)」がある。

概要

「常夜」と記した場合は、常に夜の世界であり、常夜という表記の意味から、死者の国や黄泉の国とも同一視される場合もある。ただし、折口信夫の論文『妣が国へ・常世へ』(1920年に発表)以降、特に「常世」と言った場合、海の彼方・または海中にあるとされる理想郷であり、マレビトの来訪によって富や知識、や長寿や不老不死がもたらされる『異郷』であると定義されている。

古神道などでは、神籬(ひもろぎ)・磐座(いわくら)などの「様相」の変わる山海や森林河川や大木・巨岩の先にある現実世界と異なる世界や神域をいう。

日本神話

古事記』や『日本書紀』1書第6によると、大国主神とともに国造りを行なった少名毘古那神は国造りを終えた後に海の彼方にある常世の国に行ったという記述がある。

万葉集』では、浦島太郎が行った竜宮城も常世と記され、現実の世界とは時間の流れが著しく違う。このことから不老不死の楽園を表すとされる。

『日本書紀』の天照大神から倭姫命への神託では、伊勢を常世の浪の重浪の帰する国(「常世之浪重浪歸國」)とある。

古神道・結界と禁足地

古神道の依り代とされる巨石・霊石や神木鎮守の森などは、の依り代であると同時に、神籬の「籬」は「」であり磐座は「磐境」ともいい、それぞれ「端境」を示している。

その境界の先は神域と考えられ、常世のことであり、沖ノ島などは(やしろ)や鎮守の森だけでなく、全体が神域となっていて禁足地である。鎮守の森や神社の広葉常緑樹の垣は、その常世との端境であると同時に結界でもあり、現世と常世の様々なものが簡単に行き来し、禍や厄災を招かないようにしていて、禁足地になっている場所も多い。

集落に繋がる道のに、石造の道祖神地蔵があるのは、道すがらや旅の安全の祈願祈念だけでなく、常世との端境にある結界の意味を持つ。

常夜という意味から、夕刻などのの端境も常世と繋がると考えられ、「逢う魔時」といわれ、深夜なども深い静寂な夜は、常世と重なることから、現実には存在しない怪異のものが現れる時刻を、「丑三つ時」と呼び恐れた。

琉球神話

琉球神話には、これと類似する異界概念としてニライカナイがある。

和歌

紫式部 著『源氏物語

第12帖「須磨
  • 心から常世を捨てて鳴く雁を雲のよそにも思ひけるかな
  • 常世出でて旅の空なるかりがねも列に遅れぬほどぞなぐさむ
  • あかりなくにかりの常世を立ち別れ花の都に道やまどはむ
第41帖「
  • なくなくも帰りにしかな仮の世はいづこもつひの常世ならぬに

その他

関連項目


隠世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 18:48 UTC 版)

とある魔術の禁書目録の用語」の記事における「隠世」の解説

真のグレムリン」に参加する魔神」達が拠点とする「位相」。オティヌスによって全ての位相破壊された後に残った暗闇世界」のさらにもう1枚奥、存在しない数字埋め尽くされ座標存在する薄皮のように均一一つ綻びもなく、「魔神」以外には何人にも把握されず、何人にも破壊できないとされる髪の毛1本分隙間無限に広がっており、距離や時間の概念関係ない。しかし、アレイスターが座標10進法変換する事に成功し、オティヌス包囲網後で突入破壊した

※この「隠世」の解説は、「とある魔術の禁書目録の用語」の解説の一部です。
「隠世」を含む「とある魔術の禁書目録の用語」の記事については、「とある魔術の禁書目録の用語」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「隠世」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「隠世」の関連用語

隠世のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



隠世のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの常世 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのとある魔術の禁書目録の用語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS