隠れ高速とは? わかりやすく解説

隠れ高速

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 03:45 UTC 版)

高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の記事における「隠れ高速」の解説

高速自動車国道闇雲に建設できるわけではなく1966年昭和41年)に国土開発幹線自動車道建設法で制定され路線網7,600 km根拠求め必要がある。この路線網記載ない場合は、高速自動車国道として建設することはできない。つまり、地方高速道路欲しさに有力政治家に働きかけても、法律の壁に阻まれ建設することは不可能である。7,600 kmとは、採算見合う限度一杯路線網として、これ以上高速道路建設歯止めをかける意味をもっており、採算度外視した高速道路誘致を図る政治家寄せ付けないためのものでもあった。 しかし、地方高速自動車国道切望し法律の壁を縫って規格道路誘致する方法画策した。金丸信などは選挙地盤山梨県将来高速道路誘致するために「高速道路らしき国道」すなわち国道バイパス建設する手法駆使した宮崎県延岡市場合は、日本道路公団と太いパイプでつながる早生隆彦を市長据えて打開策練った。そして建設省道路局長と掛け合った結果一般有料道路造ってはどうかと提案された。高速自動車国道法律根拠なければ建設できないが、一般有料道路ならば公団建設省申請するだけでよく、高速道路らしき道路造り続けていけば、やがては高速道路網組み込まれる可能性がある。折しもこの提案もたれた1980年代は、7,600 km計画され国土開発幹線自動車道網が1985年昭和60年)ごろには拡充されるという話が出回りはじめ、東九州への高速道路誘致目指す地元代議士早生らの陳情タイミングはこれと機を一にするものでもあった。そうした道路局長の提案早生受け入れ延長3.7 km一般有料道路延岡南道路」の建設へと至った。これが将来高速自動車国道格上げ可能性がある道路ということで、公団この手一般有料道路を「隠れ高速」と呼んだこのように昭和50年代計画され日本道路公団一般有料道路とは、将来高速道路網7,600 km拡大されることを見越して造られたものであった東九州において採用されこの手法は、道路族の有力政治家好んで駆使することとなり、結果全国短距離一般有料道路次々と建設されることになった地元民にとっては高速自動車国道一般有料道路違い分からず同じに見えることで、政治家一般有料道路誘致すれば、それは地元民対す有効なアピールとなった。 こうして瞬く間全国展開され一般有料道路だが、その路線延長各々短すぎてネットワーク形成していないことに加え需要予測甘かったことから採算性極めて悪い結果を招くことになった日本道路公団財政投融資建設資金源求め通行料金返済する公団方式採用することから、早期採算性向上が見込めない一般有料道路建設即座に公団経営圧迫した公団の首が借金回らないと見るや国は、採算性の悪い一般有料道路建設のために利子補給国税投入)を行なうことでさらなる不採算路線建設へと公団の尻を叩いた。 やがて1987年昭和62年9月国土開発幹線自動車道建設法の一部改正により、高規格幹線道路網が7,600 kmから14,000 km拡充されることになった。このとき追加された6,400 kmのうち、従来国土開発幹線自動車道7,600 km仲間入りしたのは3,920 kmで、これについては原則的に日本道路公団高速自動車国道として整備することとされたが、国土開発幹線自動車道並行して自動車専用道路整備されている区間では、その自動車専用道路当面活用することとされた。その自動車専用道路、すなわち全国散らばって計画され19か所の隠れ高速こと一般有料道路は、今回追加の3,920 km国土開発幹線自動車道網に全て活用される至った。こうしてかつて建設省道路局長が提案した通り先行開通した一般有料道路高速道路網一部となったかくして一般有料道路高速自動車国道への入場券役割を果たすことになった。のちに「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」とされた道路とは、この隠れ高速が幾つか含まれている。その例として、隼人道路延岡南道路伊勢湾岸道路挙げることが出来る。

※この「隠れ高速」の解説は、「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の解説の一部です。
「隠れ高速」を含む「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の記事については、「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の概要を参照ください。

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