陸奥国骨寺村絵図とは? わかりやすく解説

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陸奥国骨寺村絵図

主名称: 陸奥国骨寺村絵図
指定番号 154
枝番 02
指定年月日 1995.06.15(平成7.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 古文書
ト書 紙背 中尊寺与骨寺村差図
員数 2幅
時代区分 鎌倉南北朝
年代
検索年代
解説文:  岩手県平泉町中尊寺伝来した古文書で、中世東北における代表的な寺院文書である。天治三年一一二六)三月廿五日藤原清衡ふじわらきよひら中尊寺経蔵別当補任状案【きようぞうべつとうしきぶにんじようあん】以下、平安から安土桃山時代まで六八通を存するその内訳は宝永三年一七〇六)九月仙台藩主伊達吉村点検修理文書目録に明らかで、うち一六通は光堂金色堂)の別当寺である金色院が、また五二通は経蔵別当寺である大長寿院所蔵している。
 金色院文書光堂所領学頭職の関係文書などで、このうち正慶元年一三三二十月三日権少僧都沙弥連署問状は、鎌倉時代末期中尊寺荒廃状況とその原因十一か条にわたり縷々述べており、奥州藤原氏滅亡後中尊寺衰退ぶりを具体的に示して注目されるまた、鎌倉殿代官として中尊寺臨んだ奥州惣奉行おうしゆうそうぶぎよう】の後裔葛西【かさい】氏の動向を知る上で不可欠な史料もみえている。
 大長寿院文書には、経蔵初代別当である光の保延六年(一一四〇三月廿八日譲状案を始めとして、幸圓・永榮・朝賢・行盛等の経蔵別当による譲状平安時代後期から南北朝時代にかけて多く残されており、経蔵別当職に関わる相伝具体相を伝えている。また、経蔵別当領である磐井郡【いわいぐん】骨寺村に関する文保二年(一三一八三月日経領骨寺村所出物日記や骨寺村在家【ざいけ】日記などの文書群は、東北中世村落実態や「在家」の存在形態解明する基本史料一つである。
 このように中尊寺文書東北地方における寺院所領実態変遷伝えるほか、南北朝内乱様相をも併せ伝えて価値が高い。
 骨寺村一関市本寺)は、磐井郡西端山間部磐井川流域の小盆地位置し中尊寺経蔵初代別当になった光の往古私領として天治三年一一二六)に経蔵寄進され以後経蔵別当領として伝領された。この骨寺村をおのおの墨色や墨線のみで描いた二幅絵図は、簡略図、記載内容の詳しい詳細図、および詳細図紙背描かれている差図からなっている。
 簡略図は骨寺村自然地形景観と略正確に一致し本図作成目的一つが骨寺村現実地理的景観把握にあったことが理解されるまた、本図はその景観表現などからして鎌倉時代後期作成になるものと考えられる
 詳細図紙背の差図は骨寺村中尊寺経蔵別当領であるを示すために作成され絵図であることをよく示しており、山並み描き方などの特徴からみても簡略図との共通点がみえ、簡略図と略同時代鎌倉時代後期一対の差図として作成されたことを伝えている。また、鎌倉時代後期中尊寺様相伽藍配置がらんはいち】を如実に伝え唯一の境内図として貴重である。
 詳細図裏書外題うらがきげだい】からみて南北朝時代における郡地葛西氏との山野をめぐる境相論の際に作成され可能性伝えている。図中にみえる山並み樹木等の筆法四至境【しいしさかい】の注記からみて、南北朝期作成になるものと認められる
 この骨寺村絵図東北における中世村落景観伝え絵図として他に類例のないものであり、村落内部構造および中世所領性格考察する上にも重要な遺品である。

陸奥国骨寺村絵図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/11 05:50 UTC 版)

陸奥国骨寺村絵図』(むつのくにほんでらむらえず)は、岩手県平泉町の関山中尊寺に現存する2葉の荘園絵図。「骨寺村在家絵図」と「骨寺村差図」からなり、国の重要文化財に指定されている。この2葉の絵図に描かれた景観が現存する地域として、一関市に所在する「骨寺村荘園遺跡」(ほねでらむらしょうえんいせき)を荘園遺跡として史跡に指定し、「一関本寺の農村景観」(いちのせきほんでらののうそんけいかん)を重要文化的景観に選定し、保存している。




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