部品と操作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 01:14 UTC 版)
部品(水源からの順序で) ポンプ、高い位置にあるタンク 浄水器-濾過器:砂分離装置、サイクロン、スクリーンフィルター、多孔質フィルター 液肥混入装置(ベンチュリ管の注入器)と化学薬品添加装置(必要に応じて) 逆流防止装置 主配管(大口径管とパイプ取り付け用具) 手動、電子制御または油圧制御弁と安全弁 小直径ポリチューブ 接続用部品 植物への滴下装置(例.点滴孔、マイクロ噴霧器、直列型点滴孔 ) 点滴灌漑装置のポンプとバルブは、手動で制御される場合と自動的に制御される場合がある。 大抵の大型点滴灌漑装置には、小さな水中の粒子で狭い流出経路が詰まるのを防ぐためにいくつかの種類のフィルターが取り付けられている。現在、目詰まりを最小限にする技術が提供されている。飲料水は、水処理工場で既に濾過されているので、いくつかの住宅用システムでは、フィルターなしで設置されている。とは言え、ほとんどすべての点滴灌漑装置では、フィルターを用いることが推奨され、フィルターが取り付けられていない場合は保証を受けられない。 点滴灌漑と地中点滴灌漑は、下水処理水を使用する場合にもっぱら使われている。たいてい規制により、飲料水基準を満たしていない水を空気中に散布することが禁止されている。 点滴灌漑装置で水を与える方法をとる場合、表面に散布し徐々に溶解させる伝統的な施肥方法は、効果的でないことがある。そのため、点滴灌漑装置では、しばしば灌漑水に液肥を混入させる。これは、液肥混入灌漑法と呼ばれる。液肥混入灌漑法と薬品混入灌漑法(chemigation、農薬の添加と装置の掃除のために周期的に塩素や硫酸のような化学物質を添加すること)は、隔膜ポンプやピストンポンプ、ベンチュリーポンプのような注入装置を使用する。薬品は、装置が灌漑しているときに常に混入し続ける場合もあれば、断続的に与えられる場合もある。最近の大学のフィールド調査から、ゆっくりとした給水速度で液肥混入灌漑を行った場合、伝統的な施肥法と小型スプレーヘッドによる灌漑の組み合わせに比べて、最大で95%の肥料を節約できたことが報告されている。 適切に設計・管理されれば、植物根に水がより適切に与えられるため、地表灌漑やスプリンクラーに比べて、点滴灌漑は蒸発と深部への排水を減らすことで水の節約を促進する。加えて、点滴灌漑は水が葉に触れることで広がる多くの病気を防ぐことができる。水の供給が非常に限られている地域では、最終的に水消費量の削減には結びつかないかもしれないが、以前と同量の水でより多くの収量を得ることができる。非常に乾燥した地域や砂地では、できるだけゆっくり灌漑水を与えることが重要である。 流出や深部への浸透を減らすことで、一度に植物に与えられる水量を減らすパルス灌漑が行われることがある。パルス装置は、一般的に高価で頻繁なメンテナンスを必要とする。これらの理由から、エミッター製造業者の間では、1 L/hrのような超低速で灌漑水を運搬する新技術の開発に努力が注がれている。ゆっくりかつ均一に送水すれば、高価で複雑なパルス運送装置を使用しなくても水利用効率をより改善することができる。 点滴灌漑は畑、ビニールハウス、住宅の庭に使用されている。点滴灌漑は、深刻な水不足に悩む地域やココナッツ、コンテナ栽培の庭木、葡萄、バナナ、ナツメ、ナス、シトラス、イチゴ、サトウキビ、綿、トウモロコシ、トマトのような作物に広く適用されている。庭点滴灌漑キットは、庭を持つ人々の間で人気であり、タイマー、ホース、点滴孔で構成されている。
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