直列型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 10:21 UTC 版)
「コーリニアアレイアンテナ」の記事における「直列型」の解説
直列型の構造は、垂直に設置した1/2波長のダイポールアンテナのエレメントの上端に、位相が同相になるようにした数本の1/2波長のエレメントを直列接続したものである。単に1/2波長のエレメントを直列接続しただけでは、同相、逆相、同相、逆相・・・となり水平方向の放射が打ち消されるため、位相をそろえる必要がある。こうすることで、各エレメントからの放射が同位相で励振されるため、利得が向上する。位相をそろえる方法は電気的に行う方法と機械的に行う方法の二種類がある。 電気式 1/2波長の電気長を持つコイルやU字型のスタブを1/2波長のエレメントに直列に接続することで、電流の位相を反転させる。 機械式 1/2波長のエレメントを同軸ケーブルで構成し、1/2波長おきに同軸ケーブルの内部導体と外部導体を「互い違い」になるように接続することで、電流の位相を反転させる。 直列型の場合、段数を多くすると僅かな波長誤差が累積し、所望の性能が得られない問題がある。極端な例で考えると、一段で波長誤差が1/20波長であった場合、10段重なると誤差は1/2波長にもなり、もはや同位相とは言えなくなる。波長誤差は、製作精度が低い場合(または波長短縮率の見込み違い)と設計中心周波数から離れて運用した場合に発生する。前者は改善可能なものであるが後者は改善困難であり、多周波数で運用する移動通信の基地局では、後述の並列型が使われる。
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