直列化可能性とは? わかりやすく解説

直列化可能性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 05:43 UTC 版)

データベーストランザクション処理(トランザクション管理)、多くのトランザクショナルなアプリケーション、集中型および分散コンピューティングにおいて、トランザクションスケジュール(履歴)の結果(最終的なデータベースの状態およびデータベースデータの値)がトランザクションを直列的に実行した場合、つまり、時間的な重複無くシリアルに実行した場合と結果が等しい時、直列化可能である、あるいは直列化可能性[1][2]という性質を持っていると言う。トランザクションは通常並列に実行され(時間的に重複があり)、それはこの方法がもっとも効率的であるからである。直列化可能性は並列トランザクションの実行において重要な正確性の判定基準である。トランザクション間の最高のレベルでのトランザクション分離レベルであると考えられ、並行性制御において重要な役割を担っている。そのため、汎用データベースシステムの全てにおいて実装されている。厳密な (Strict) ツーフェーズロック(SS2PL)は1970年代の初期から多くのデータベースシステムにおいて用いられている一般的な直列化可能性機構である。


  1. ^ Philip A. Bernstein, Vassos Hadzilacos, Nathan Goodman (1987): Concurrency Control and Recovery in Database Systems, Addison Wesley Publishing Company, ISBN 0-20110-715-5
  2. ^ Gerhard Weikum, Gottfried Vossen (2001): Transactional Information Systems, Elsevier, ISBN 1-55860-508-8
  3. ^ Yoav Raz, On the Significance of Commitment Ordering - Call for patenting, Memorandum, Digital Equipment Corporation, November 1990.
  4. ^ Yoav Raz, US patents 5,504,899 5,504,900 5,701,480
  5. ^ Heiko Schuldt, Hans-Jo"rg Schek, and Gustavo Alonso (1999): "Transactional Coordination Agents for Composite Systems", In Proceedings of the 3rd International Database Engineering and Applications Symposium (IDEAS’99), IEEE Computer Society Press, Montrteal, Canada, pp. 321--331.
  6. ^ Klaus Haller, Heiko Schuldt, Can Tu"rker (2005): "Decentralized coordination of transactional processes in peer-to-peer environments", Proceedings of the 2005 ACM CIKM, International Conference on Information and Knowledge Management, pp. 28-35, Bremen, Germany, October 31 - November 5, 2005, ISBN 1-59593-140-6
  7. ^ Laura Cristiana Voicu, Heiko Schuldt, Fuat Akal, Yuri Breitbart, Hans Jo"rg Schek (2009a): "Re:GRIDiT -- Coordinating Distributed Update Transactions on Replicated Data in the Grid", 10th IEEE/ACM International Conference on Grid Computing (Grid 2009), Banff, Canada, 2009/10.
  8. ^ Laura Cristiana Voicu and Heiko Schuldt (2009b): "How Replicated Data Management in the Cloud can benefit from a Data Grid Protocol ― the Re:GRIDiT Approach", Proceedings of the 1st International Workshop on Cloud Data Management (CloudDB 2009), Hong Kong, China, 2009/11.


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直列化可能性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 10:02 UTC 版)

並行性制御」の記事における「直列化可能性」の解説

正確性維持するため、並行性制御機構多くは直列化可能性を備えたスケジュール生成する。直列化可能性は独立性の最も高いレベルである。直列化可能性は、性能上のため(例えば、スナップショット分離英語版))や高度に分散されシステムでの可用性上のために緩和されることもあるが(結果整合性参照)、それはその用途での正確さ緩和によって影響受けない場合のみである(金融関係トランザクションでは直列化可能性は緩和できない)。

※この「直列化可能性」の解説は、「並行性制御」の解説の一部です。
「直列化可能性」を含む「並行性制御」の記事については、「並行性制御」の概要を参照ください。

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