線形化可能性と直列化可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 20:34 UTC 版)
「線形化可能性」の記事における「線形化可能性と直列化可能性」の解説
次のような履歴があるとする。これも2つのオブジェクトがロックを使って相互作用する。 Aがロックを呼び出す Aが成功の応答を受け取る Bがロック解除を呼び出す Bがロック解除に成功する Aがロック解除を呼び出す Aがロック解除に成功する この履歴は、AとBの両方がロックを保持している時点があるため有効ではない。さらに順序規則に違反しない限り、有効な順序履歴に並び替えることはできない。したがって線形化可能ではない。しかし直列化可能性の下では、Bのロック解除操作をAの最初のロックの「前」に移動させることができ、これは有効な履歴となる(オブジェクトがロック状態で履歴を開始したと仮定)。 Bがロック解除を呼び出す Bがロック解除に成功する Aがロックを呼び出す Aがロックに成功する Aがロック解除を呼び出す Aがロック解除に成功する この並び替えは、AとBの間で別の通信手段がない場合には意味がある。並び替えの制限により複数の線形化可能なオブジェクトが全体として線形化可能であることが保証されるため、個々のオブジェクトを個別に検討する場合には、線形化可能性が向上する。
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