赤軍大粛清とは? わかりやすく解説

赤軍大粛清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:49 UTC 版)

ラインハルト・ハイドリヒ」の記事における「赤軍大粛清」の解説

ソ連独裁者ヨシフ・スターリンによって行われたミハイル・トゥハチェフスキー赤軍幹部対象とした粛清事件大粛清)にハイドリヒ少なからず関与した1936年12月5日ハイドリヒソ連秘密警察NKVDとの間の二重スパイフランス在住の元ロシア白軍将軍ニコライ・スコブリンとプリンツ・アルブレヒト街の事務所において面会した。スコブリンは「モスクワ確かな情報筋」からの情報としてトゥハチェフスキーやヤン・ガマルニク、イオナ・ヤキール赤軍幹部スターリン対すクーデタ計画中であるという情報告げた数日後ハイドリヒSD幹部招集し、この件についての会議行ったハイドリヒシェレンベルクは、トゥハチェフスキーらを粛清させて赤軍弱体化するよう工作することを提案した一方、エーリヒ・ヤーンケ(de:Erich Jahnke)親衛隊大尉は、スコブリンの素性疑いソ連偽情報可能性ありとしてハイドリヒ慎重な行動求めた。しかしハイドリヒはこれに激怒し、ヤーンケを出勤停止処分にし、ヒムラーヒトラー同意得た上で工作活動強行したSD東方課長のヘルマン・ベーレンツ(Hermann Behrends)親衛隊中佐赤軍高官署名入った文書探し集めアルフレート・ナウヨックス親衛隊大尉らが偽造文書作成行った。彼らは1937年2月初めまでにはすべての作業完了させ、ハイドリヒ偽造文書提出したハイドリヒは、1937年4月にはこの偽造文書チェコスロバキア親ソ大統領エドヴァルド・ベネシュ入手させた。ベネシュはただちにソ連の駐プラハ公使アレクサンドロフスキーにこれを伝え、アレクサンドロフスキーからモスクワ伝わったスターリン粛清意志決定に際してこの偽造文書影響与えたかどうか不明であるが、5月下旬にはトゥハチェフスキーやヤキールらは逮捕され6月処刑された。その後ソ連では赤軍大粛清が吹き荒れ大佐上の高級将校65%が粛清された。 ハイドリヒは、これを自分工作活動成果としてカナリス提督率いアプヴェーア国防軍諜報部)を出し抜いた得意げに触れまわった。この一件以来アプヴェーアSD反目決定的になったといわれている。なおこの両諜報機関争いハイドリヒ存命中には勝負がつかなかったが、1944年7月20日ヒトラー暗殺未遂事件カナリス処刑されたことでアプヴェーアSD傘下となり、SD勝利終わった

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赤軍大粛清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 14:47 UTC 版)

大粛清」の記事における「赤軍大粛清」の解説

第一次モスクワ裁判では、ムラチュコフスキー(ロシア語版将軍ウラル軍管区英語版司令官)やスミルノフ将軍シベリア方面赤軍司令官)など赤軍高官処刑されていたが、彼等赤軍という派閥以前に、スターリンに並ぶオールド・ボリシェヴィキとしての側面恐れられ粛清されとみられる赤軍自体への粛清は、当初スターリン手を焼いていたが、1936年7月NKVD逮捕されたドミトリー・シュミット(ロシア語版将軍キエフ軍管区戦車隊司令官)が、拷問の末廃人にされて赤軍内の共犯者”の名前を“自白”したことで、徐々に赤軍高級将校へ粛清始まった。さらに1937年6月11日にはミハイル・トゥハチェフスキー元帥国防人民委員代理)、イオナ・ヤキール一等軍司令官キエフ軍管区司令官)、イエロニム・ウボレヴィッチ一等軍司令官白ロシア軍管区司令官)ら名だたる赤軍高官まとめてナチスドイツスパイ”として銃殺されこれを機に赤軍粛清がいよいよ本格化する(上記シュミット将軍同年6月20日処刑されている)。 以降、翌1938年までいわゆる「赤軍大粛清」が吹き荒れることとなり、元帥5人のうち3名、軍司令官15人のうち13人、軍団長85人のうち62人、師団長195人中110人、旅団長406人中220人、大佐級も四分の三殺され大佐上の高級将校65%が粛清され計算になる。政治委員共産党から赤軍監視のために派遣されている党員たち)も最低2万人以上が殺害され、また赤軍軍人共産党員だった者は30万人いたが、そのうち半数15万人1938年代に命を落とした

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