調査と報告
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「ヒザー・グリーン鉄道事故」の記事における「調査と報告」の解説
この脱線事故はあるレールの継ぎ目の破損したレールが原因であるとわかった。その継ぎ目の枕木は以前破損しており、代わりにより浅い木製の枕木と交換されていた。この代わりの枕木はうまく詰められておらず、きれいなバラストの浅い層の上にあり、隣接するコンクリート枕木にレールを支持するゴム製の軌道パッドは無かった。 脱線事故後、乗客は速度超過で走行する列車について述べたが、イギリス国鉄は定期的にこれを監視しており認可速度を超えて走行する列車の数は少なく、通常わずかである。ヘイスティングス線の車両の乗り心地の悪さについての苦情も受け、同クラスの別の列車をサザン・リージョンやイースタン・リージョンの線路でテストした。乗り心地はイースタン・リージョンの線路のほうが良かったが、サザン・リージョンの線路で危険ではないと考えられた。 同線の電車に対する制限速度は1967年7月に75 mph (121 km/h)から90 mph (140 km/h)へ引き上げられた。脱線事故後、同線は点検され一時的に60 mph (97 km/h)の速度規制が設けられた。報告書により、Civil Engineering and Inspection Departmentsが同線に低すぎるメンテナンス基準で許可し、また列車速度の増加の影響を評価できていなかったことが判明した。
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調査と報告
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「キングス・クロス火災」の記事における「調査と報告」の解説
事故の公式調査は、委員長のデスモンド・フェンネル (Desmond Fennell、OBE QC) ほか4名の専門家による調査委員会によって行われた。調査は1988年2月1日、ウェストミンスターのセントラルホールで開始され、91日にわたる証拠聴取を行い6月24日閉会した。 ロンドン地下鉄は1985年2月から駅構内の地下部分が禁煙となっていたが(オックスフォード・サーカス駅火災によるもの)、調査の結果乗客が火のついたままのマッチを投げ捨て、それがエスカレータ側面と踏み板の間に落ちて燃え広がったのがほぼ確実に火災の原因であるとされた。また、警察の調べでは、出火場所がエスカレーターの下で近づくのが難しい場所であり現場からは燃焼を促進させる物質なども発見されなかったため、放火の疑いはないと判断された。現場調査担当者は、エスカレーター側面の8か所の木が焦げて炭化していたことや、踏み板にマッチが挟まっているのを発見しており、これは火災が過去にも同様に発生していたがその際は火が燃え広がらずに自然に消えていたことを示すものであった。 地下鉄車両内での喫煙は1984年7月から禁止されており、オックスフォード・サーカス駅の火災以降は地下駅構内すべてが禁煙となっていたが、喫煙者の中にはこれを無視してタバコを投げ捨てていくものも少なくなかった。現場調査ではエスカレーター踏み板下にグリースのかたまりがあるのが発見されている。グリースは着火しにくく火の回りも遅いと考えられていたが、現場で発見されたグリース塊は線維状の物質が多く混ざっており、実際に火のついたマッチをエスカレーターに落とす実験をしたところマッチはこのグリースに着火して火は燃え広がり、その後消火されるまでの9分間燃え続けた。 この実験はキングス・クロス火災の第一目撃者の証言を再現したものであったが、委員会の4人の専門家の間ではなぜ小さな火がフラッシュオーバーを起こしたのかについて意見がまとまらず、構内天井の塗料によるものではないかなどの見解も示された。キングス・クロス駅の模型が原子力研究所(Atomic Energy Research Establishment、ハウエル研究所とも)内につくられコンピューターを使ったシミュレーションが行われた。その結果、炎は、切符売場に到達する火炎の噴流を生み出すまでは、垂直には燃え広がらずエスカレーターの床面に留まったままであった。 この結果は目撃者の証言と一致していたが、シミュレーションの表示画面は炎が30度の角度のエスカレーターと平行に燃え広がる様子を示していたが、こうした現象はありえないと考えプログラミングに誤りがあったと疑う意見もあった。バクストンにあるイギリス安全衛生庁 (Health and Safety Executive) の敷地内でエスカレーターの3分の1サイズの模型を使った実験において、着火してから7分半の間火は燃え広がらずに留まっていた。火自体はエスカレータの金属部分に溜り、火よりも先に熱だけがエスカレーターの溝を上昇していった。そしてエスカレーター溝の内部でフラッシュオーバーが起こると、炎のサイズは劇的に増大し火炎の噴流となって模型の切符売場を襲った。 本件においてはエスカレーターの30度という角度が重要な役割を果たしていた。切符売り場の乗客たちは、このときまだ知られていなかった、後に「トレンチ効果」と名付けられる流体力学上の現象によって命を落としたのであった。調査報告は、この新たに発見されたトレンチ効果によって、19時45分に火災がフラッシュオーバーを起こしたものと結論付けた。ただし、傾斜地において対流により空気を取り込み高熱を産み出すトレンチ効果自体は、アジア圏では古くから登り窯として利用されており、世界的に見れば新発見とは言えない。 報告書はまた、これまでの火災で死亡者が出ていなかったがために災害を軽視していたとして、ロンドン地下鉄を厳しく非難した。駅員は、火災が手に負えなくなってから消防を呼ぶものとされており、可能な限り自力で対応するものとされていた。火災は「くすぶり火」と呼ばれ、駅員は火災対応や避難の訓練をほとんどあるいはまったく受けていなかった。
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