公式調査と報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 16:04 UTC 版)
「エストニア (クルーズフェリー)」の記事における「公式調査と報告」の解説
沈船の調査と映像記録の採取は遠隔操作無人探査機と、ノルウェーのロックウォーター社により行われた。公式報告書に寄れば、バウバイザーの固定部・ヒンジ部が、波に抗しきれず脱落し、格納されていたランプウェイが開いたとしている。船橋からは、バウバイザー及びランプウェイが運用時に開放状態であったり、ロック解除状態であることを示す表示灯が備えられていた。また、バウバイザーは船橋からは死角となっており、モニタによりランプウェイ内部を監視していたが、モニタは海図室手前に位置し、操舵を指揮する位置からは確認できなかった。バウバイザーは、沿岸部を航行する本来の運用状況に合わせて設計されており、張出し角度は衝撃を狭い面積に集中させる形状となっていた。最初の金属音は、バウバイザーの下部のロックが破損した音として、続く音はバウバイザーが動いたことで他の部分が破損した音であると推定される。ランプウェイが開いたことで、海水が車両甲板に流入、これによる傾斜が転覆・沈没の主因となった。 金属音が聞こえた時点で調査前に減速しなかったこと、海水の流入による船体の傾斜に気を配らなかったことが乗員のミスとして扱われている。加えて。警報の遅れ、避難誘導の欠如も批判されている。 この調査結果には批判が向けられ、造船所主導によるものを含む反論がなされた。スウェーデン政府は2006年に外部機関に再調査を依頼しているが、これもまた決定的なものとはならず、反論がなされている。
※この「公式調査と報告」の解説は、「エストニア (クルーズフェリー)」の解説の一部です。
「公式調査と報告」を含む「エストニア (クルーズフェリー)」の記事については、「エストニア (クルーズフェリー)」の概要を参照ください。
- 公式調査と報告のページへのリンク