記者による問題行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 01:57 UTC 版)
「スポーツニッポン」の記事における「記者による問題行動」の解説
2012年4月には、当時勤務していた女性記者が無免許運転で人身事故を起こしたことによって、自動車運転過失傷害と道交法違反(無免許運転)の現行犯で逮捕。5月18日に、その事実が他社の報道で判明した。 日本国内で新型コロナウイルス(COVID-19)への感染が拡大している2021年には、COVID-19対策をめぐる不正な行為によって記者が社内処分を受ける事例が相次いでいる。「日本中央競馬会に所属する調教助手や厩務員などの厩舎関係者が、日本政府がCOVID-19対策の一環で創設した持続化給付金を不正に受給した」とされる問題が2月に浮上した際に、大阪本社編集局のレース部に勤務していた競馬担当の男性記者が、申請を指南していた大阪市の男性税理士を厩舎関係者に仲介していたことが判明。スポーツニッポンでは、2月25日付の紙面で上記の事実を認めるとともに、「本来の業務と関係のない行為で記者としての倫理を逸脱した」として謝罪文を掲載した。当該記者は同日付でレース部から異動した後に、4月28日付で出勤停止の懲戒処分を受けたほか、当時所属していた関西競馬記者クラブからの退会も余儀なくされた。 日本政府が新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を東京都内へ発出していた4月30日・5月7日に、大相撲力士の朝乃山(当時は大関)が日本相撲協会の申し合わせ(COVID-19対策のガイドライン)に反して都内の「接待を伴う飲食店」へ出入りしていたことを『週刊文春』が5月27日号(同月19日発売)で報道。同誌の記者が当該店舗の前で朝乃山への取材を試みようと待機していたところ、朝乃山を待ち受けていた東京本社勤務の相撲担当記者が「お前ら週刊誌(の記者)なんだろ? こっちは素人じゃねぇんだよ」などと威圧しながら取材を妨げた模様も伝えた。東京本社では、当該記者からの事情聴取や社外の弁護士を交えた調査を経て、6月11日に関係者の処分を発表。当該記者を東京本社付へ異動させたうえで諭旨解雇、直属の上司に当たる部長を減給に処した(いずれも同月10日付)。さらに、東京本社の役員(代表取締役社長の河野俊史など3人)が役員報酬の一部を返上することも発表している。当該記者は中途採用で東京本社へ入社。相撲担当に配属されてからは、取材で知り合った現役力士(朝乃山や貴景勝など)を誘っては飲食や遊興を繰り返していたとされる。朝乃山とは緊急事態宣言の発出中に「接待を伴う飲食店」を10回訪れていたが、『週刊文春』の編集部から東京本社宛てに質問状が届いた旨をスポーツ担当部長から聞いた直後には、事実を隠蔽するための「口裏合わせ」を朝乃山に提案した。朝乃山は日本相撲協会、当該記者は東京本社社内の事情聴取に対して緊急事態宣言下での「不要な外出」自体を否定していたという。 日本相撲協会では、緊急事態宣言発出中の5月9日から、COVID-19の感染拡大に対する防止策を徹底させながら本場所(令和3年大相撲夏場所)を両国国技館(東京都墨田区)で開催していた。朝乃山はこの場所に「東の正大関」として臨んでいて、夏場所の10日目(『週刊文春』の報道が出る前日の18日)には、尾車コンプライアンス部長からの事情聴取に対して「事実無根です」と否定していた。しかし、11日目(19日)の打ち出し後に日本相撲協会からの事情聴取を再び受けた際に、相撲担当記者と共に「接待を伴う飲食店」への出入りを繰り返していたことや、1回目の聴取で虚偽の内容を報告したことや、当該記者との出入りの事実を示す証拠の隠滅(私用のスマートフォンに残っていたLINE上のメッセージの削除など)を図ったことを認めた。 朝乃山は、夏場所を12日目(20日)から休場したばかりか、場所後の5月21日付で日本相撲協会に引退届を提出した。これに対して、協会では引退届を預かったうえで、6月11日に臨時理事会を開催。朝乃山への懲戒処分として、直近(7月)場所から6場所連続出場停止と6ヶ月間の報酬半減(50%減額)に処すことを決めた。「朝乃山にはもう一度チャンスを与える」との姿勢を示しながら相撲協会への虚偽報告を重く見た末の決定で、朝乃山の行為で協会に再び迷惑が掛かった場合には引退届を正式に受理する方針も打ち出している。東京本社による一連の処分は朝乃山への懲戒処分を受けての措置で、(関連会社からの発行分を含む)6月12日付の紙面では上記の処分、経緯、今後の対策に関する説明に1ページを割いた。
※この「記者による問題行動」の解説は、「スポーツニッポン」の解説の一部です。
「記者による問題行動」を含む「スポーツニッポン」の記事については、「スポーツニッポン」の概要を参照ください。
- 記者による問題行動のページへのリンク