COVID-19の感染拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 05:57 UTC 版)
「米中関係」の記事における「COVID-19の感染拡大」の解説
2019年に中国武漢で発生し、パンデミックを引き起こした2019新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して、トランプは当初COVID-19対策で中国と緊密に協力しているとして中国を力強く率いていると習近平国家主席を称賛し、ウイルスも「自然に消えてなくなる」と意図的に軽視していた。しかし、次第に米国国内でも流行すると中国および世界保健機関(WHO)への批判を強め、「中国ウイルス」「カンフルー」(中国のカンフーとインフルエンザをあわせた造語)とも形容するようになった。2020年4月7日、トランプ大統領はWHOが「中国中心主義」で、世界に不適切な提言を行っていると批判した。また、5月6日には真珠湾攻撃やアメリカ同時多発テロを引き合いに、アメリカで感染拡大が深刻化する事態について「アメリカが経験した最悪の攻撃」とした上で「発生した場所で抑え込まれるべきだったが、そうはならなかった」と指摘し、暗に中国を批判した。 さらに、5月14日には中国の対応への失望を述べるとともに、現時点で習近平国家主席との対話は望んでいないとし、「われわれには多くの措置を講じることが可能だ。関係を完全に断ち切ることもできる」と述べ、中国との断交の可能性も示唆した。5月18日にはWHOを「中国の操り人形」だと批判し、米国からWHOへの拠出金の削減や打ち切りを検討していることを認めた。 新型コロナへの中国の対応に関しても改めて批判を加え、「武漢ウイルス」の用語をあえて使用して「中国がウイルスを隠蔽したせいで感染が世界に拡大し、アメリカでも10万人以上が死亡した」と訴えた。さらに関連してWHOについても「中国に牛耳られている」「アメリカの組織改革の要求に応えていない」と批判。年間4億5千万ドル規模とされるWHOに対する米国の拠出金を他の保健衛生関連の国際組織に振り向けると表明、WHOとの「関係を断絶する」と発表した。 記者会見後には、中国人民解放軍に連なる研究機関に所属する大学院生のアメリカへの入国を禁じる大統領布告に署名した。 同年8月9日、アメリカは新型コロナウイルスへの対応としてアレックス・アザー厚生長官を長官を台湾に派遣。同月10日、台湾を訪問しているアザー長官と蔡英文総統が会談を実施した。同時期には、国家安全法導入をめぐり米中双方で資産凍結の応酬があり(後述)、両にらみの展開となった。
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