COVID-19に対するmRNAワクチンの有効性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 08:48 UTC 版)
「RNAワクチン」の記事における「COVID-19に対するmRNAワクチンの有効性」の解説
COVID-19以外の病原体を対象とした先行のmRNA医薬品試験があまり有望ではなく、試験の初期段階で断念せざるを得なかったにもかかわらず、急務で開発したモデルナとバイオンテック/ファイザーの新規mRNA COVID-19ワクチンが90 - 95%の潜在的な有効率を示しているのがなぜなのかは不明である。医学研究者マーガレット・リュー(英語版)は、「開発に投入されたリソースの量の多さ」が原因である可能性があると示唆している。また、ワクチンが「特異的な免疫反応を高める可能性のあるmRNAに対する非特異的な炎症反応を誘発している可能性があり、ヌクレオシドを見直して免疫反応からの炎症を軽減したが完全に排除はできていない」と述べ、臨床試験で見られたいくらかのワクチン被験者の発熱や痛みなどの反応はこのためではないかと指摘している(これらの原因はPEG化された薬物の反応と考えられていた)。 2020年3月にCOVID-19のパンデミックが宣言されてからわずか1年以内という異例の早さで実用化・製品化されたことで、ごくまれに起きる長期的な副作用については未知である。 有効性の高さの潜在性に加え、取り扱いの難しさも問題視されている。mRNAの分子は非常に分解されやすく、曝露された環境下では数分以内に分解するため、mRNAワクチンは非常に低温で輸送ならびに保管する必要がある。さらに、ヒト細胞外、またはその薬物送達システムの外では、mRNA分子は人体によって速やかに分解されてしまう。こうしたmRNAの脆さもまた、ワクチンの有効性を保証する上で障壁となっている。
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