COVID-19 タスクフォース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:30 UTC 版)
「アンソニー・ファウチ」の記事における「COVID-19 タスクフォース」の解説
ファウチは2020年1月下旬にCOVID-19のパンデミックに対処するため大統領であるドナルド・トランプの下に設立された「ホワイトハウス・コロナウイルス・タスクフォース(英語版)」のメンバーで、COVID-19感染者の最終的な致命率は、世界保健機関 (WHO) が当初推定した2 %よりも1 %に近づく可能性が高く、季節性インフルエンザにおける率0.1 %の10倍程になると述べている。 アメリカ合衆国のCOVID-19パンデミックにおいて、ホワイトハウスの「事実上の」公衆衛生スポークスパーソンであり、「社会的距離 (social distancing)」対策を強く提唱した。また政府が当初発表した15日間の自粛指針を、少なくとも2020年4月末まで延長することを主張した。 2020年7月23日にはニューヨーク・ヤンキース対ワシントン・ナショナルズのMLB開幕戦に無観客の中マスク姿で始球式を行った。 しばしば政府の方針に反する発言を行ったファウチは、大統領であるトランプから遠ざけられるようになり、2020年7月現在で2か月間も大統領と話す機会が無い状態となった。一方で2020年アメリカ大統領選挙を戦うトランプ陣営が作成した選挙用ビデオにはファウチが登場、「これ以上のことをできる人がいるとは思えない」と述べている映像がテレビで流されることとなった。ただし、この映像は過去の関係のないインタビューから言葉だけを抜き出したものであり、AFPとのインタビューの中で「私は公職について50年近く、選挙の候補者を公に支持したことはない」と述べている。 2020年8月、ファウチは家族殺害の脅迫を受けたことをハーバード大学のフォーラムで明かし、「純粋な公衆衛生上の原則に反対する人間が、私やあなたの科学的な発言を気に入らないからとの理由で脅迫してくることは夢にも思わなかった」と述べて「反科学」の風潮に警鐘を鳴らした。 2020年11月2日、ホワイトハウスから「ファウチ氏がトランプ政権のCOVID-19対応を批判したことは容認できない」として、公式に非難する声明を出された。 2020年12月、2020年アメリカ合衆国大統領選挙で勝利したとされるジョー・バイデン次期大統領から「首席医療顧問」に任命された。 2021年1月の定例会見で大統領であるバイデンをトランプ前政権と比較して「私たちがこれから行うことの一つは、完全に透明かつオープンで正直でいることだという点だ。もし物事がうまくいかなければ、誰かを非難するのではなく問題を修正し、あらゆることを科学と根拠に基づいて行うようにすること。過去を蒸し返したくはないが、ヒドロキシクロロキンなどについて言われていたことは科学的な事実に基づいておらず、本当に不快だった。何の反発も招かずに何かを口にできるとは、とうてい思えなかった。ここに来て自分の知っていることを話せること、どんな根拠があるのか、科学の何たるかを説明でき、科学に語らせるだけでいいと知っているということ。それには、何だか解放感を覚える」と述べた。 2021年2月、大統領であるバイデンがトランプ前政権の脱退決定を撤回したWHO(世界保健機関)の理事会に出席し、COVID-19ワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX」への参加を表明した。 2021年9月、国立アレルギー感染症研究所が米国内の非営利団体「エコヘルス・アライアンス」を介して武漢ウイルス研究所に340万ドルもの資金が提供されているということが報じられた。この資金はコウモリのコロナウイルスの研究に費やされていた。ファウチは、5月1日の公聴会で「国立アレルギー感染症研究所はウイルスの機能獲得実験(英語版)のために武漢ウイルス研究所に資金を出したことはない」と述べているが、共和党所属のランド・ポール上院議員はこれを偽証とし、5年の刑に服すべきだと訴えた。
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