著作権管理団体および大手レーベルからの撤退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:53 UTC 版)
「平沢進」の記事における「著作権管理団体および大手レーベルからの撤退」の解説
@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}それまで権利関係に疎かった平沢は、自分の楽曲の著作権が出版会社に永久譲渡という形で契約されていることを知る[いつ?]。出版会社は、日本音楽著作権協会(JASRAC)から分配された楽曲使用料(印税)のうち50%を控除し、残額をアーティストに分配していたことから、その出版会社が控除した楽曲使用料がどのように運用されるのか、平沢は説明を求めた。しかし、出版会社からは「プロモーションに努める」という回答しか得られず、どのようなプロモーションを行い、どれだけの対費用効果があるのか、平沢が納得できるだけの具体的な回答が無かった。出版会社の変更もレコード会社との関係で困難であったことから、「なぜ私の権利が私の選んだ出版会社と契約できないんですかと、一回ゴネたことある」と述べている。 その後、1999年にはP-MODELのアルバム『音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE』をMP3で配信することを発表し、それに伴う大手レーベルからの撤退を発表する。以降は自社ケイオスユニオンよりテスラカイトレーベルを設立。演奏権を除き、配信やレンタル、通信カラオケ等の著作権はNexTone(旧イーライセンス)に委託する契約を行っている 。P-MODELとして活動した初期の楽曲については権利を永久譲渡している為、2010年に平沢が発売した『突弦変異』の収録曲の一部である、P-MODEL時代の1stまた2ndアルバム曲のセルフカバーはJASRACに支払いを行った。 1999年に、P-MODELがMP3による新曲配信をMP3にて行っていくとしてメンバーの小西健司と福間創らと共に記者会見を開いた際には、「我々はメジャーから外されても自分たちの活動は変わらない自信があるし、曲を直接リスナーに届けたいという気持ちから、メジャーからの契約を打ち切って音楽配信に踏み込んだ。MP3形式のデータを聴けないユーザーにもCDのパッケージ販売も続けていく」と答え、「今後は、レコード会社に所属しないミュージシャンが増加するだろう。ミュージシャンの自立を怖がるレコード会社もあると思う。しかし、MP3形式によるデータ配信は在庫管理などの面から見ても人員削減以外によるリストラが可能になるなどマイナス面ばかりではないだろう」と語った。書籍「音楽産業廃棄物」では、「メジャーレーベルに属す限り、メジャーレーベルが売りたいと思える曲でなければ世に出せないのが現状です。インターネットなら際限がなく音楽を発信でき、そのアーティストの音楽を聴きたい人に直接届ける事が出来るわけです。遠くない未来に、このようなアーティストが台頭していくでしょう。大手レーベルならば儲ける事を強要されるが、インターネットでならリスナーとアーティストで作品を直接提供でき、どれほどお金が必要かは自分で決めれる。自分は音楽で大儲けしたいのではなく、音楽で生活が成り立てばいい。」と語った。 2001年1月8日のNEWS23の「特集 音楽配信の未来は」にて取材を受けた際には、「日本全国のレコードショップなどで音楽を届ける手段、これらがインターネットの到来で僕ら自身が出来るようになってきたんです。つまり、もうレコード会社に居る必要はないんです。」と答えている。集金システムとの契約や音楽配信サイトの立ち上げ等は自身で可能な限りは全て自分一人で自社で行っていると語った。また、番組内でNapster等によるインターネット上での音楽の拡散問題が取り上げられた際には、「インターネットの中で不法コピーされる事をどう解釈するかによるんですね。インターネットという物は、無名なアーティストにとって非常に有利な”武器”になるんです。それで不法コピーされて広がったとして、プロモーションとして受け止められるのであればそれでいい。」とインターネットの肯定派の立場として取り上げられた。 現在、2000年初頭より平沢の新作CDについて販売方法は平沢本人が代表取締役社長を務める所属事務所の直売サイト、「TESLAKITE ONLINE SHOP 」によるインターネット通販が中心となっており、店頭在庫が存在する店舗はタワーレコードやHMVの様な大都市部などのインディーズレーベルを大々的に扱っているCDショップに限られている。2000年発売の『賢者のプロペラ』以前の作品もボックスセット『HALDYN DOME』と『太陽系亞種音』の発売により、ほぼ全ての既発表音源がオフィシャル通販で購入可能となった。また、2021年にリリースしたアルバム『BEACON』と、核P-MODELのアルバム『回=回』はBandcampにてアルバムダウンロード販売されている。 また、版権がポリドール(ユニバーサルミュージック)、日本コロムビアにあるオリジナル・アルバムについては2021年現在オリジナル・アルバムが2社から全て再販されており、iTunes Store等音楽配信サイトにてAACファイルの形で入手することが可能となっている。 音楽業界及びJASRACの著作権管理体制については厳しく批判している反面、リスナーによる個人間の二次利用については「資本主義と相容れない音楽の性質」として、自身への同一性保持権の侵害に該当しなければ基本的には黙認している。
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