腫瘍抗原とは? わかりやすく解説

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腫瘍抗原

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 10:23 UTC 版)

抗原」の記事における「腫瘍抗原」の解説

腫瘍抗原(tumor antigens)とは、腫瘍細胞表面にあるMHCクラスIまたはMHCクラスII分子によって提示される抗原である。このような細胞にのみ存在する抗原腫瘍特異的抗原英語版)(TSA)と呼ばれ一般的には腫瘍特異的な突然変異起因する。より一般的なものは、腫瘍細胞と正常細胞提示する抗原で、腫瘍関連抗原英語版)(TAA)と呼ばれる。これらの抗原認識した細胞障害性Tリンパ球は、腫瘍細胞破壊できる可能性がある。 腫瘍抗原は、たとえば、変異した受容体の形で腫瘍表面現れることがあり、その場合、B細胞認識されるウイルス病因を持たないヒト腫瘍場合腫瘍特異的なDNA変化によって新規ペプチド(ネオエピトープ)が作られる

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腫瘍抗原

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:27 UTC 版)

ポリオーマウイルス科」の記事における「腫瘍抗原」の解説

ラージT抗原ウイルスの生活環調節重要な役割果たしており、ウイルスDNAの複製起点結合してDNA合成促進するまた、ポリオーマウイルス複製宿主細胞装置依存しているため、複製開始されるためには 宿主細胞S期にある必要がある。またラージT抗原はいくつかの制御タンパク質に結合することで細胞シグナル伝達経路調節し細胞周期進行促進する。この作用は、がん抑制遺伝子p53Rbファミリーのメンバー阻害、そしてDNAへの結合ATPアーゼヘリカーゼDNAポリメラーゼα英語版)との結合転写開始前複合体構成因子への結合による細胞成長経路刺激という二方面からの攻撃によって行われる。この細胞周期異常な刺激は、発がん性形質転換強力な駆動力となる。 スモールT抗原も、細胞増殖刺激するいくつかの細胞経路活性化することができる。ポリオーマウイルススモールT抗原共通してPP2A標的とする。PP2AAktMAPK、SAPK経路など複数経路重要なサブユニット調節因子である。メルケル細胞ポリオーマウイルススモールT抗原はLT-stabilization domain(LSD)と呼ばれる固有のドメインコードしている。LSDはE3リガーゼFBXW7英語版)に結合して阻害し細胞由来ウイルス由来双方のがんタンパク質調節するSV40とは異なりメルケル細胞ポリオーマウイルススモールT抗原in vitro齧歯類細胞直接形質転換することができる。 ミドルT抗原は、MMTV-PyMTシステムなど、がん研究のために開発されモデル生物利用されている。このシステムではミドルT抗原はMMTV(英語版プロモーター共役したがん遺伝子として機能し腫瘍形成する組織はMMTVプロモーターによって決定される

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腫瘍抗原

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 02:17 UTC 版)

腫瘍免疫」の記事における「腫瘍抗原」の解説

詳細は「腫瘍抗原」を参照 癌細胞では正常では発現しないはずの抗原産生されることがあり、これを腫瘍特異抗原TSA)と呼ぶ。一方、正常組織にも癌組織にも発現している抗原腫瘍関連抗原TAA)と呼ばれる。これらの腫瘍抗原は細胞有する遺伝子変異起こった結果生じたタンパク質であり、その産生機構については(1)ウイルス産物(例:EBウイルス)、(2)癌遺伝子あるいは癌抑制遺伝子における変異欠失などの変化などが提唱されている。これらの腫瘍抗原は下記に示すような細胞により認識され腫瘍細胞排除されるはずであるが、実際に免疫寛容呼ばれる機構働いて免疫系腫瘍細胞をうまく認識できないことも多い。そもそも免疫寛容とは自己抗原対す免疫反応抑制される現象である。免疫寛容免疫系自己抗原対す特異性関与しており、免疫寛容機序としてはT細胞クローン除去アネルギー等といったものが知られている。しかし、この免疫寛容が腫瘍抗原に対しても働くことがあり、癌細胞生体の持つ免疫機構から免れるための機構となっている。その他に癌細胞抑制性のサイトカインであるTGF-βIL-10放出して免疫系を負に制御する免疫寛容機構知られている。

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