腫瘍抗原ワクチンのしくみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:19 UTC 版)
「腫瘍抗原ワクチン」の記事における「腫瘍抗原ワクチンのしくみ」の解説
腫瘍抗原ワクチンは、ワクチンに含まれた抗原を持つ細胞を攻撃するように免疫系を訓練することで、ウイルスワクチンと同じように作用する。その違いは、ウイルスワクチンの抗原は、ウイルスまたはウイルスに感染した細胞に由来するのに対し、腫瘍抗原ワクチンの抗原は、がん細胞に由来することである。腫瘍抗原は、がん細胞に存在する抗原であり、正常な細胞には見られないため、腫瘍抗原を含むワクチン接種は、健康な細胞ではなくがん細胞を標的とするように免疫系を訓練する必要がある。がん特異的腫瘍抗原には、通常の細胞には存在しないが、がん細胞で活性化されるタンパク質からのペプチドや、がん特異的変異を含むペプチドがある。樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)は、ワクチンから抗原を取り込み、それらをエピトープに加工し、主要組織適合遺伝子複合体タンパク質を介してT細胞にエピトープを提示する。T細胞がエピトープを外来性の異物と認識すると、適応免疫系が活性化され、抗原を発現している細胞を標的とする。
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