細胞ベースワクチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:19 UTC 版)
「腫瘍抗原ワクチン」の記事における「細胞ベースワクチン」の解説
細胞ベースワクチン(英語版)には、腫瘍細胞または腫瘍細胞溶解物が含まれる。患者から採取した腫瘍細胞には、最も広範囲の抗原が含まれていると予想されるが、この方法は費用がかかり、また、効果を発揮するには患者から採取した多くの腫瘍細胞が必要となる。患者の腫瘍に似た確立されたがん細胞株を組み合わせて使用することで、これらの障害を克服することができるが、このアプローチはまだ有効ではない。3つのメラノーマ細胞株を組み合わせたCanvaxinは、第III相臨床試験に失敗した。もう一つの細胞ベースのワクチン戦略は、腫瘍抗原が添加された自己樹状細胞(患者に由来する樹状細胞)を用いるものである。この戦略では、ワクチンが投与された後にネイティブAPCによる抗原の処理に頼るのではなく、抗原提示樹状細胞が直接T細胞を刺激する。最もよく知られている樹状細胞ワクチンであるSipuleucel-T(英語版)(Provenge)では、生存期間は4ヶ月しか改善されなかった。樹状細胞ワクチンの有効性は、樹状細胞がリンパ節に移動してT細胞と相互作用することが困難なため制限を受けている可能性がある。
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